電通、「エシカル消費 意識調査2020」を実施
新型コロナの影響で、約3割がエシカル消費をより意識
2021年3月22日
株式会社 電通
株式会社電通(本社:東京都港区 社長:五十嵐 博)において、全社横断で社会課題の解決に取り組む組織「新!ソーシャル・デザイン・エンジン」および「電通Team SDGs」は共同で、全国10~70代の男女計1,000人を対象に「エシカル消費※1 意識調査2020」を実施しました。
エシカル消費全体に対する認知度、共感度、実践意欲に加え、産業別(全11業種)に見た消費者の意識傾向と期待値、今後の意向・行動を分析しました。この先、各産業がエシカルなサービス・商品を提供するに当たり、消費者側のボトルネックを解明し、より良い社会の実現に向けた取り組みの支援となることを目指しています。
※1 消費者それぞれが社会的課題の解決を考えたり、社会的課題に取り組む事業者を支援するなどして、消費活動を行うこと。
<本調査から得られた主なファインディングス>
①5割以上が「エシカルな商品・サービスの提供は企業イメージの向上につながる」と思っているが、「エシカル消費」の名称を知っている人は4人に1人。
②電力・火力・水道のエネルギー業界、金融業界、旅行業界では、現状認識と期待値に差があり、今後の取り組みへの期待が大きい。エネルギー業界では、再生可能エネルギーの消費意向が最も高い結果に。
③購入経験、消費実施意向とも1位は食品業界。電力・火力・水道業界、家具業界、家電業界は、意向はあるものの購入経験のない消費者が多く、エシカル消費へシフトするきっかけや理由が求められる。
④エシカル消費の中で、人々の認知・共感・実施意向が特に高いのは「食品ロス」「再生可能エネルギー」「地産地消」。
⑤消費者のエシカルな商品の購入条件は「価格」と「商品メリット」への納得感。エシカル消費を促進するためには、適正な価格設定と根拠のある説明が有効となる。
⑥新型コロナウイルスの影響でエシカル消費をより意識するようになった人は約3割。
【各ファインディングスの詳細】
① 5割以上が「エシカルな商品・サービスの提供は企業イメージの向上につながる」と思っているが、「エシカル消費」の名称を知っている人は4人に1人。
54.0%が「イメージ向上につながる」と回答。40~59歳女性はイメージ向上につながると回答した割合が最も高く、25~39歳男性は最も低い結果となった。
( 図1 エシカル消費と企業イメージ)
「エシカル消費」の名称認知率は24.0%。うち「意味まで知っている」は5.7%、「聞いたことがある」は18.3%であった。男女ともにミレニアル・Z世代で比較的高く、16~24歳男性と25~39歳女性が高い一方で、40~59歳男性の認知率が最も低かった。
(図2 エシカル消費認知度)
② 電力・火力・水道のエネルギー業界、金融業界、旅行業界では、現状認識と期待値に差があり、今後の取り組みへの期待が大きい。エネルギー業界では、再生可能エネルギーの消費意向が最も高い結果に。
既にエシカルな取り組みを行っている印象が強い業界上位は、食品38.1%、自動車23.4%、日用品21.3%。一方で、現状の取り組みへの認識と期待値との差が大きく、今後の取り組みへの期待が高い業界は電力・火力・水道、金融、旅行業界だった。
(図3 産業別エシカル消費取り組み度・期待度)
電力・火力・水道のエネルギー業界では、「再生可能エネルギー」29.2%、「CO2排出量の少ないエネルギー」26.2%、「森林保全などの地域保全活動を行う企業のエネルギー」20.3%の順で消費意向が高い。男女ともに60~79歳の関心が高く、男性16~24歳、25~39歳が相対的に低い結果となった。
(図4 産業別エシカル消費実施意向:エネルギー)
③ 購入経験、購入意向とも1位は食品業界。電力・火力・水道業界、家具業界、家電業界は、意向はあるが購入経験がない消費者が多く、エシカル消費へシフトするきっかけや理由が求められる。
購入経験が多い産業は食品、自動車、日用品業界で、購入意向が高いのは食品、自動車、家電業界であった。また、現状の購入経験と購入意向との差が大きく、今後への期待値が高かった業界は、電力・火力・水道(22.3ポイント)、家具(21.2ポイント)、家電(19.6ポイント)だった。※数値は差分
(図5 産業別エシカル消費購入経験・購入意向)
④ エシカル消費の中で、人々の認知・共感・実施意向が特に高いのは「食品ロス」「再生可能エネルギー」「地産地消」。
エシカル消費に関する取り組み20項目における認知、共感、実施意向の上位は、認知度が「食品ロス防止」44.3%、「再生可能エネルギー」43.0%、共感度が「食品ロス防止」46.6%、「再生可能エネルギー」39.2%、実施意向が「食品ロス防止」36.1%、「地産地消」25.1%となった。
一方で、下位となった項目は、認知度が「ダイベストメント」7.7%、「エシカル金融投資」9.3%、共感度が「ダイベストメント」10.8%、「ベジタリアン・ヴィーガン・ハラル」11.6%、実施意向が「ダイベストメント」3.7%、「ベジタリアン・ヴィーガン・ハラル」4.0%、「エシカル金融投資」4.0%だった。
日頃耳にしたことがある項目は、認知だけでなく共感度も高い一方、聞き慣れない項目は自分ゴト化しにくく、共感・実施意向も低いことがうかがえた。
(図6 エシカル消費詳細に関する認知、共感、実施意向)
⑤ 消費者のエシカルな商品の購入条件は「価格」と「商品メリット」への納得感。エシカル消費を促進するためには、適正な価格設定と根拠のある説明が有効。
購入条件は「価格が同じだったら」35.3%、「メリットがわかったら」34.5%、「自分の関心がある問題に関する商品であれば」31.0%、「身近な店で売られていたら」29.1%が上位となった。
(図7 エシカル消費実施条件)
購入理由は「同じような商品を買うなら社会貢献につながるものがいい」62.7%、「環境問題や社会問題に関心がある」51.8%、「長い目で見ると節約につながるから」40.2%が上位だった。
(図8 エシカル消費実施理由)
購入しない理由は、「エシカル消費についてよくわからない」28.3%、「どれがエシカル消費につながるのかわからない」23.4%が上位となり、エシカルな商品やサービスへの購入意向を高めるためには適切な説明を行い、価格面でも納得感が求められていることがうかがえた。
(図9 エシカル消費非実施理由)
⑥ 新型コロナウイルスの影響でエシカル消費をより意識するようになった人は約3割。
新型コロナウイルス対策の自粛期間によって30.9%がエシカル消費に対して「意識が高まった」と回答。一方で、実際に行動に移している人は6.5%にとどまった。
(図10 新型コロナウイルスの影響におけるエシカル消費への意識変化)
具体的な行動としては、「無駄な消費をしない/消費を抑える」が6.2%、「環境に良いことを考える/環境を配慮した行動をする」が6.0%、「食品ロスを減らす/食品を無駄なく使い切る」が5.7%と上位となった。また、「節約志向になった」「地産地消を意識する/地元の消費を増やした」という回答も得られた。
(図11 新型コロナウイルスの影響におけるエシカル消費への行動変化)
【エシカル消費 意識調査2020の概要】
・対象エリア: 日本全国
・対象者条件: 10~70代の男女
・サンプル数: 性年代別に各125人ずつ、計1,000人を人口構成比でウエイトバック集計
・調査手法 : インターネット調査
・調査期間 : 2020年11月18日~11月25日
・調査機関 : 株式会社電通マクロミルインサイト
※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります。
以上
【調査に関する問い合わせ先】
株式会社電通 新!ソーシャル・デザイン・エンジン
間宮、上田、北野、稲野辺
Email:ethical@dentsu.co.jp
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このプレスリリースを配信した企業・団体
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- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL http://www.dentsu.co.jp/
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