ギリアド、2023年第3四半期業績を発表 

ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比5%増の64億ドル

2023年11月28日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、2023年第3四半期業績を発表 

-ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比5%増の64億ドル- -ビクタルビの売上高は、前年同期比12%増の31億ドル- -オンコロジー領域の売上高は、前年同期比33%増の76900万ドル-

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は11月7日、2023年第3四半期の業績を発表しました。

 

ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は「ギリアドは、ベースビジネスをこの2年間、着実に成長させています。第3四半期も引き続き、ウイルスおよびオンコロジーの両領域が好調な実績をけん引しました。当社は臨床面においても引き続き好調を維持し、今期のハイライトは、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療におけるpembrolizumabとの併用によるTrodelvyに関する新たなデータでした。ウイルス領域では、HIV予防を目的としたレナカパビル、およびCOVID-19経口薬であるobeldesivirの第III相試験の登録を完了しました。今後の数カ月で、これらをはじめとする患者さんへの新たな選択肢に進展がみられることを心待ちにしています」と述べています。

 

2023年第3四半期の業績

• 2023年第3四半期の収益は、2022年同期並みの71億ドルでした。これは主に、HIVおよびオンコロジー領域の売上増によるもので、ベクルリー(R)(レムデシビル)およびC型慢性肝炎ウイルス(HCV)関連製品の売上減により一部相殺されました。

• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2022年同期の1.42ドルに対し、2023年第3四半期は1.73ドルに増加し、非GAAPベースの希薄化後EPSは、2022年同期の1.90ドルに対し、2023年第3四半期は2.29ドルに増加しました。これは主に、税金費用減によるもので、費用・経費総額純増により一部相殺されました。

• 2023年9月30日現在、ギリアドの現金、現金同等物および有価証券は80億ドルで、2022年12月31日現在の76億ドルから増加しています。

• 2023年第3四半期の営業キャッシュフローは18億ドルでした。

• 2023年第3四半期中、ギリアドは23億ドルの負債を返済し、9億5300万ドルの現金配当を支払い、3億ドルの普通株式を買い戻しました。さらに、元本総額20億ドルの無担保シニア債を発行しました。

 

製品売上

2023年第3四半期の製品総売上高は、2022年同期並みの70億ドルでした。これはベースビジネスの継続成長を反映していますが、ベクルリーの売上減により相殺されました。2023年第3四半期のベクルリーを除く製品総売上高は、2022年同期比5%増の64億ドルとなりました。これは主に、オンコロジーおよびHIV領域の売上増によるもので、HCV領域の売上減により一部相殺されました。

 

2023年第3四半期のHIV製品の売上高は、2022年同期比4%増の47億ドルとなりました。これは主に、需要増およびチャネル在庫の動きによるものですが、チャネルミックスのシフトによる平均実勢価格低下により一部相殺されました。

ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(TAF))の2023年第3四半期の売上高は、2022年同期比12%増でした。これは主に需要増ならびに有利なチャネル在庫によるものです。

デシコビ(R)(FTC 200 mg/TAF 25 mg)の2023年第3四半期の売上高は、2022年同期比2%増でした。これは主に需要増によるものですが、米国における価格設定の動きにより一部相殺されました。

 

HCV、B型慢性肝炎ウイルス(HBV)およびD型慢性肝炎ウイルス(HDV)を含む、2023年第3四半期の肝臓疾患領域の売上高は、HCV患者さんの新規投与開始数増加が不利な価格設定の動きにより相殺されたため、2022年同期比10%減の7億600万ドルとなりました。これは主に、2022年第3四半期のHCV領域におけるリベート請求の解決に起因するものです。

 

細胞治療薬の2023年第3四半期の売上高は、2022年同期比22%増の4億8600万ドルとなりました。

イエスカルタ(R)(axicabtagene ciloleucel)の2023年第3四半期の売上高は、前年同期比23%増の3億9100万ドルとなりました。これは主に、米国外における再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の二次および三次治療に対する根強い需要によるものです。

Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2023年第3四半期の売上高は、前年同期比18%増の9600万ドルとなりました。これは主に、R/Rマントル細胞リンパ腫(MCL)およびR/R成人急性リンパ性白血病(ALL)対する需要増によるものです。

 

Trodelvy(sacituzumab govitecan-hziy)の2023年第3四半期の売上高は、2022年同期比58%増の2億8300万ドルでした。これは主に、米国および欧州における需要増によるものです。

 

ベクルリーの2023年第3四半期の売上高は、2022年同期比31%減の6億3600万ドルでした。これは主に、全地域におけるCOVID-19関連入院率低下によるものです。ベクルリーの売上は、一般的に新型コロナウイルス関連の数値、感染の重症度と入院率、ワクチンと代替薬利用の可能性、採用、および有効性に影響を受けます。

 

2023年第3四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率

• 2023年第3四半期の製品売上総利益率は2022年同期の80.0%に対し、77.6%でした。これは主に、Trodelvy について、治療歴のある転移性HR+/HER2-乳がんの適応が承認された2023年2月以降の関連する無形固定資産償却費、ならびに製品ミックスによるものです。2023年第3四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2022年同期の86.8%に対し、85.9%でした。これは主に製品ミックスによるものです。

• 2023年第3四半期の研究開発(R&D)費は、2022年同期の11億ドルに対し、15億ドルでした。非GAAPベースのR&D費は、2022年同期の12億ドルに対し、15億ドルでした。この増加は主に、臨床活動の増加およびmagrolimabに関する2件の第III相試験中止に関連するコストによるものです。

• 2023年第3四半期の買収によるR&D (IPR&D)費は、9100万ドルでした。これは主に、Tentarix Biothrapeutics(Tentarix)との共同事業およびその他の共同事業関連活動に関する前払金によるものです。

• 2023年第3四半期の販売費および一般管理費(SG&A)および非GAAPベースのSG&A費は、2022年同期の12億ドルに対し、13億ドルでした。この増加は主に、オンコロジー領域における営業活動増によるものです。

• 2023年第3四半期の実効税率(ETR)は、2022年同期の26.6%に対し、6.3%でした。また、2023年第3四半期の非GAAPベースのETRは、2022年同期の22.4%に対し、7.0%でした。この低下は主に、特定の課税ポジションについて税務当局と合意に達した結果、納税準備金が減少したことによるものです。

 

ガイダンス、および今後の見通し

ギリアドの2023年通期業績見通しは以下の通りです。

• 製品総売上高は267億ドル~269億ドル(前回のガイダンスでは263億ドル~267億ドル)。

• ベクルリーを除く製品総売上高は248億ドル~250億ドル(前回のガイダンスでは246億ドル~250億ドル)。

• ベクルリーの総売上高は約19億ドル(前回のガイダンスでは17億ドル)。

• 希薄化後1株当たり利益は、4.55ドル~4.75ドル(前回のガイダンスでは4.50ドル~4.85ドル)。

• 非GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は6.65ドル~6.85ドル(前回のガイダンスでは6.45ドル~6.80ドル)。

 

2023年のガイダンスに関するGAAPベースおよび非GAAPベースの財務情報の追加情報と調整は、添付の表に記載されています。また、後述の「将来予測に関する記述」もご参照ください。財務ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症パンデミックの期間や規模に関する不確実性など、多くのリスクや不確実性を伴います。

 

前回の四半期報告書以降の主な更新情報

ウイルス性疾患

• ベクルリーが、軽度から重度の肝機能障害を有するCOVID-19患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)および欧州委員会(EC)より適応拡大承認を取得しました。

• 併存疾患の負荷が大きい人々を対象としてビクタルビを評価する、進行中のリアルワールド試験であるBICSTaR試験の3年間の結果、および多剤耐性HIVを有する人々を対象としたレナカパビルの第II/III相CAPELLA試験における複数の解析を含む新たなデータを、欧州エイズ学会(EACS 2023)で発表しました。

• 欧州においてPrEPの恩恵を受ける可能性がある人々を対象に、レナカパビルとFTC/フマル酸テノホビルジソプロキシル(TDF)の持続性を比較評価する第II相臨床試験のPURPOSE 5試験を発表しました。なお、PrEPを目的としたレナカパビルの使用は研究段階です。

• さまざまなHIV陽性者における、ビクタルビの有効性および安全性プロファイルを示す新たなデータ、ならびにレナカパビルのCAPELLA試験の2年アウトカムを、米国感染症学会週間(IDWeek 2023)で発表しました。さらに、感染リスクの高い集団におけるベクルリーの安全性プロファイルに関するデータや開発中の経口抗ウイルス薬obeldesivirの薬物相互作用プロファイルのほか、ベクルリーの抗ウイルス活性や最新のSARS-CoV-2オミクロン株亜種に対するobeldesivirに関する新たなin vitroデータも発表しました。

• COVID-19重症化リスクの高い非入院患者さんを対象としたobeldesivirの第III相BIRCH試験を中止しました。本決定は、29日目までのCOVID-19発現率、および関連の入院率または理由を問わない死亡率が予想を下回ったことによるものであり、安全性や有効性に対する懸念によるものではありません。

• COVID-19重症化リスク因子のない非入院患者さんを対象としたobeldesivirの第III相OAKTREE試験が登録完了間近であり、BIRCH試験の決定による影響はないことを発表しました。

• 米国肝臓病学会(AASLD 2023)年次総会での発表計画が発表されました。発表には、ギリアドの肝臓疾患ポートフォリオの新たな長期データが含まれる予定です。

• ヘルペスウイルス、HBVおよびHDVを含む、新たな抗ウイルス治療に関する研究および開発推進を目的とした、Assembly Biosciences, Inc.(Assembly)との提携を発表しました。

 

オンコロジー

• Trodelvyについて、(遺伝子の)アクショナブル変異を伴わない進行あるいは転移性NSCLC患者さんを対象に、一次治療としてキイトルーダ(R)(pembrolizumab)との併用による試験的使用を評価する第II相EVOKE-02試験から得られた有望な初期データを、世界肺癌学会(#WCLC23)で発表しました。本試験では、PD-L1の発現率(TPS)が50%以上をコホートA、50%未満をコホートBとし、初期奏効率および奏効持続期間を含む患者さんの臨床活性、ならびに両剤の既知の安全性プロファイルと一致した安全性が示されました。

• 欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)年次総会で、進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)および進展型小細胞肺がん(ES-SCLC) の両コホートにおいて、Trodelvyの試験的使用で有望な活性を示すTROPiCS-03バスケット試験のデータ、ならびに乳がんや尿路上皮がんに関するその他のデータを発表しました。さらに、三次治療以降のR/R LBCLに対するイエスカルタと二重特異性抗体とを比較した、臨床試験の差を調整した比較解析についても発表しました。

• 米国血液学会(ASH 2023)年次総会に向け、R/R 多発性骨髄腫(MM)に対して、当社のパートナーであるArcellx, Inc.(Arcellx)のCART-ddBCMAを評価する第I相試験の新たなデータを含む抄録を発表しました。その抄録では、22カ月のフォローアップにおいて、根強い持続的奏効の継続が示されました。さらに、R/R LBCL、高リスクLBCLの一次治療、およびR/R 濾胞性リンパ腫(FL)に対するイエスカルタの長期フォローアップ、ならびにR/R MCLおよびB-cell ALLに対するTecartusのリアルワールドデータに関する抄録も発表しました。

• 移植非適応と判断されたR/R LBCL患者さんの二次治療としてイエスカルタを評価する、フランスの共同研究グループ LYSA/LYSARC の計画・実施による第 II 相 ALYCANTE 試験について、高奏効率および長期寛解を示す結果を発表しました。

• 米国臨床腫瘍学会(ASCO)の月次総会において、局所進行性の切除不能または転移性の胃腺がん、胃食道結合部腺がん、または食道腺がんの一次治療におけるdomvanalimabとzimberelimabとの併用と化学療法を比較する第II相EDGE-Gastric試験の初期データについて、Arcus Biosciences, Inc.(Arcus)と共同発表しました。有望な全奏効率(ORR)および6カ月時点での無増悪生存率(PFSR)が結果として示されました。

• TP53変異を有する急性骨髄性白血病(AML)の一次治療におけるmagrolimabに関する第III相ENHANCE-2試験は、アドホック解析に基づいて、また、独立データモニタリング委員会によるレビュー後に中止しました。さらに、登録を一時中断していたAMLに対するmagrolimabの臨床試験を米国FDAが一部差し止めましたが、以前登録した患者さんについては、治験薬の投与を継続できると発表しました。

• Tentarixとの提携を発表しました。この提携は、Tentarix独自のTentaclesプラットフォームを用いた、オンコロジーおよび炎症領域の新たな治療薬の創薬および開発を目的としたものです。

• Epicrispr Biotechnologies, Inc.(Epic Bio)との提携を発表しました。この提携は、Epic Bio独自の遺伝子制御プラットフォームを用いた、次世代のがん細胞療法開発を目的としたものです。

 

企業展開

• 元本総額20億ドルの無担保シニア債(内訳:元本金額10億ドルの2033年満期の5.25%シニア債、元本金額10億ドルの2053年満期の5.55%シニア債)をregistered offeringにより発行しました。また、23億ドルの負債を返済しました。

• 当社取締役会は、2023年第4四半期の普通株1株当たりの四半期配当は0.75ドルとしたことを発表しました。配当金は、2023年12月15日の営業終了時に登録されている株主に対して、2023年12月28日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。

 

本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。

 

電話会議

ギリアドは、太平洋時間11月7日午後1:30に業績説明のための電話会議を開催します。

ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。

 

GAAPベースの財務情報

本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的として社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、棚卸資産のステップアップ費用、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、添付資料をご参照ください。

 

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

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