アルツハイマー病協会国際会議2022のハイライト

Alzheimer’s Association(アルツハイマー病協会)

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【サンディエゴ2022年8月3日PR Newswire=共同通信JBN】Alzheimer’s Association International Conference(R)(AAIC(R))2022(2022アルツハイマー病協会国際会議(R)(https://aaic.alz.org/overview.asp )、AAIC(R))で報告された新しい研究は、加齢と脳の基礎生物学、危険因子と予防戦略、介護、病とともによく生きることなど、アルツハイマー病と認知症の研究を幅広く網羅した。

 

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AAIC は、最新のアルツハイマー病と認知症の研究の発表と協議を行う主要な年次フォーラムである。今年のハイブリッド会議イベントは、サンディエゴでバーチャルおよび対面で開催され、9500人を超す参加者を集め、4000以上の科学的発表を行った。

 

Alzheimer’s Association(アルツハイマー病協会)の医学・科学関係担当バイスプレジデントであるHeather M. Snyder博士(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=3611262-1&h=485008169&u=https%3A%2F%2Fwww.alz.org%2Fpress%2Fspokespeople%2Fheather_m_snyder_ph_d&a=Heather+M.+Snyder%2C+Ph.D )は「記録的な公的および民間の研究投資が行われ、アルツハイマー病と認知症の研究にとりエキサイティングな時期だ」「研究者は、バイオマーカーを探索し、リスクを軽減する潜在的な方法を発見し、有望な治療法と診断ツールを臨床試験に移行させるための取り組みにより、この疾患の理解を深めている。Alzheimer's Associationは、資金提供、会議の招集、出版、パートナーシップ、提言、サービスを通じて戦いをリードしている」と述べた。

 

▽治療の前進、臨床試験の結果

 

Alzheimer’s Association(アルツハイマー病協会)(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=3611262-1&h=756814528&u=http%3A%2F%2Fwww.alz.org%2F&a=Alzheimer%27s+Association )は、AAIC 2022 でさまざまな臨床試験の結果にハイライトを当てた。アルツハイマー病や他すべての認知症のない世界という同協会のビジョンを達成するには、多様な治療パイプラインを促進し、支援することが不可欠である。以下は2つの例である:

 

EXERT(運動)研究は、軽度認知障害(MCI)の高齢者を対象とした、運動に関するこれまでで最も長期の第3相試験である。AAIC 2022で最初に報告された結果は、COVID-19パンデミックの最中に試験が実施されたため、特に注目に値する。参加者の80%が運動療法を順守し、試験を完了した。12カ月後、有酸素運動介入群とストレッチ群の両方において、MCIの人々は認知機能の低下を示さなかった。他のMCI高齢者の比較群は、12カ月にわたって有意な認知機能の低下を示した。EXERT試験の研究結果は、定期的な身体活動は、たとえストレッチなどの適度なまたは低い運動活動であっても、脳細胞を損傷から保護する可能性があることを示唆している。

 

AAIC 2022で、T3D Therapeuticsは、脳内のインスリン抵抗性を克服し、脳の代謝健康を回復しようとするT3D-959の第2相試験から肯定的な中間結果を報告した。これらの有望な予備結果は前向きな兆候であり、最終結果は2023年になる見通しである。アルツハイマー病の生物学的基盤に対する理解が広がるにつれて、T3D-959などの新しいアプローチを促進する機会も拡大する。

 

またAAICで、Alzheimer’s Associationは、Alzheimer's Network for Treatment and Diagnostics(アルツハイマー病の治療と診断のためのネットワーク)(https://www.alz.org/professionals/health-systems-clinicians/management/alzheimers-network-for-treatment-diagnostics )(ALZ-NET)の立ち上げを発表した。このネットワークは、現実世界の臨床現場で、米食品医薬品局(FDA)承認のアルツハイマー病治療を受けている患者から長期的な臨床データと安全性データを収集する。ALZ-NETは、FDAが承認した新しいアルツハイマー病治療向けに特別に開発された最初のネットワークであり、長期にわたって有効性と副作用に関するエビデンスを収集する。

 

▽人種差別の体験は、記憶力の低下と認知機能の悪化に関連

 

構造的、対人的、制度的な人種差別の体験は、特に黒人の間で、中年と老年期の記憶スコアの低下と認知の悪化に関係している。

 

*地域社会で暮らす1000人近くの中年成人(中南米系55%、黒人23%、白人19%)を対象とした研究では、対人関係と制度上の人種差別への遭遇は記憶スコアの低下と関連しており、関連性は黒人で最も強かった。構造的人種差別の体験は、研究に含まれたすべての人種・民族グループの中で、エピソード記憶の低下と関連していた。

 

*445人の90歳以上のアジア系、黒人、中南米系、白人、多人種の人々を対象とした研究では、生涯にわたり幅広い差別を経験した個人は、差別をほとんどまたは全く経験しなかった人々と比較して、晩年の長期記憶が低かった。

 

▽妊娠中の高血圧性疾患の病歴は認知症のリスク増加に関連

 

妊娠高血圧症候群(HDP)-慢性/妊娠高血圧症および子癇前症を含む高血圧の状態-は晩年の心臓病と強く関連しているが、現在まで、これらの障害を認知と関連付ける研究はほとんどなかった。AAIC 2022で報告された複数の研究によると、妊娠中の高血圧障害の経験は、血管性認知症のリスク増加と脳の老化の加速に関連している:

 

*HDPの病歴がある女性は、妊娠高血圧症でない女性と比較して、血管性認知症(脳への血流を遮断または減少させる状態により引き起こされる思考能力の低下)を後年に発症する可能性が高かった。

 

*妊娠中のHDP、特に高血圧の経験は、妊娠15年後、認知機能低下の加速の予測因子である白質病変と関連していた。

 

*重度の子癇前症の女性は、妊娠高血圧症でない女性と比較して、血中で測定されるベータアミロイド(アルツハイマー関連の脳の変化)のレベルが有意に高かった。

 

▽COVID-19による持続的嗅覚喪失は、長期にわたる認知障害と密接に関連し、ICU入院は高齢者の認知症リスクを倍増させる可能性がある

 

COVID-19とそのパンデミックの記憶力や思考力への影響を予測、増大、防護する可能性のある因子に関する新たな知見が、AAIC 2022で報告された複数の研究により明らかになった。アルゼンチンの研究グループは、嗅覚の持続的喪失が、COVID-19の初期疾患の重症度より優れた長期的認知・機能障害の予測因子になり得ることを発見した。中南米9カ国から集められた大規模調査集団では、パンデミック期間中、生活にポジティブな変化(友人や家族との充実した時間の増加など)を経験すると、記憶力や思考力へのパンデミックのネガティブな影響が軽減された。最後に、シカゴのラッシュ大学アルツハイマー病センターによると、集中治療室(ICU)への入院は、高齢者の認知症リスク倍増と関連性があった。COVID-19パンデミック時にICU入院が急増したことを考えると、これらの研究結果は重要である可能性がある。

 

▽超加工食品は認知機能の低下を早める可能性がある

 

AAIC 2022で発表された研究によると、超加工食品を大量に食べる人は認知力の低下が早いことがわかった。研究者は8年間にわたって1万775人を調査し、超加工食品の大量消費(1日の摂取量の20%以上)は、記憶、言語の流暢さ、実行機能などの全般的認知スコアの低下を28%早めることを発見した。超加工食品は、重度の工業処理が施されており、大量の脂肪、砂糖、塩、人工香料/着色料、安定剤、および/または防腐剤を含んでいる。例としては、炭酸飲料、朝食用シリアル、精白パン、ポテトチップス、冷凍の「ジャンク」フードなどがある。

 

▽低い社会経済的地位、持続的な低賃金は認知症リスクにつながり、記憶力の低下が加速

 

社会経済状況(SES、Socioeconomic Status)は、その人の労働経験や、個人または家族の経済的な資源へのアクセスや社会的地位など、社会的・経済的な尺度の両方を反映しており、身体的・心理的な健康や幸福の両方に関連する。複数の研究によると、不利な周辺環境や持続的な低賃金などの社会経済的な困窮は、より高い認知症リスク、より低い認知能力と記憶力の低下の速さに関連している:

 

*厳しい社会経済的困窮-収入・財産、失業率、車・家の所有、世帯の過密状態を用いて測定-を経験している人は、遺伝子リスクが高い社会経済的地位の良好な人に比べても、認知症を発症する可能性が有意に高い。

 

*黒人およびラテンアメリカ人において、地域の資源が低品質であること、および必需品への支払いが困難であることは、認知テストのスコアが低いことと関連していた。

 

*高賃金を稼ぐ労働者と比べ、持続的に低賃金を得ている労働者は、加齢による記憶力の低下が有意に早かった。

 

*親の社会経済状況が良好なほどアルツハイマー病のマーカーであるptau-181の負の影響に対する回復力が増し、ベースライン実行機能が良好で、加齢による認知機能の低下が遅くなった。

 

▽Alzheimer's Association International Conference(R)(AAIC(R))について

Alzheimer’s Association International Conference(AAIC)は世界中のアルツハイマー病とその他の認知症を専門とする研究者の世界最大の集まりである。Alzheimer’s Associationの研究プログラムの一環であるAAICは認知症に関する新しい知識を生み出し、活気ある共同研究コミュニティーの発展を促進する触媒の働きをする会議である。

AAIC 2022ホームページ:www.alz.org/aaic/

AAIC 2022ニュースルーム:www.alz.org/aaic/pressroom.asp

AAIC 2022ハッシュタグ:#AAIC22

 

▽Alzheimer's Association(R)について

Alzheimer’s Association(アルツハイマー病協会)は 、アルツハイマー病のケア、サポート、研究を専門とする世界的なボランティア健康組織である。その使命は、世界的な研究を加速し、リスクの低減と早期発見を推進し、質の高いケアとサポートを最大化することで、アルツハイマー病と他の全ての認知症の根絶に道を開くことである。われわれが思い描いているのは、アルツハイマー病や他すべての認知症のない世界(R)である。alz.org(https://www.alz.org/ )を参照するか、800.272.3900に電話を。

 

▽問い合わせ先

Alzheimer's Association Media Line

312.335.4078

media@alz.org

 

AAIC

2022 Press Office

aaicmedia@alz.org

 

ソース:Alzheimer’s Association

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