アルムナイ導入進む「金融業界」 退職者が評価する企業の共通点は、成長を促すフラットな企業文化

金融業界を辞めた社員が評価する企業ランキングTOP10

オープンワーク

2024年7月30日

OpenWork「働きがい研究所」調査レポートvol.124

 

アルムナイ導入進む「金融業界」 退職者が評価する企業の共通点は、成長を促すフラットな企業文化

―金融業界を辞めた社員が評価する企業ランキングTOP10―

 

一度退職した社員を再雇用する「アルムナイ採用」を導入する企業が増えています。英語で“卒業生”を意味する言葉で、企業によって「カムバック採用」「Uターン採用」など呼び方はさまざまです。人材獲得競争が激しくなるなか、自社の企業文化に馴染みがあり、他社で経験を積んだ人材を即戦力として期待していることが背景にあります。主要118社を対象に行った調査では、こうした仕組みを導入する企業の割合は7割(※)に上ります。

 

元社員と現役社員との交流組織を立ち上げる企業も増えていますが、「辞めた後もつながりを持ちたい」と思う元社員がいなければ、関係を築けません。退職の理由はさまざまですが、元社員とのネットワークの構築やアルムナイ採用を成功させるには、「この会社で働いて良かった」と感じる「円満退職」や「ポジティブ退職」が不可欠ではないでしょうか。

 

今回の調査レポートでは、アルムナイ導入が進む「金融業界」に着目。「退職者」による回答に限定し、評価が高い企業をランキング化しました。OpenWorkに投稿されたクチコミから、退職者に評価される企業の特徴を考えます。

(※)共同通信社の調査より

 

【サマリ】

・1位はゴールドマン・サックス証券、2位はBofA証券、3位はKPMG FAS

・上位企業は「20代成長環境」スコアも高評価。共通点は、社員の成長を促すフラットな企業文化

・社員は「アルムナイ」をどう受け止めている?

・退職者から評価が低い企業のクチコミから見る、「トップダウン」「年功序列」な企業体質

 

 

※詳細は以下または「働きがい研究所」にてご確認ください。

https://hatarakigai.openwork.jp/

 

 

金融業界を辞めた社員が評価する企業ランキング

 

 

TOP5社の「20代成長環境」スコアは4点超え。社員の成長を促すフラットな企業文化も高評価のポイントか。

 

金融業界に限定し、退職者が高く評価した企業を調査した今回の調査レポート。1位はゴールドマン・サックス証券、2位は米国に本社を置く日本法人のBofA証券、3位に英国本社の日本法人KPMG FASとなり、TOP3社はすべて外資系が占めました。日系企業からは野村グループの2社、楽天カードがランクインしました。

 

ランクイン企業の業態別では、「証券会社、投資ファンド、投資関連」が6社、「クレジット、信販、リース」が2社などとなり、メガバンクや地方銀行、信金などはTOP10にはランクインしませんでした。

 

ランクイン企業のスコアを詳しく見ると、TOP5社すべてで「20代成長環境」スコア(5点満点)が4点を超えています。また、「社員の士気」スコアもすべて3.7点以上となっており、これは今回の対象データ全体の「社員の士気」スコアの平均が2.74点であることからも、非常に高い評価であると言えるのではないでしょうか。退職した企業を「良い会社だった」と評価する上で、「自分が成長できたか」「成長できる環境が提供されていたか」は重要なポイントと言えそうです。

 

ランクイン企業の成長に関する社員クチコミを見ていくと、教育環境が整っている、風通しがよく年齢にかかわらずフラットにコミュニケーションが取れるといった、「社員の成長を促す」職場環境があることがうかがえました。

 

 

ランクイン企業の元社員が投稿した、社員の成長を促す職場環境に関するクチコミ

 

「初めの数年間は考える暇もなくひたすらに膨大な仕事が降ってくるので、それを素早くこなして自分の睡眠時間と少しばかりやった仕事を振り返る時間を確保できるかが分水嶺になる。わからないことがあったらすぐに質問すべしという文化があり、質問した際には先輩が非常に丁寧に指導してくれるので、この点はすごく良いと感じた。走りながら高速で仕事を回すやりがいを初めの数年間で感じることができる。(投資銀行部門、男性、ゴールドマン・サックス証券)」

 

「オープンかつフラット。若手が挑戦できる環境が揃っている。風通しはとても良い。廊下ですれ違ったパートナーとプライベート含め相談しやすい環境であり、年齢に関係なく議論できる。プロモーションスピードもはやく、優秀であれば年齢に関係なく管理職になれる。(コンサルタント、男性、KPMG FAS)」

 

「新卒には手厚いトレーニングプログラムが用意されており、働きやすいと思う。本人の希望と努力次第で海外やフロントに移る例も多い。(バックオフィス、女性、JPモルガン証券)」

 

「チャレンジできる環境・挑戦を応援してくれる環境だと思う。2年目の頃から様々な改善業務に携わり、未熟な提案や意見出しをすることもあったが『それいいアイデアだね』『とりあえずやってみようか』と、挑戦することに対して背中を押してくれる先輩や上司がたくさんいた。挑戦した結果、大きなミスをして先輩に迷惑をかけたこともあったが嫌な顔をせずフォローしてくれる先輩達に恵まれ、自分もこのような存在になりたいと感じた。(一般職、女性、楽天カード)」

 

「人材育成に関しては、育てる文化が当たり前の会社でインストラクターはもちろん、みんなで育てようという意識の人が多い。ただ、余計なお世話な先輩も多数いるため、そういう面でもコミュニケーション能力も鍛えられたと思う。会社自体も、社内公募を積極的に募集するような体制に変わり様々なキャリアへチャレンジできる環境だった。(営業、女性、野村證券)」

 

 

社員は「アルムナイ」をどう受け止めている?

 

他業界に先駆けてアルムナイ制度の導入や、元社員との交流組織を設けている金融業界ですが、それぞれの企業では実際に定着しているのでしょうか。また、一度退職した社員が再入社することに対して、社員はどのように受け止めているのでしょうか。ランクイン企業のクチコミから見ていきます。

 

「アルムナイ」のほか、「カムバック」「再雇用」などのキーワードを含むクチコミを調べると、退職後も企業が元社員とのつながりを持ち続けることについて、「寛容な企業文化」として評価する声が見られ、家庭の事情で退職せざるを得なかった元社員を再雇用するケースが実際にあることもうかがえました。

 

また、TOP10にはランクインしていませんが、昨年アルムナイネットワークの設立を発表した金融機関には、元社員との交流を歓迎する声や「自身のキャリアを考え、身につけたい業務の専門職へと転職をした。カムバック採用などの制度も整っているため、また会社に必要とされるような人材になることを目指している」といった、制度を利用してカムバックを目指す声も投稿されています。アルムナイ制度は、人材獲得の面だけでなく、社員のキャリア形成にも寄与すると言えそうです。

 

 

OpenWorkに投稿された、金融業界のアルムナイに関するクチコミ

 

「卒業生・アルムナイとの人的ネットワークが豊富であり繋がりが強い。会社を辞めた後でも人脈が維持できやすい。退社後にスタートアップやファンド等で活躍している人が多く、啓発される若手の社員が多い。その様な、ある意味寛容な企業文化があるので、トップ級の人材を引き寄せ続けることができるのではないか。(投資銀行部門、男性、ゴールドマン・サックス証券)」

 

「基本的には新卒入社の人間には色々な意味で優しい。日本のトップマネジメントの人間も新卒入社が多い。とはいってもやはり途中入社の人間の方が多く、出戻りもあり。一度退社し、他社に転職した後、その会社が肌に合わず、戻ってくる人間も多くみてきた。ギスギスした会社とは異なり、人に仕事を教わる機会も沢山あり、それが良しとされる文化がある。(トレーダー、男性、JPモルガン証券)」

 

「大企業ゆえ、産休・育休などの制度は非常に整っており、結婚や出産を機に退職する女性はほぼいない印象。また、配偶者の転勤などで一度退職した女性の再雇用システムがある。(リテールセールス、女性、野村證券)」

 

 

退職者から評価が低かった企業に共通する、「トップダウン」「年功序列」なクチコミ

 

成長を実感し、ポジティブな理由で退職する社員がいる一方で、大きな不満を抱えて去る社員もいます。金融業界に限定して集計した今回のランキングで、退職者からの評価が低い企業のクチコミに多く見られたのは「トップダウン」「年功序列」といった、旧態依然の組織文化を指摘する声で、退職者から高く評価される企業のクチコミとは対照的な結果となりました。

 

今後、ますますアルムナイ採用が拡大していくことが予想されますが、制度を機能させるためには、こうした組織課題に向き合うことが求められるのではないでしょうか。外の世界で経験を積んだ元社員の意見やフィードバックを積極的に受け入れるなどし、オープンな組織への改革に取り組める企業かどうかも、元社員に「また働きたい」と思わせる分かれ道となりそうです。

 

 

OpenWorkに投稿された、退職者から評価が低い金融業界企業のクチコミ

 

「トップダウンで物事が決まってしまい、決まったことが降りてくるだけで、反論したくても決まったことだからと言われてしまう古い体質。(女性)」

 

「組織としては明らかにトップダウンの傾向が強い。位が高い所から低い所へ指示が徹底され、若手からの意見を吸い上げるといった取り組みはあまり期待できない。法的な縛りもあるだろうが、現場や若手の意見や希望に向き合い、役職者や役員がそれを実現すべく行動していかなければ、今後の生き残りは難しいと考える。(男性)」

 

「体育会系の文化であり、根性論がまかり通っている。またトップダウンの古い体質は今の時代でも変わらず、反対意見などが生まれない環境。(男性)」

 

「全体的に保守的な考えであり、変化を好まない組織風土。年功序列の人事制度により組織の活性化が進まない。近年若い職員の退職が増え、新入職員も減少傾向にあるも原因の追求や改善が行われておらず、同じ過ちを繰り返している印象。(男性)」

 

 

対象データ】

OpenWorkに投稿された、金融業界を2019年以降に退職した元社員による会社評価レポート13,531件を集計。

 

OpenWork働きがい研究所について】

オープンワーク株式会社が、働きがいの向上のために、個人・企業・社会などの視点から働きがいについて調査・リサーチを行うためのプロジェクトです。2014年3月よりスタートしました。

OpenWorkについて】

OpenWork(オープンワーク)では、実際に働いた経験に基づく「社員・元社員の声」を共有しています。企業の社員・元社員から情報を収集しているWEBサイトとしては、国内最大規模のクチコミ数と評価スコア約1,730万件が蓄積されており、会員数は約650万人(2024年6月時点)となっています。私たちは、企業の労環境をよりオープンにしジョブマーケットの透明性を高めることで、健全な雇用環境の発展に貢献するとともに、企業と個人のより良いマッチングをサポートし、一人ひとりが自分らしく生きることを応援したいと考えています。https://www.openwork.jp/


オープンワーク株式会社 会社概要】

商号 :オープンワーク株式会社

代表者:代表取締役社長 大澤 陽樹

所在地:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア39階

事業内容:転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」の開発・運用業務を含むワーキングデータプラットフォーム事業

資本金: 1,644百万円

上場市場:東証グロース市場(証券コード5139)

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