中国初の国際製薬企業のバイオ医薬品原薬プロジェクトが北京E-Townで始動 -- サノフィが新たなインスリン生産施設に約10億ユーロ投資
AsiaNet 200594 (1308)
【北京(中国)2024年12月5日新華社=共同通信JBN】世界的な製薬大手サノフィ(Sanofi)は、北京E-Townへの投資を再び増強しました。12月2日、北京経済技術開発区管理委員会(Administrative Committee of the Beijing Economic-Technological Development Area、BDA)とサノフィは、正式に協力覚書に署名しました。サノフィは約10億ユーロを投資して北京E-Townにインスリン生産施設を新設し、インスリンの現地でのエンド・ツー・エンド生産能力を強化し、主に中国の糖尿病患者のニーズに応えます。これはサノフィにとって中国で4番目の生産・供給拠点で、同社の単独投資としては中国で最大規模となります。
サノフィのFrédéric Oudéa取締役会長は「中国とフランスの外交関係樹立60周年という記念すべき年に、このような投資を発表できることをうれしく思います。サノフィは、中国市場の長期的発展の可能性に自信を持っています。開放とイノベーションを促す中国政府の政策、および外資系企業に優れたビジネス環境を用意していただいていることは、サノフィが中国の経済発展に深く関与し、製薬業界の質の高い成長を支援していくに当たり、強い自信を与えています」と語っています。
サノフィは長年にわたり、中国国内で製造への投資を継続的に拡大し、ワールドクラスの生産・供給ネットワークを構築してきました。1982年に中国事務所を設立したサノフィは現在、12の多様な事務所、3つの生産拠点、4つの研究開発センターを運営し、医薬品、ヒト用ワクチン、コンシューマーヘルスケアなどさまざまな事業を展開しています。中でもE-Town内にある北京拠点は、30年近い間にサノフィのアジア太平洋地域最大のインスリン注射剤生産拠点へと発展し、糖尿病、心血管疾患、内科、腫瘍など複数の治療領域にわたる製品をつくっています。
今回新設されたインスリン生産施設は、国際的製薬企業が中国でバイオ医薬品の原薬(API)生産施設を設立する初のケースとなります。完成すれば、主にインスリン用のバイオ医薬品の有効成分を製造し、サノフィの北京工場で生産される既存のインスリン製剤にバイオ原料を供給することになります。サノフィのPaul Hudson最高経営責任者(CEO)は「新しい生産施設は、高水準の自動生産、トップクラスのデジタル統合管理、持続可能な環境基準を採用し、卓越した生産レベルを保証します。これにより、サプライチェーンの強靭性がさらに高まり、国内の糖尿病患者の増大する需要に、より効率的に応えることができるようになります。また、中国の産業チェーンの配置をさらに深化させ、革新的な医療ソリューションをアップグレードして、医療サービスの奥行きと幅を継続的に向上させていきます」と語っています。
1995年にE-Townにサノフィ北京の生産拠点を正式に設立後、2020年から2023年まで総額7億元に上る増資を継続的に行って新しいインスリン製剤生産ライン(Toujeo(R)やSoliqua(R)プロジェクトなど)を拡張、今回の新たなインスリン生産施設の建設に至ったサノフィが投資と拡張を進めてきたのは、北京とE-Townの産業エコシステムに対する信認と将来の発展見通しに対する自信の反映です。
医療・健康産業は、北京の革新的発展を牽引する「2つのエンジン」の1つです。北京市は今年、医療健康共同イノベーション加速行動計画の第3弾を実施、革新的な医薬品開発を支援する32の施策を導入し、多国籍製薬企業の参入や投資拡大を促す優れた開発環境を提供しています。首都唯一の国家レベルの経済技術開発区であるBDAは、バイオ医薬品分野の国際競争力強化と医療水準の向上に注力し、バイオ医薬品産業を対象とする「1+N」政策システムを確立、国家食品薬品監督管理局(NMPA)の6大センターの集積を支援し、 北京バイオメディカル・イノベーションパーク(バイオパーク)の計画・建設を加速し、企業サービスを洗練・最適化し、産業発展の新たな原動力を育成しており、現在、さまざまな分野のバイオ医薬品企業5000社近くが集積、北京のバイオ医薬品産業の生産額のほぼ半分を占めています。
BDA当局者は「より多くの多国籍製薬企業にE-Townに進出してもらえるよう、Boao Forum for Asia Global Health Forum(ボアオ・アジアフォーラム・グローバルヘルス・フォーラム)やInternational Biopharmaceutical Industry Innovation Beijing Forum(国際バイオ医薬品産業イノベーション北京フォーラム)といった国際イベントを『窓口』として活用し、産業優位性を協力のチャンスに変え、企業と対面でコミュニケーションを取り、その後の協力に向けた強固な基盤を築いています」と説明しています。
最近、イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)やファイザー(Pfizer)など世界的大手製薬企業が、相次いでE-Townに新たな研究開発イノベーション機関の設立を発表しています。BDAは今後も、最適なビジネス環境モデルを構築し、オープンで包括的な産業エコロジーを育み、多国籍製薬企業が北京を選択し、E-Townに投資するのをサポートし、医療・健康産業の発展に向けた新たな青写真を共に描いていきます。
ソース:The Administrative Committee of the Beijing Economic-Technological Development Area (BDA)
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