年2回投与の多剤耐性HIV-1感染症治療薬「シュンレンカ(R)」、日本における製造販売承認を取得

シュンレンカ(R)は、HIV-1感染症に対する初めてのカプシド阻害剤で かつ唯一の年 2 回投与の治療選択肢

2023年8月1日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、年2回投与の多剤耐性HIV-1感染症治療薬として 「シュンレンカ(R)」の日本における製造販売承認を取得

シュンレンカ(R)は、HIV-1感染症に対する初めてのカプシド阻害剤で かつ唯一の年 2 回投与の治療選択肢―

 

ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ケネット・ブライスティング)は本日、「シュンレンカ(R)皮下注」および「シュンレンカ(R)錠」(一般名:レナカパビルナトリウム、以下「シュンレンカ」)について、多剤耐性HIV-1感染症治療薬として日本における製造販売承認を取得しました。本剤は、現在の治療法では十分にウイルス抑制ができない成人HIV陽性者に対して、HIV-1カプシド機能を阻害するファースト・イン・クラスの薬剤として、最適なバックグラウンドレジメンと併用して年2回投与する新たな治療選択肢となります。

 

本承認について、CAPELLA試験の治験責任医師で、独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター特別顧問の白阪琢磨先生は次のように述べています。「1990年代のHIV流行初期における治療は、3種類以上の抗HIV薬を組み合わせる多剤併用療法で、1日に複数回何十錠の薬剤を服用する必要がありました。しかし、10年前には1日1回1錠の配合錠も登場しています。レナカパビルナトリウムは、年2回投与の新たな治療選択肢として、今後のHIV治療においてさらなる発展を牽引することが期待されます。これまでの治療の発展によりHIV陽性者の余命は一般の方とほぼ変わらない程度まで改善されましたが、残念ながら、薬剤耐性により、一部のHIV陽性者においては十分なウイルス抑制効果が得られていません。レナカパビルナトリウムは、多剤治療歴を有する多剤耐性のHIV陽性者に対する新たな治療選択肢として、HIV流行の終結に向けた大きな一助になると信じています」

 

今回の承認取得は、多剤治療歴を有する多剤耐性HIV-1陽性者を対象とした、最適なバックグラウンドレジメンとの併用で、シュンレンカの安全性と有効性を評価した第II/III相、無作為化、プラセボ対照、多施設共同CAPELLA試験データに基づいています。CAPELLA試験の被験者は、中央値で9種類の抗ウイルス薬による治療歴を有します。既存治療でウイルス量が検出可能な被験者36名が2対1の割合で無作為に割り付けられ、失敗したレジメンに加え、シュンレンカまたはプラセボを14日間、経口投与されました(機能的単剤療法期)。さらに、別の治療コホートに新たに36名の被験者を登録しました。両コホートとも、最適化されたバックグラウンドレジメンとの併用で、6カ月毎にシュンレンカを皮下投与した場合の安全性および有効性を評価する維持療法期が含まれています。主要評価項目は、無作為に割り付けられ、失敗したレジメンを継続しながら、シュンレンカまたはプラセボを14日間投与された被験者の機能的単剤療法期終了時におけるHIV-1 RNA量のベースラインからの減少量≥0.5 log10 copies/mLを達成した割合としました。シュンレンカを投与された 被験者の88%(n=21/24)において、HIV-1ウイルス量が0.5 log10以上減少したのに対し、プラセボを投与された被験者においては17%(n=2 /12)であったことが明らかになりました。また、無作為割付でシュンレンカを投与された被験者の83%(n=30/36例)が52週時において検出限界未満のウイルス量(50 copies/mL未満)を達成しました。また、これらの被験者において、平均82個/µLのCD4細胞数の増加が認められました。投与52週時点までに最も多くみられた有害事象は、注射部位疼痛、注射部位腫脹および注射部位紅斑でした。

 

シュンレンカについて

シュンレンカ(皮下注463.5mg、同錠300mg)は、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIVカプシド阻害剤で、他の抗レトロウイルス薬との併用により、多くの治療歴を有する多剤耐性HIV感染者に対するHIV治療薬として、米国、英国、欧州、カナダ、オーストラリア、イスラエル、スイス、アラブ首長国連邦で承認されています。シュンレンカは年2回投与による、唯一のHIV治療選択肢となります。シュンレンカ錠は、長時間作用型のシュンレンカ皮下注を投与する前の経口負荷投与方法として承認されています。シュンレンカにみられる複数の過程における作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬のクラスとは明確に異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、同剤はHIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発されており、in vitro試験では現在ある薬剤クラスとの交叉は認められていません。

 

シュンレンカは、将来のHIV治療の基礎として開発されており、個々のニーズや選好に対応するために単剤または併用療法における長時間作用型の錠剤や皮下注による選択肢の提供を目標としています。

 

HIV/エイズについて

HIV は、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)と呼ばれるウイルスの一 種で、HIV 感染症は HIV に感染したことをいいます。HIV は感染すると、細菌や感染症から身を守るために体内に存在する免疫系の司令塔である CD4細胞を利用し、ウイルスのコピーを作成して増殖し、その結果、体内の CD4細胞数が破壊されて減少します。エイズ(後天性免疫不全症候群、AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome)は、HIV に感染し、発症する病気の総称です。日本では指定されている23疾患を発症するとエイズと診断されます。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、新型コロナウイルス、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

 

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、検査、治療連携、および治療研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初の単一錠剤レジメンや、初の年2回投与の長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

 

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

 

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