日本最大級のミュージアム情報サイト『アイエム』、2023年のミュージアム利用動向を発表
~コロナ禍明けでミュージアム利用は増加。ユーザー動向は二極化、背景にミュージアムの値上げも。~
2023年12月8日
日本最大級のミュージアム情報サイト『アイエム[インターネットミュージアム]』を運営する株式会社丹青社(本社:東京都港区、代表取締役社長 小林 統)は、2023年12月8日(金)に『ミュージアム利用動向2023』を発表しました。
※今回調査対象となるミュージアムは、博物館、美術館、科学館、動物園、水族館、植物園など、「知識の体系」があり展示手法が「学ぶ」ことを主体にしている施設のことを指します。
調査の背景
2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行するなど、コロナ禍も一段落した状況と言えます。それに伴い各ミュージアムでも、閉館時間の繰り上げなど新型コロナウイルス感染症予防のための対応も順次終了し、中止・延期になっていた大型の展覧会も開催される等、表面上はコロナ禍前の状態に戻ったように見受けられます。
一方で、コロナ禍を機に導入が進んだ日時指定の予約制は一部のミュージアムで継続され、また、物価の高騰等を背景にした観覧料の値上げが進むなど、ミュージアムを取り巻く状況は変わりつつあります。2023年のミュージアムに関するトピックスとして、国立科学博物館がクラウドファンディングで9億円超を集めたことも、大きな話題になりました。
それらの背景も踏まえた中で、ミュージアム・ファンによるミュージアムの利用動向を総合的に調査することで、今後のミュージアム業界への一助となることを目指しました。
調査結果サマリ
コロナ禍が一段落したことでミュージアムの訪問は回復。ただし、訪問頻度が高いユーザーの「行く回数が増加し、1回あたりに使う金額も上昇」に対し、ライトユーザーは「行く回数を絞り、金額も安いところへ」と、二極化する傾向が見られる。
すべての調査結果は下記からご覧いただけます。
調査結果ページ:https://www.museum.or.jp/static/museumfanresearch2023
1)ミュージアムに行く頻度と使用金額の変化
・昨年と比較して、ミュージアムに行く頻度は変わりましたか?
・ミュージアムに行く頻度(年代別)
・昨年と比較して、ミュージアムで1回あたりに使う金額は変わりましたか?
【解説】 ●昨年と比較してミュージアムへ行く頻度が増えた人は37.9%増。同様に、昨年比で頻度が減った人は18.2%であり、ミュージアムへ行く頻度が大きく増加している。 ●年代別においても、全年代で増加している。 ●ミュージアムでの使用金額について、昨年比で増えた人が28.8%、減った人は6.0%と、1回あたりに使う金額も増えている。 |
2)ユーザータイプ別の、ミュージアムに行く頻度の増減
・ミュージアムに行く頻度(ユーザータイプ別)
【解説】 ●タイプ別(ミュージアムに行く頻度)で捉えると、見え方が変わる。 ●それまでのヘビーユーザー(週1回~2・3ヶ月に1回程度行く人)は、ミュージアムに行く頻度が増えているが、ライトユーザー(半年に1回~年1回程度行く人)は、ミュージアムに行く頻度が減っている。 ●コロナ禍による中断期を経て、ヘビーユーザーはより多くミュージアムを訪れ、逆に頻度が低い人は減っているという「二極化」が起きている。 |
3)ユーザータイプ別の、ミュージアムで使う金額の増減
・ミュージアムで1回あたりに使う金額(ユーザータイプ別)
【解説】 ●ミュージアムに行く頻度の増減と、1回あたりに使う金額を比較すると、頻度が上がった人は使う金額も増えている。 ●逆に、ミュージアムに行く頻度が減った人は使う金額も下がっていることがわかる。 |
4)ミュージアムの料金について
・ミュージアムの料金は高いと感じますか?
(参考:2022年調査)
[ミュージアムに行く頻度が減った理由は?]
● 入場料が高いから。
● 金銭的理由とコロナなど。
● 値上げにより足が重くなっている。
● 予約制が増えた。料金が高騰。
● 収入事情の変化。
[ミュージアムに行く頻度が増えた理由は?]
● コロナ禍が終わり、イベントや展覧会が復活したため。
● コロナがあけて展覧会・美術展が増えたから。
● コロナが一時より落ち着き、外出の機会が増えたため。
● ポスト・コロナで重要な展覧会が増えた。
【解説】 ●ミュージアムの料金についての問いに対して、高いと感じる人は42.3%。昨年の38.1%に対して4.2ポイント、料金が高いと感じる人が増加している。 ●ミュージアムに行く頻度が減った人に理由をたずねると、料金の値上げなど金銭面に関連する意見が多い。 ●ミュージアムの料金値上げが、ミュージアムに行く頻度に影響を与えている可能性が高い。 |
5)ミュージアムに行く動機
・あなたがミュージアムに行くきっかけは何ですか?(複数回答)
【全体】
【訪問頻度が年に1回程度】
【解説】 ●全体では「館の公式サイト」や「ミュージアム内でポスターやチラシを見て」が多い。 ●年に1回程度のライトユーザーは全体に比べて「公式以外の情報サイト」の比率が高い(全体:16.7% 年に1回:19.8%)のは注目される。 ●複数の展覧会情報を見比べた上で、実際に訪問するミュージアムを決めている傾向がみてとれる。 |
【全体解説】
コロナ禍が一段落し、それまで控えていた外出が再開されるなかで、ミュージアムに出かける意識が高まっていると考えられます。大型の展覧会では料金の値上げが目立っていますが、ユーザー側も敏感に反応しており、特にライトユーザーについては料金設定が「行く/行かない」の判断基準につながっているようです。より多くの人にミュージアムを楽しんでもらうために、ミュージアムでしか体験できない価値は何なのか、分かりやすい情報発信が求められているのではないでしょうか。
■解説者プロフィール
アイエム編集長:古川幹夫
1966年愛媛県生まれ。1990年株式会社丹青社入社。本社デザインセンター、(株)JDNなどで空間デザイン、オウンドメディアの立ち上げ・運用等に従事。2011年より現職。年間約200カ所のミュージアム取材を継続中。
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<調査概要>
調査期間:2023/11/2~2023/11/15
調査対象:アイエム会員
有効回答数:1029名
調査方法:インターネット調査
<引用・転載時のクレジット記載のお願い>
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『アイエム[インターネットミュージアム]』とは
アイエムは「Life with Museum(ミュージアムのある暮らし)」をコンセプトに運営している、日本最大級のミュージアム情報サイトです。
ミュージアムの施設情報や企画展・イベントなどの情報をご紹介しているほか、独自の取材レポート、学芸員の募集情報、展覧会のチケットプレゼントなど多彩なコンテンツで、広く全国のミュージアム・ファンにご利用いただいています。
アイエム[インターネットミュージアム]
丹青社について
「こころを動かす空間創造のプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。調査・企画から、デザイン・設計、制作・施工、デジタル技術を活かした空間演出や運営まで、空間づくりのプロセスを一貫してサポートしています。
社名 : 株式会社丹青社
所在地 : 東京都港区港南 1-2-70 品川シーズンテラス 19F 〒108-8220(本社)
設立 : 1949 年 10 月 14 日
資本金 : 40 億 2,675 万 657 円(2022 年 1 月 31 日現在)
上場 : 東京証券取引所プライム市場 (証券コード:9743/業種名:サービス業)
URL : https://www.tanseisha.co.jp
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社丹青社
- 所在地 東京都
- 業種 その他サービス業
- URL https://www.tanseisha.co.jp
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