ITRI、健康福祉における3件の台日協力覚書(MOU)を締結
2019年9月25日
ITRI、健康福祉における3件の台日協力覚書(MOU)締結
工業技術研究院(本部:台湾新竹県、院長:劉文雄Edwin Liu、以下ITRI)は本日9月25日、台湾企業と日本企業との提携の覚書を締結しました。当事業は、高齢化社会を迎える両国が提携し、新ビジネスの創出と健康福祉産業の振興を促進させることを目的としています。提携企業は、台湾の企業である中化銀髪(Chunghwa Senior Care、註1)、錸徳集団(RiTEK、註2)、點睛科技(IdeaBus、註3)はそれぞれ日本の株式会社エムダブルエス日高、一般社団法人テクノケア、株式会社サイです。これを機に、台日の健康福祉産業における提携がますます盛んになることを期待しています。
台湾経済部工業局の指導のもと、9月22日から28日にまで、「2019台湾日本健康福祉産業ビジネス開拓団」を組織し、世界三大福祉機器展の一つである日本国際福祉機器展(H.C.R.)に参加、台湾の健康福祉企業のグローバル市場展開に尽力しました。経済部工業局洪輝嵩(Hui-Song Hong)グループ長をはじめ、李家豪(Jia-Hao Li)技正、ITRIの産業科学技術国際戦略発展所(註4)鍾俊元(Jim Chung)副所長、台湾中化銀髪産業協会李宗勇(Tzung-Yung Li)理事長は、日本のヘルスケア分野の企業株式会社(エムダブルエス日高、株式会社やさしい手、SOMPOホールディングス株式会社、株式会社ベストライフ・プロモーション、株式会社Welby、ディメンシア・フロント株式会社、社会福祉法人伸こう福祉会)と交流しました。今後も更なる協力関係の構築を目指します。
台湾経済部工業局民生化工組洪輝嵩(Hui-Song Hong)グループ長によりますと、経済部工業局は2017年から「健康福祉イノベーションサービス促進計画」を実施し、高齢者の健康的なライフスタイルと生活の質を促進する目標を掲げ、保険外自費の健康と福祉産業を促進し、社会福祉システムと医療システムとの相互支援に積極的に取り組んでいきます。また、高齢者介護に携わるメーカーの開発を加速させることで、有意義なサービスを提供し、台湾産業の発展を支援します。日本は健康福祉産業の発展が世界標準であり、また台湾との友好関係を長期的に築いてきたことから、産業上相互補完性のある産業発展のための重要なパートナーだと言えるでしょう。双方の協力により、既存のビジネスや投資のチャンスを短期的に生み出すことができるだけでなく、中長期的なネットワークを構築することができ、各産業の国際化に寄与します。
ITRI産業科学技術国際戦略発展所鍾俊元(Jim Chung)副所長によりますと、台湾は昨年高齢化社会の到来を前に、このような人口構造の変化を単なる社会現象としてだけでなく、新しいビジネスチャンスとして認識していくべきだと考えています。製品およびサービスモデルの革新によって、様々な介護製品及び新サービスの提供が期待されます。 ITRIは、台湾でフィールド実証試験を実施し、介護産業における業界間を統合したサービス指標を確立します。また2016年から、台日の健康福祉産業の交流と協力のためのプラットフォームを構築してきた台日健康福祉産業ビジネスマッチング会を通じて、台湾産業の国際化やビジネスマッチングを支援します。
この度、ITRIは台日企業連携の覚書(MOU)を3件締結しました。両国は本日(25日)正式的に台湾と日本の健康福祉産業における協力のモデルとなる覚書に署名しました。協力内容の詳細は次のとおりです。
1. 中化銀髮(Chunghwa Senior Care、註1)と株式会社エムダブルエス日高による提携
ーデイサービスとの協力及びAIを応用したインテリジェントなリハビリシ ステムの開発により、数値化することで、リハビリ効果を高めます。
台湾の中化銀髮の李宗勇(Zong-Yong Li)社長と日本の株式会社エムダブルエス日高の北嶋史誉代表取締役社長は、相互協力覚書(MOU)を締結しました。今回はデイケアセンターとスポーツリハビリテーションにおけるAIソフトウェアの分野で提携をします。高齢者の日常生活での身体動作の向上を目的としたリハビリテーションのプログラムの重要性が高まっているということを視野に入れ、株式会社エムダブルエス日高は日本でのデイケアセンターの運営ノウハウなどを提供することで、中化銀髮のリハビリのAIソフトウェアの開発を支援します。一方、中化銀髮は台湾の通信ベンダーと提携し、台湾人の特性に適した高齢者向けのスポーツリハビリテーションAIソフトウェアを開発し、台湾の「長期ケア2.0プラン(註5)」において必要とされるリハビリテーションの需要に応えていきます。
中化銀髮は、台湾の重要な在宅介護サービス提供会社であり、株式会社エムダブルエス日高は、ICT REHAリハビリテーションシステムの開発に長年の知見があります。臨床デモンストレーションとビッグデータの統計データ分析により、個別リハビリテーションの計画と評価を効果的に提供できます。また同時に、看護師・介護職員の人手不足問題を効果的に減らすことができ、今では48のデイケアセンターに対してサービスを提供しています。
2. 錸德集団(RiTEK、註2)と一般社団法人テクノケアによる提携
―科学的なデイケアセンターの模範・規範としての発展及び実証フィールドのアウトソーシングによる、台日双方の革新的な成長を可能に。
台湾の錸德集団の子会社である錸工場デイケアセンターのCEO楊慰芬(Wei-Fen Yang)と日本の一般社団法人テクノケアの代表理事田中一秀が、相互協力覚書(MOU)を締結しました。
将来的には、両社はフィールド実証試験サービスに向けて協力し、台日双方のメーカーの発展に対し、国境を越えた支援を行います。また、個々のニーズを満たす製品開発を支援し、開発業務受託機関(CRO)による革新的なサービスを提供します。
錸德集団は多元化的なグローバル企業であり、子会社にあたる錸工場はテクノロジー製品とソフトウェアの活用、デイケア製品と開発を行いますが、これらは日本の一般社団法人テクノケアのフィールド試験サービスの方法論に基づいています。台日双方の高齢者の方々の健康で快適な生活と、ヘルスケア産業の拡大・共同開発が期待されています。
3. 點睛科技(IdeaBus、註3)と株式会社サイによる提携
―台湾の情報通信技術を活用し、技術を高め、ウィンウィンの関係を構築します。
台湾の點睛科技林翠娥(Cui-E Lin)社長と日本の株式会社サイ高橋正勝代表取締役社長が相互協力覚書(MOU)を締結しました。
認知症予防の観点から、台日双方にとって既に重要な政策を推進める段階となっています。将来的には、日本の認知症予防に役立つ機器の開発と委託販売における共同開発を進めていくことで、點睛科技が有する認知症予防訓練機器の開発とサービスの推進の経験を活かし、株式会社サイの製品に更なる付加価値をつけ、台湾、日本、香港、中国、オーストラリア等へ進出します。點睛科技のLTPA(Leisure Time Physical Activity)という認知症予防訓練機器は台湾における実証試験で良い結果を出し株式会社サイからも認められています。
註1:中化銀髪(Chunghwa Senior Care)
本社 3F.-3, No.49, Sec. 3, Heping E. Rd., Da’an Dist., Taipei City 106, Taiwan
註2:錸徳集団(RiTEK)
本社 No.42, Kuangfu N. Road, Hsin Chu Industrial Park, Taiwan
註3:點睛科技(IdeaBus)
本社 12F-3, No.161, Gongyi Rd., West Dist., Taichung City 403, Taiwan
註4:ITRIの産業科学技術国際戦略発展所(Industry, Science and Technology International Strategy Center)
2018年8月1日より、国際戦略及び先端技術の研究の組織力強化を目的として,特にこれまで台日産業連携を担っていた「国際センター」を「産業科学技術国際戦略発展所」に昇格させ、そこに国際協力と産業戦略研究関連を担当するグループが集約されました。
註5:長期ケア2.0プラン
台湾政府による台湾の高齢化トレンドに対する計画です。長期ケア体系を築き、関連する介護、スマート医療、エレクトロニクス等各産業にも力を入れて推進していきます。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 工業技術研究院 日本事務所
- 所在地 東京都
- 業種 各種団体
- URL https://www.itri.org.tw/
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