DX・省力化で顧客と従業員の更なる満足度向上へ 「くら寿司 テクノロジー開発部」の新たな挑戦

くら寿司

2021年1月29日

くら寿司株式会社

 

くら寿司は、これまで様々な社会課題に対し、数多くの業界初となるくら寿司独自のシステムを導入することで、解決・発展を続けてきました。コロナ禍においては、新たな生活様式のもと、お客様および従業員へ「安心・安全」を提供するため、非接触サービスを導入しました。これらの独自システムの開発・導入を担ってきたのが、『テクノロジー開発部』です。今回は、テクノロジー開発部の実態やくら寿司独自システムの開発裏側、テクノロジー開発部マネージャー橋本大介が今後の展望などを紹介していきます。

 

テクノロジー開発部マネージャー 橋本大介

2001年入社。店長、人事採用、店舗開発など様々な現場の経験を経て、2016年にテクノロジー開発部マネージャーに就任。店舗勤務経験を生かし、本質的な店舗の課題を解決できるシステム開発に挑戦。店舗店長からも気軽に相談を受け入れ、現場からの信頼も厚い。これまで開発に携わった主なシステムは、椀リング、スマホで注文など。

 

 テクノロジー開発部マネージャー 橋本大介

 

くら寿司 2021年1月号ニュースレターのポイント

❶これまで開発してきた自社システムは約30個!

 

❷田中社長の教えを実践!

現場・当事者の知識や経験を生かす自社一貫での独自システム開発への挑戦!

 

❸DX・省力化による従業員と顧客の更なる満足度向上を目指す!

※くら寿司公式YouTube「178イナバニュース」で、自社で独自開発したシステムに関する動画も公開しています。くら寿司のお店の裏側を大公開!おうちで社会見学(https://www.youtube.com/watch?v=dSuz7knZqmo&t=48s)

 

 

❶テクノロジー開発部の実態とこれまで開発してきた自社システム

(1)テクノロジー開発部とは?

テクノロジー開発部は、各店舗内のシステムの構想・開発・導入・点検に至るまで、くら寿司のシステムに関することを一気通貫で担当する部署です。田中社長が目指す科学的な運営を実行していくため、日々開発を進めています。部署内は、開発担当・基盤構築担当・運用保守担当・機械化担当の4セクションに分かれています。各担当の役割は以下の表の通りです。

 


 開発に関する打ち合わせの様子

 

 

プログラミング業務の様子

 

 

システム点検の様子

 

⑵専門分野に特化したベテランから、AIを独学で習得する次世代を担う若手まで、優秀な人材が揃う

従業員は、20代~50代まで幅広い年齢の社員が在籍しています(2021年1月時点)。

数々のIT系企業を経験し、転職してきたベテランや学生時代に専門外のプログラミングを独学で習得し、入社した次世代の若者まで、日々活躍しています。また、店舗勤務(店長)を経験した後に、テクノロジー開発部に異動する人も多く、自身の経験も含めて、店舗の課題や問題を即時に把握し、対応することができるのが強みでもあります。

 

⑶これまで開発してきた自社システムは、全部で約30個!

店舗内のシステムに関して、世の中において既に一般化しているセルフレジなどは、基本外注で調整・手配していますが、くら寿司独自のシステムは、ほぼ自社で開発しています。これまで開発した自社システムは、全部で約30個。 試作品も含めると、約50個以上のシステムの開発に取り組んでいます。

 

❷田中社長の教えを実践! 現場・当事者の知識や経験を生かす自社一貫での独自システム開発への挑戦!

 

創業者田中社長の教え「まずは自分たちで考える、そして実行する。」

くら寿司には、「全員経営」という従業員全員が心得ている創業者田中社長の教えがあります。それが、「まずは自分たちで考える、そして実行する」という考え方です。従業員一人一人が、主体性を持ち、行動をしていくという意識で日々の業務に取り組んでいます。田中社長もプログラミングを独学で習得し、システムを作り上げた実績もあります。

また、過去に回転寿司の関係業者さんにお皿の回収システムを相談すると、当初はベルトにこだわった回収方法の提案が主でした。衛生面などを考慮し、より良いものはないかという固定概念にとらわれない自由な発想が「水回収システム」の開発に至った経緯があります。このようなくら寿司の企業文化のもと、テクノロジー開発部が新たなシステムの開発・導入まで一貫して行っています。

 

(1)自社で一貫してシステム開発を行うメリットとは?

●店舗経験から本質的な課題を把握することができ、統括的な解決方法の実行が可能

 店舗経験のある担当者が在籍していることもあり、店舗の雰囲気や課題を把握しやすい。そのため、一部分の課題だけでなく、店舗全体の課題を統括的に解決することができます。

 

●低コストでトライ&エラーを実行し続けることで、システムの精度を高めることが可能

 自社内で担当することで、協力会社に全てを委託するよりも、費用面でコストを削減することができます。そのため、検証実験などの回数を増やすことができ、問題解決への様々なアプローチを試すことができます。

 

●万が一システムの故障や不備などが発生した場合の緊急時にも即座に対応することが可能

 開発段階から自社で行っているため、故障や不備の原因解明を容易に行うことができます。一部のシステムは、協力会社と共同開発しているものもあるため、トラブルの内容によって、変動はありますが、全ての開発を外部委託する場合よりも即座に対応することができます。

 

(2)自社で開発した回転寿司業界初のシステム(一部)の紹介

時間制限管理システム・製造管理システム

レーンを流れるお寿司の量やお客様の滞在時間を把握し、流す商品、数量、タイミングを自動で分析するシステム 

製造管理システム製造管理システム

システム開発の背景

 

●システム活用により解決した課題

・従来は、従業員の経験と勘を頼りに判断していたため、お客様の満足度の低下や廃棄率の変動があった。

・不足しがちなお寿司を準備する、お皿の積み具合など客席を目視で確認し対応するなど、従業員の負担が大きい。

●システムの特徴

・業界初となる情報通信技術(ICT)の導入運営および流れている商品の種類や時間を管理するシステムの導入

・自動案内のデータを厨房と共有することで、人数と滞在時間から目安の消費量を算出

・抗菌寿司カバーのICチップ(QRコード)により、流れている商品の種類や時間を管理

・上記のデータを複合分析することによって、新たに準備する商品と提供するタイミングを算出

 

●システム導入で得られたメリット

・従業員の経験や勘ではなく、数的データで管理できることで、廃棄量の削減が可能

抗菌寿司カバーに付属しているQRコードによって、流れている商品や時間を管理することで、お客様の消費動向も数値化し、無駄なく商品提供が可能になりました。廃棄率に関しても、システム導入前は平均12%以上でしたが、導入直後は6%に、現在は3%まで減少しています。

 

・データの可視化によって、店舗責任者・従業員の育成が容易になり、出店拡大にも寄与

これまでは属人的に従業員の経験と勘で判断してきましたが、データが可視化されることで、人材育成が容易になり、更なる出店拡大に寄与しています。

 

 

セルフチェック

小型カメラとAIを活用することで、従業員を介さず食べたお皿の正確な枚数を自動でチェックするシステム

 


 

 


 

システム開発の背景

 

外食業界の長年の課題である「人材不足」を解消するために、省力化を進めていきたい。

「お皿の枚数の計算を自動化したい」と社長田中より提案があり、2019年8月頃から、本格的に開発に着手。

 

バージョン❶:客席の上に設置したカメラを使った画像認識システム

実験後の課題:麵類などの器やお客様の手がカメラに重なるとエラーが起こる。

 


 

バージョン❷:時間制限管理システムの技術を応用した赤外線で空皿を認識するシステム

実験後の課題:認識率は上がったものの、抗菌寿司カバーなどが位置からずれるとエラーが起こる。

 

バージョン❸:レーンに小型カメラとAIを設置し、抗菌寿司カバーのQRコードを認識するシステム

現状の効果:ほぼ正確な認識率の精度で稼働が可能

 


 

●システム導入で得られたメリット

・従業員と介さず、金額の確認が可能に、さらに待ち時間の短縮にも寄与

 開発当初は、お客様の待ち時間削減など、利便性向上のために開発を進めていましたが、接触での感染を防ぐ対応策としても活用。従業員による枚数確認が必要ないため、待つことなく食事後すぐに会計を行うことができます。

・確認作業が減ることで、従業員の業務負担の低減し、接客へ注力することが可能

 従業員の作業工程が一つ削減できることで、これまで以上に清掃や接客に注力することができます。システムの使い方等のお客様の困りごとなどを解決することができ、満足度の更なる向上を目指していきます。

 

 

❸DX・省力化による従業員と顧客の更なる満足度向上を目指す!

 

 

テクノロジー開発部 橋本大介マネージャー

 

橋本大介マネージャーが考えるテクノロジー開発部の今後の展望とは

くら寿司の新スタンダード「スマートくら寿司」の実現とアップデート

今後のくら寿司は、自動受付案内機やセルフレジなどによって入店から会計まで店員を介さず利用できる完全非接触型サービスを標準装備した「スマートくら寿司」がスタンダードになります。

 

2021年末までに新規出店も合わせ約500店を完全非接触型にする計画で進めていく予定です。「顧客体験価値(CX)ランキングTM2020」では、2位という有難い評価もいただきましたが、新型コロナウイルスをはじめ、時代変化の早い現代において、現状に満足せず、お客様の利便性に加え、従業員を含めた安心安全な環境づくりを今後も目指していきます。

 

従業員の省力化だけでなく、接客を通じて顧客満足度をさらに高めていきたい

長年、外食業界の深刻な課題である「人材不足」を解消するため、様々なシステム導入を行い、作業負担の削減に取り組んできました。また、現時点で、6~7人で運営する店舗であれば、理論上4~5人に減らすことができると見込んでいます。しかしながら、今後の目指していくべきお客様に満足していただける店舗づくりにおいては、人手は必要だと考えています。テクノロジーで片付けや会計などの時間を削減し、その空いた時間を接客に注力させることで、“困ったときは助けてくれるお店“をつくり、顧客満足度をさらに高めていきたいと考えています。

 

<参考情報>

特許取得数54個(※2021年1月時点、過去に取得したものを含む)

■代表的なシステム一例

 

抗菌寿司カバー

 

製造管理システム

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

①メイン画像(橋本MG)

⑥製造管理システム

⑪セルフチェック(バージョン①)

⑦製造管理システム

⑨セルフチェック(バージョン③)

⑩セルフチェック タッチパネル

③プログラミング業務の様子

②打ち合わせの様子

⑫橋本MG インタビュー

④システム点検の様子

表_

寿司カバー

このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。

プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。

プレスリリース受信に関するご案内

このプレスリリースを配信した企業・団体

  • ※購読している企業の確認や削除はWebプッシュ通知設定画面で行なってください
  • SNSでも最新のプレスリリース情報をいち早く配信中

    過去に配信したプレスリリース