選択的オレキシン2受容体作動薬(DSP-0187)の独占的ライセンス契約締結のお知らせ

住友ファーマ

2022年5月5日

住友ファーマ株式会社

 住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、このほど、Jazz Pharma-ceuticals plc(本社:アイルランド ダブリン、Chairman & CEO:Bruce C. Cozadd(ブルース・C・コザッド)、米国ナスダック(NASDAQ)上場、以下「Jazz社」)との間で、当社が創製し、ナルコレプシーを予定適応症として国内開発中であるDSP-0187(開発コード、以下「本剤」)の、日本、中国および一部のアジア(以下「当社テリトリー」)を除く全世界における開発・販売に関する独占的なライセンス契約(以下「本契約」)を締結しましたので、お知らせします。

 

 本剤は、当社が経口剤として開発中の選択的オレキシン2受容体作動薬であり、オレキシンの欠乏によって生じるナルコレプシーの日中過眠や情動脱力発作を中心とした各症状を改善する可能性があります。また、ナルコレプシー以外の特発性過眠症やその他の睡眠障害への適応も期待されています。当社は日本において、本剤の安全性、忍容性、薬物動態を評価するためのフェーズ1試験を2021年11月に開始しました。当社は本契約締結後も、当社テリトリーにおける本剤の権利を保有します。

 

 本契約に基づき、当社はJazz社に対し、当社テリトリーを除く米国、欧州を含む全世界において、独占的に本剤の開発・販売を行う権利を許諾します。

本契約締結の対価として、当社はJazz社より、契約一時金として50百万米ドルを受け取ります。また、当社は、本剤の開発の進捗に応じた開発マイルストンおよび売上収益の目標達成に応じた販売マイルストンとして総額で最大10億9千万米ドルを受け取る可能性があります。さらに、本剤の売上収益に応じた2桁台前半の料率のロイヤリティを受け取る可能性があります。

 

 当社の代表取締役 専務執行役員である木村 徹は次のように述べています。「本剤は、中枢神経領域における高度な専門技術を生かして、当社が独自に創製した新規の低分子化合物です。睡眠障害に対する医薬品の開発と販売に確かな実績があり、長年睡眠障害を患う人々の生活改善のための治療法の研究開発に取り組むJazz社と提携できることをうれしく思います。当社は、睡眠障害治療薬で大きな成功を収めているJazz社が、本剤を次の開発段階に進めていくうえでの最適なパートナーであると考えています」

 

 Jazz社のExecutive Vice President、Global Head of Research and DevelopmentであるRobert Iannone(ロバート・イアンノーネ)は次のように述べています。「オレキシン受容体の活性化は睡眠障害の研究においてとても興味深い分野であり、既存薬による治療を補完できる可能性があります。本剤のプロファイルから、当社は本剤がナルコレプシーやその他の睡眠障害治療に貢献する可能性があると確信しています。当社は睡眠障害治療薬のリーディングカンパニーとして、消耗性の睡眠障害を患う人々に革新的な治療法を提供できるよう努めています。そして、睡眠障害における当社の専門性を生かし、将来有望な本剤の治験を米国と欧州で実施できることをうれしく思います。このたびの契約締結は、価値創造を可能とする開発化合物へ戦略的に投資するという当社の目標に合致したものであり、患者さんの治療を改善する可能性がある本剤を導入した当社の先見性を示すものでもあります」

 

 当社は、Jazz社とのパートナーシップを通じて、睡眠障害で苦しむ世界中の患者さんに本剤を1日も早くお届けし、人々の健康と治療改善に貢献できることを期待しています。

 

(ご参考)

DSP-0187について

本剤は、当社が創製した経口投与の選択的オレキシン2受容体作動薬です。オレキシンは睡眠や覚醒を制御する重要な役割を持つ神経ペプチドであり、オレキシン2受容体を活性化する本剤は、オレキシンの欠乏によって生じるナルコレプシーの日中過眠や情動脱力発作を中心とした各症状を改善する可能性があり、日本においてフェーズ1試験を実施中です。また、ナルコレプシー以外の過眠疾患への適応も期待されています。

 

ナルコレプシーについて

ナルコレプシーは、日中の耐え難い眠気および情動脱力発作を主症状とする慢性の過眠疾患であり、患者さんが日常生活を送る上で大きな問題となっています。神経ペプチドの1つであるオレキシンの欠乏がナルコレプシーの原因であることが知られており、オレキシン受容体作動薬がナルコレプシーの新しい治療薬として期待されています。

 

Jazz Pharmaceuticals plcについて

Jazz社(NASDAQ上場)は、アイルランドのダブリンに本社をおき、約75カ国の患者さんに製品を提供しているグローバルなバイオ医薬品企業です。同社は、患者さんやそのご家族の生活をイノベーションによって変革することを存在意義としており、治療選択肢が限定的または治療法がない深刻な疾患を患う人々のための医薬品開発に注力しています。

Jazz社は睡眠障害に強みを持ち、米国や欧州等でナルコレプシー治療薬を複数販売するリーディングカンパニーです。詳細については、www.jazzpharmaceuticals.comをご覧ください。

 

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