日本ガイシ、岐阜大学 共同研究により地域新電力会社が提供する経済的・社会的価値を可視化
~最大で約7.3億円の金額価値を算出~
2023年6月5日
国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学
日本ガイシ、岐阜大学 共同研究により 地域新電力会社が提供する経済的・社会的価値を可視化
~最大で約7.3億円の金額価値を算出~
日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)と国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学(学長:吉田和弘、本部:岐阜市)は、地域新電力会社の恵那電力株式会社(恵那市)が再生可能エネルギーや大型蓄電池により地域に提供する経済的・社会的価値を可視化する共同研究を行い、最大で約7.3億円の金額価値があることを算出しました。 |
1.研究背景
日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向け、エネルギーの地産地消を促進し、地域の資金を地域内で循環できる取り組みとして、地方自治体では地域新電力事業への関心が高まっています。一方でこれまでは、事業の売上や利益以外で地域新電力の価値を示す指標がありませんでした。
2.共同研究の概要
共同研究は2022年4月から2023年3月まで、日本ガイシと岐阜大学の髙木朗義教授で、日本ガイシなどが出資する恵那電力を対象に実施しました。恵那電力が設置した太陽光発電設備(PV)と電力貯蔵用NAS®電池を核とした電力システムについて、アンケート調査などを地域住民に実施し、恵那電力の地域新電力事業の環境貢献機能・災害時機能それぞれの側面の経済的・社会的価値についてコンジョイント分析(※1)により評価しました。
アンケート回答者 : 恵那市明智町住民・恵那市職員・恵那市内高校生 合計210人
3.共同研究の結果
環境貢献機能と災害時機能を合わせた金額価値(便益)の合計は、恵那電力の想定事業期間の20年間で最大約7.3億円となりました。総金額価値を電力システムの構築などにかかる総費用で割った費用便益比(※2)は1.12~2.09で、投資に見合う効果が上げられるという結果となり、経済的・社会的効果の高さを示しました。
■環境貢献機能
金額価値(便益) : 1.8億円(20年間)
恵那電力が保有するPVで86世帯分(450kW)の発電量を賄うことができるという経済的価値と、恵那電力の設備を利用した年2回の環境教育を実施した場合に地域に与える社会的価値を算出しました。
■災害時機能
金額価値(便益) : 1.4億円~5.5億円(20年間)
災害時に外部からの電力供給が途絶えた際に避難所へ供給できる電力(災害時に使用可能となる電気製品)を以下の3つのケースで評価し、得られる経済的・社会的価値を算出しました。
① スマートフォンとパソコンの充電、冷蔵庫
② ①+調理器具 (1日1回)
③ ②+電気ケトル、家庭用蓄電池、電気自動車(EV)の充電
本共同研究に基づく価値の可視化手法を地域ごとに活用することで、事業の売上や利益以外で価値を示す指標がなかった地域新電力の提供価値を明らかにすることが可能となります。日本ガイシと岐阜大学は、共同研究結果から確立された本手法を地域新電力会社の事業運営支援に生かし、2050年カーボンニュートラル実現への寄与を目指します。
(※1) コンジョイント分析:
アンケート調査等において回答者が何を好むかというデータを用いた評価手法の1つである。計量心理学や市場調査の分野で発展してきたもので,価格や性能といった複数の属性を持つものを評価する手法の総称である。(「公共政策評価のための政策評価手法」伊多波良雄編,第9章髙木朗義著による抜粋)
(※2) 費用便益比:
事業の実施に要した費用の総計に対する、その事業の実施によって社会的に得られる効果(便益)の比率。通常、1以上であれば投資に見合う効果が得られると見なされる。
恵那市内に設置された恵那電力のNAS電池
恵那市内に設置されている太陽光発電設備の一つ
<恵那電力株式会社について>
恵那電力は、日本ガイシ株式会社、恵那市、中部電力ミライズ株式会社により、2021年4月に設立された地域新電力会社です(2022年4月事業開始)。太陽光発電設備と電力貯蔵用NAS電池を自社保有し、固定価格買取制度(FIT制度)を利用しない自立した再生可能エネルギーの活用と経営安定性、自然災害への対応力強化などを特徴とする「恵那モデル」により、エネルギーの地産地消によるゼロカーボンシティの実現を目指しています。 https://enaden.jp/
<研究者プロフィール>
髙木 朗義(たかぎ あきよし)
岐阜大学 社会システム経営学環 教授
(兼任)工学部 社会基盤工学科 教授
(兼任)高等研究院 Coデザイン研究センター まちデザイン分野 教授(兼)
(兼任)高等研究院 地域環境適応研究センター 副センター長(併)・社会システム研究部門長
学位:博士(工学)(1996年3月 岐阜大学)
専門分野:土木計画学(まちづくり,総合防災,事業評価,インフラマネジメント)
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学
- 所在地 岐阜県
- 業種 大学
- URL https://www.gifu-u.ac.jp/
過去に配信したプレスリリース
牛リンパ腫発症予測診断技術RAISINGの精度の高さを証明
3/28 11:00
層厚を制御した人工強磁性細線の作製に成功
3/24 13:00
神経科学研究に貢献するRbfox3-iCreマウスの開発
3/17 18:15
細胞外小胞の標的細胞への取り込み機構を解明
3/13 08:30
狂犬病ウイルスの弱点を発見: RNA合成酵素の新規機能部位を発見
3/12 08:30
噴霧式抗菌技術の機能向上を確認
3/6 13:30
病原細菌のレジオネラが宿主分解機構を回避する仕組みを解明
3/5 14:00
農薬がどの程度残りうるかを地理的・気候的条件から予測
2/28 12:00
抗転移薬の開発―短鎖合成RNAは新しいタイプのがん転移抑制剤となりうる
2/26 10:00
そっと覗いて観ていたら新事実が判明! 野生のメダカは夜明けではなく深夜に産卵を開始する
2/13 09:00
胃がん術後の補助化学療法は 75 歳超高齢者にも有効
2/6 14:41