【香港大学】 日本人教員も多彩な最高学府
香港で最も歴史ある公立大学 ─ 香港大学(HKU)
香港、2024年6月28日 /PRNewswire/ -- 1911年、香港最古の公立大学として設立され、現在にいたるまで世界大学ランキングでも毎年上位に入る香港一の有名大学。ランキング2025年度版では、東京大学を抜き同校初の17位という成績を収めた。場所は香港島の西部・薄扶林に位置し、緑に囲まれた学び舎としてもバツグンの環境である。
同校の特徴として真っ先に挙げられるのが、教学の環境が整っていること。世界トップ校の中でも、香港大学は多国籍な教員の数を誇り、それはまた学生にも同じことがいえる。アジアだけでなく世界各国の人材が同校に集まり学び、「Global Citizen」としての価値観を育んでいる。
二重学位提携校6校、交換留学提携校400校以上 グローバルを見据えて
Bennett Chi Kin Yim(嚴志堅)博士
本科生および国際交流生事務局長、マーケティング学部教授
香港生まれ。大学卒業後、米国インディアナ州のパデュー大学にて博士号を取得、ライス大学にて10年教鞭を取る。1999年に帰港し、香港大学で教学を始め今年で25年目。
貴校の強みをお聞かせください。
まず一つ目が「Academy for the talented」というタレントプログラムを設け、中学生をキャンパスに招き在校生や教授などと交流の場を作っていることです。私が学生の頃は、大学で何を学ぶか具体的にイメージできなかったですが、同プログラムを通じて若いうちに専攻や将来の夢について考え
る機会になればいいですね。
また、バークレー、ケンブリッジ、北京大学などトップ校と二重学位協定を結んでおり、希望者にはより幅広い未来の選択肢が待っています。この他にも世界400校以上との交換留学を行っていますので、学生のうちに世界を視野に入れた国際的な学生生活を送ることができます。卒業生の99%は卒業後3カ月以内に内定および進学先が決まるので、卒業後の未来を心配する必要はありません。
そして香港の治安がいいことは多くの留学生を魅了するポイントと言えるでしょう。また政府が学生ビザの中に卒業後の2年間を猶予期間として付与しているので、留学生は香港に残りゆっくりと進路を決めることができます。
教学の中で重視していることは?
「双方向性(Interactivity)」ですね。一方的な授業ではなく、生徒同士にディスカッションをしてもらうことが多いです。私の教えるビジネスマーケティングには答えがありませんから、議論を通してさまざまな新しいことを学んでほしいと思います。私たちの仕事は自分の知識を押し付けるのではなく、学生に新しいことをどのように身につけていくかという姿勢を持ってもらうこと。日本の留学生も同校でたくさん学んでいます。これからの未来にもさまざまな変化はやってくるでしょう。どんな変化にも対応できる「視野の広さ(Open Mind)」と「自分を装備・準備する(Equip Yourself)」ことの重要性を若い皆さんにお伝えしたいです。
多彩な日本人教員も同校で教鞭を取る
中山 いづみ博士
香港大学文学部現代言語・文化学院 日本研究学科 上級講師
アメリカ、フランス、中国などで学び、ハーバード大学で博士号を取得。
近現代日本史、労働運動史、STS、ジェンダー研究専攻。2008年に来港、香港大学で教え始め今年で勤続15年目。
日本研究学科ではどのようなことを教えていますか?
最近では近世から現代までカバーする「Sex, Gender and Technology in Japan」などを教えています。日本が明治以降一夫一婦制になった過程や、1999年に避妊ピルが諸外国に遅れる形で認可された経緯など多岐に渡る内容を取り扱っています。学生には暗記だけではなく、物語としての歴史とも捉え、批判的に言説分析する力も身につけてほしいですね。
教授にとって教える喜びとは?
学生たちが困惑しながらも考えている表情を見たり、卒業後社会人として授業が役立ったというお手紙をもらうと嬉しいですね。これからはAIとどう共存し、個人の分析力を高めるかが学生たちの課題だと思います。そのためにも想像力、文書力、課題発見力を育む授業を目標としています。
宮下 将紀博士
経営学院・経済学部 助教授
幼少期はメキシコで育ち日本に戻る。慶応大学で学士、東京大学で修士、米国イェール大学で博士課程を修了。2023年に来港しビジネススクールで「ゲーム理論」について教えている。
先生の専攻「ゲーム理論」について教えてください。
一言でいうと数学を使って人の意思決定を研究する学問です。例えばオークションの中で、入札者が利益を得るためにはどのようなルールが必要なのか、戦略的な方法を数学を通して分析するというものです。
香港大学で教え始めて一年目の感想を聞かせてください。
環境的には教員にとっても非常に過ごしやすいです。僕の場合は教学の負担がそれほど多くないので、多くの時間を研究に費やすことができます。またここの学生たちは真面目な生徒が多いです。授業後に踏み込んだ質問をしてきてくれると教師冥利につきますね。
来学期は学生たちとさらに多くの時間を共にし、どんなことに興味があるのか、双方向に問題提起をしながら切磋琢磨できたらと思います。
日本人学生もイキイキと過ごせる場所
岩間 桃子さん
文学部・デジタル人文学科 2年
東京生まれ。小学3年生の時に家族で深圳へ移住し、大学進学とともに香港へ。オフの日は友人とカフェやビーチに行くことが多い。
同校に進学を決めたきっかけは?
イギリスやアメリカへの留学も考えましたが、親元に近くてアジアの中で英語で学べる大学と考えた時に香港大学の名がすぐ挙がりました。高校でIB(国際バカロレア)を取得していたので、高校の成績と入学前にエッセイを提出して入学が決まりましたね。
キャンパスライフはいかがですか?
一学期に4~5コマ履修し、課題がある時はそれに取り組んでいます。香港では早い学生は1年生からインターンを始める人もいます。私も前学期、「Art Basel」で働く機会があり、日本オフィス展開のために日本側とのコミュニケーションを担当しました。
今後の予定は?
来学期はキングス・カレッジ・ロンドンへ交換留学に行ったり、その後はハーバード大学に香港代表としてグローバル会議に出席する予定です。将来は専攻のデジタル人文学で学んだ知識を生かして、日本と世界の架け橋になれるような人材になれたらと思います。
藤田 祥温さん(左)
工学部・機械工学科 1年
香港生まれ。インターナショナルスクールを経て香港大学へ進学。大学のサッカーチームに所属し学業とスポーツに勤しんでいる。
坂本 藍彩さん(右)
理学部・物理学科 1年
香港生まれ。大学では難しい課題に取り組む一方で、生徒会スタッフや、ダンスグループ、家庭教師のアルバイトなどエネルギッシュな生活を送る。
同校に入ってよかったと思うことを教えてください。
藤田さん:人とのつながりが密にあるところです。いろんな学生と知り合えるので面白いです。
坂本さん:課題がたくさん出て忙しいですがとても楽しいです。また周囲に優秀な学生が多いので、私も負けないようにといい刺激になりますね。
寮生活は過ごしやすいですか?
坂本さん:食堂や図書館、ラウンジなど施設が充実しているのでくつろいで過ごせています。金曜の夜はラウンジのミュージックブースで歌ったり、踊ったり、学生たちと盛り上がることもあるんですよ。
将来の夢を教えてください。
藤田さん:父のアパレルビジネスを今手伝っている関係で、ものづくりへの興味があります。行く行くは自分のビジネスを立ち上げたいと考えています。
坂本さん:天文学に興味があるので研究を深めたいですね。将来はパイロットになることも視野に入れています。
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