開発中のlenacapavirについて バイアルの適合性の問題に関する審査完了報告通知(CRL)を 米国FDAより受領

2022年3月14日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、開発中のlenacapavirについて バイアルの適合性の問題にする審査完了報告通知(CRL)を 米国FDAより受領

CRLにおいてlenacapavir溶液のバイアルの適合性に関する問題を指摘―CRLで新たな臨床試験の要求はなし

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は3月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、複数の治療歴があり(Heavily Treatment-Experienced; HTE)、多剤耐性(Multi-Drug Resistant; MDR)を有するHIV-1陽性者の治療薬として開発中の長時間作用型HIV-1カプシド阻害剤であるlenacapavirの新薬承認申請(NDA)に関して、米国食品医薬品局(FDA)が審査完了報告通知(Complete Response Letter; CRL)を発行したことを発表しました。

 

CRLにおいてFDAは、申請されたlenacapavirのバイアルの適合性に関する原薬・製剤の化学・製造およびその分析(CMC)について指摘しています。既に発表されているように、ホウケイ酸ガラス製バイアルとlenacapavir溶液の適合性についてはFDAにより課題が示され、lenacapavirの注射剤の臨床試験は実施保留に至りました。

 

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサーのマーダッド・パーシー(Merdad Parsey, MD, PhD)は次のように述べています。「ギリアドは、異なるバイアルに関する包括的な計画およびそれに対応するデータをFDAに提出する予定です。私たちは可能な限り早く、MDRを有するHIV陽性者が開発中の新しい治療を受けられるよう、今後数カ月間でFDAとの協議を進めていきます。私たちは、新たな治療の選択肢を必要とするMDRを有するHIV陽性者に対し、長時間作用型治療薬を提供するため、引き続きlenacapavirの承認取得を目指します」

 

2021年6月にlenacapavirは、複数の治療歴があり、MDRを有するHIV陽性者の治療薬としてFDAにNDA 申請され、高いアンメット・ニーズにより、優先審査の対象に指定されました。本申請は、複数の治療歴があり、MDRを有するHIV-1陽性者を対象に、最適化されたバックグラウンドレジメンとの併用で lenacapavirを6カ月ごとに皮下投与した場合の安全性および有効性を評価した第II/III相CAPELLA試験のデータに基づいています。第29回レトロウイルス・日和見感染に関する会議(オンラインCROI 2022)では、lenacapavirに関する新たな臨床データが発表されました。CAPELLA試験における52週目の結果から、既存治療で効果不十分なHIV陽性者に対して、他の抗レトロウイルス薬との併用療法下で lenacapavir を 6 カ月ごとに皮下投与したところ、高いウイルス抑制率および臨床的意義のあるCD 4数の増加を達成したことが確認されました。CAPELLA試験で最も多く認められた有害事象は、注射部位の反応(63%)、悪心および下痢(それぞれ13%)ならびにCOVID-19(11%)でした。

 

lenacapavirは治験薬で、いずれの規制当局からも承認されておらず、その安全性および有効性は確立されていません。HIVまたはエイズを治癒する方法は現在のところ存在しません。

 

Lenacapavirについて

lenacapavirは、HIV-1感染症の治療と予防のためにギリアドが開発しているファースト・イン・クラスの長時間作用型HIV-1カプシド阻害剤です。lenacapavirの作用機序は多段階にわたり、現段階で承認されている抗ウイルス薬のクラスとは異なり、HIV-1陽性者またはそのリスクを有する人々に対する長時間作用型治療として新たな道筋を作る薬剤として開発されました。大部分の抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用しますが、lenacapavirはHIV-1のライフサイクルにおける複製の段階を阻害するよう開発された薬剤で、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。承認された場合、lenacapavirは年2回の投与により作用する唯一のHIV-1治療選択肢となります。

 

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

 

ギリアドは35年間にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV感染のリスクを減らすために、HIV治療における最初の単剤療法や、初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬など、11種類のHIV治療薬を開発しました。このような医学研究の進歩によって、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

 

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中のすべての人々のHIV感染の根絶を目指します。

 

ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

 

ギリアドの将来予想に関する記述

本プレスリリースは、1995年の 「米国証券訴訟改革法」 に記載されている「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスク、不確実性などの要素を含む場合があります。これには、ギリアドが要求された文書を提供し、CRLのコメントに対処してFDAを納得させる能力、HTEでMDRを有する HIV-1陽性者を対象としたHIV-1感染の治療薬としてのlenacapavirのNDAをFDAが適時に、または全く承認しない可能性、HIVの治療と予防を目的としたlenacapavir注射剤の臨床試験を予定されたスケジュールで開始、進行および完了するギリアドの能力、lenacapavirに関する進行中および追加の臨床試験から好ましくない結果が得られる可能性、規制当局への申請ならびに関連する申請および承認スケジュールに関する不確実性、HIV治療およびPrEP(曝露前予防)に対するlenacapavir注射剤の臨床試験の差し止めをFDAが解除できないリスクが含まれます。また、ギリアドがlenacapavir の開発中止を戦略的に決定し、結果として lenacapavir が成功裏に商業化されない可能性、または、上記のいずれかの根拠となる仮定も含まれます。

これらのリスクとその他のリスクについては、米国証券取引委員会(SEC)に提出済の2021年12月31日を期末とするギリアドの年次報告書(フォーム10-K)に詳細に記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的な事実以外のすべての記述は「将来予想に関する記述」と見なされる可能性があります。このような将来予想に関する記述は将来の業績を保証するものではなく、将来予想に関する記述に過度に依拠することのないようご注意ください。将来予想に関する記述は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは、将来予想に関する記述を更新する義務を負うことなく、更新する意向もありません。

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

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