台湾経済部が防疫技術で初のグローバル展開、迅速PCRキットを日本で販売開始

ITRI(台)とBizlink(台)JBP(日)の3社が連携し、 迅速PCRキットを日本で販売

工業技術研究院

2022年2月23日

 台湾の防疫技術がグローバル初の受注を獲得した。経済部技術処(日本の経済産業省産技局に相当)は本日(23日)、工業技術研究院(以下ITRI)が開発した高い検出技術を備えた「J-Bio迅速PCRキットSARS-CoV-2(以下、同キット)」の海外初受注を獲得したことを発表した。ITRI、日本バイオテクノファーマ株式会社(以下JBP)と台湾の貿聯(以下Bizlink)が連携し、厚生労働省から製造販売承認を取得し、日本での販売を開始する。今後は新興国の病院にも販売を行い、国際的なパンデミック予防に貢献する。

 

経済部技術処は23日、工業技術研究院(以下ITRI)が開発した「J-Bio迅速PCRキットSARS-CoV-2」の海外初受注を獲得したことを発表した。ITRIは日本の厚生労働省から製造販売承認を取得し、日本での販売を開始する。写真の左から:ITRI日本事務所楊馬田代表、経済部技術処戴建丞専門官、JBP篠原直樹社長、日本台湾交流協会星野光明主席副代表、経済部技術処邱求慧処長、ITRI彭裕民副院長、BizLink鄧劍華最高経営責任者、ITRIバイオメディカル研究所林啓萬所長。

 

経済部技術処に支援されたITRIが開発した「J-Bio迅速PCRキットSARS-CoV-2」は、1時間以内に結果が判明でき、検出精度は95.8%以上、さらに重さがわずか600g。

 

 経済部技術処長(部長に相当)の邱求慧氏は、「現在コロナ検出についてqPCRが主流で反応時間は4時間もかかる。同キットは通常の加熱式より革新的に温度コントロール技術を駆使し、1時間以内に結果が判明できることで従来のPCR検査時間の1/4へと短縮できる。さらに重さがわずか600gで、本来の装置より57倍も軽く、また検出精度は95.8%以上で、高精度、高感度、高効能、軽量化の四つの特徴がある。日本の厚生労働省の薬事承認は非常にハードルが高いことは世界的に有名で、同キットが製造販売承認を取得したことで、台湾の防疫技術が国際水準に満たし、日本のパンデミックに寄与していきたい。日本と台湾の連携は2020年JBPによる日本で臨床試験の実施及び外国製造業者登録証の取得を協力して頂き、今後JBPに介してグローバル展開を開始する。経済部技術処も次世代装置の開発を支援し、新たな機能及びインフルエンザとコロナウイルス同時検出も可能となり、バイオメディカル領域における日本と台湾の連携は、より高いレベルに達することを期待している。」と語った。

 

 ITRI副院長の彭裕民氏は、「世界のコロナウイルスの感染状況は深刻であり、台湾の科学技術研究開発力を感染予防分野へと転換することは不可欠だ。ITRIも防疫技術における国際連携を積極的に模索している。2020年10月からITRI日本事務所はJBPと連携し、12月に日本での臨床実験を委託し、販売契約も締結した。2021年6月に臨床実験が完了し、JBPに同キットをご購入頂いて、近日製造販売承認を取得、日本市場への新規参入の準備が整った。日本の国土面積は台湾の約10倍で、地形が細長く、人口は散在している。コロナウイルス感染症が急拡大している現在において、重さがわずか600gという検査装置は、日本各地の医療現場へ送付する上でひとつのベネフィットだ。2020年7月に国際第三者独立機関が実施したテストでは、世界60か国、400箇以上の研究所でブラインドテストが実施され、ITRIのサンプル8個の結果はすべて正しく、正解率は知名度の高いアメリカの大手企業と同等のレベルであった。「ポータブルな軽さと高検出精度」の強みを活かし、日本の感染予防強化に寄与していきたい。」と語った。

 

経済部技術処に支援されたITRIが開発した「J-Bio迅速PCRキットSARS-CoV-2」の海外初受注を獲得した。次世代装置の開発も支援し、新たな機能及びインフルエンザとコロナウイルス同時検出も可能となる。写真の左から: 経済部技術処邱求慧処長、日本台湾交流協会星野光明主席副代表、ITRI彭裕民副院長、BizLink鄧劍華最高経営責任者。

 

 JBP社長の篠原直樹氏は「弊社が抗体、抗原検査の開発を手掛けていたこともあり、2020年ITRIが開発した同キットの技術の高さに衝撃を受け、将来のPCR検査キットの市場での優位性を牽引する製品になり、日本及び世界の身近な感染症検査の為に大いに役に立てる製品になると確信した。また厚生労働省の薬事承認は非常にハードルが高いことは世界的にも有名で、承認が得られたことでようやく日本の市場に参入することができた。「J-Bio迅速PCRキットSARS-CoV-2」は“動く検査室”というフレーズがふさわしく、中小病院、クリニック、大学病院の手術室、救急外来の使用、そしてかかりつけ医などで検査し、診てもらえるという安心感を与えることができる。将来、新興国や海外にある日系病院にも販売をし、より多くの人々に利益をもたらすことを願っている」と語った。

 

 BizLink最高経営責任者の鄧劍華氏は、「この度ITRIから迅速PCR分析装置を技術移転頂き、既存のプロトタイプ技術をベースにITRIと分析装置の冷却時間の課題を解決し、量産設計を最適化することでプロトタイプから大量生産までを実現した。また技術移転によって当社の医療製造ラインも強化できた。MRI/CTスキャンなどのハイエンド医療機器ハーネスから、小型医療検査機器の組み立て及び検査まで幅広いラインナップを揃えることになる。今回の成果は、ITRIの研究結果と弊社の生産最適化機能を組み合わせたものであり、この連携によりBizLinkは防疫に関する精密製品の技術分野に参入することができた」と語った。

 

 日本台湾交流協会の星野光明主席副代表は、「台湾と日本との交流は非常に良好且つ緊密な関係にあり、ITRIの技術開発能力とJBP社の臨床試験や製造販売承認に係るノウハウが協業することによって、この度同キットが日本市場に進出することとなった。PCR検査で課題とされていた迅速性や簡便性の課題を解決することができると聞いており、検査能力の迅速な拡充が求められる中、効果的に活用されることを期待。また、コロナという未曾有の危機に立ち向かうツールが日台関係者の交流の成果であることは喜ばしいことであり、今なお新たに提案されている手法についても、一つでも多く日台それぞれの強みを生かした協力の下で実用化され、1日も早いコロナの終息に繋がることを期待している。」と語った。

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