過去の万博から広がったグルメや食文化とは⁉くら寿司 大阪・関西万博店で販売する特別メニュー誕生秘話
16の万博を含む国内外48の博覧会を訪問した万博マニアが期待する大阪・関西万博注目のグルメ
2025年2月20日
くら寿司株式会社
くら寿司 ニュースレター2025年2月号
《16の万博を含む国内外48の博覧会を訪問した万博マニアが期待する大阪・関西万博注目のグルメ》
過去の万博から広がったグルメや食文化とは⁉
「くら寿司 大阪・関西万博店」で販売する特別メニューの誕生秘話
今年4月に開幕を迎える、2025 大阪・関西万博は、企業や世界各国のパビリオンでの展示のほか、新たな文化との出合いに期待が高まっています。万博は、世界中からさまざまな人やモノが集まるメガイベントです。また、万博は、新しい技術や商品が生まれ、生活が便利になるきっかけでもあります。過去の万博で紹介され、社会に広まったものとしては、1853年ニューヨーク万博のエレベーター、1876年フィラデルフィア万博の電話、1970年大阪万博のファミリーレストラン、ワイヤレステレフォン、電気自動車、動く歩道、2005年愛知万博のICチップ入り入場券、AED、ドライミストが挙げられます。これらは、当時は画期的な技術でしたが、現在は一般的となりました。
提供:2025年日本国際博覧会協会
また、万博で紹介された食や食文化が注目され、後に普及したものも数多くあります。缶コーヒー、ブルガリアヨーグルト、回転寿司は、1970年の大阪万博をきっかけに広まりました。2010年の上海万博では小籠包が注目され、「食」をテーマに掲げた初めての万博として2015年に開かれたミラノ万博では、キヌアなどのスーパーフードや昆虫食が登場し、話題になりました。2020年のドバイ万博では、持続可能な食文化がテーマの一つとなり、ビーガンフードなどが注目されたのも記憶に新しいところです。
今回の2025 大阪・関西万博でも、新たな食や食文化が数多く紹介される予定です。過去に万博をきっかけに広まった食や食文化と、今回の万博をきっかけに今後一般的になると期待されるものについてヒアリングを行いました。
16の万博を含む国内外の博覧会を訪問してきた万博マニア・藤井秀雄さんが万博をきっかけに広まったグルメ、次世代の食を大予想!
万博愛好家で構成するEXPOサポーターズの藤井秀雄さんは、16の万博を含む国内外48の博覧会を訪問した“万博マニア”。1970年、12歳のときに11回通った大阪万博に始まり、海外で開催された万博でも会期中は何度も会場に足を運んでいたといいます。55年間、万博と、万博から派生したものに注目し続けてきた藤井さんに、過去の万博から普及したグルメや食文化についてお聞きしました。
――1970年の大阪万博をきっかけに、一般的となった食文化を教えてください。
大阪万博の前年にUCCが発売した世界初の缶コーヒーは後に大ヒットしました。お金を入れてボタンを押すと缶飲料が出てくるという自動販売機の技術も画期的でした。当時はよく売れていたためか、冷やしきれず缶コーヒーは常温でしたが、甘いコーヒーはおいしく、何度もおにぎりを食べながら飲んだことを覚えています。他にはブルガリアヨーグルトはブルガリアパビリオンから、フランスパンはフランスパビリオンから、ケンタッキーフライドチキン等のファストフードはアメリカンパークでの販売がきっかけで一般的になりました。また、会場を周回していたモノレールの万国博西口駅前には、世界初の回転寿司店「廻る元禄寿司」が出店。以降、ベルトコンベヤーを使った回転寿司が広まりました。近年は、海外でもレーンで回る回転寿司は広まってきています。
――海外の万博から広まった食や、食にまつわる技術を教えてください。
2015年のミラノ万博のテーマは「食」で、イタリア各州のパビリオンでは名産品や名店の味が紹介されていました。シチリアパビリオンでは、オレンジの生搾りジュース自動販売機を初めて見ました。お金を入れてボタンを押すと、目の前で生のオレンジがカットされてギュッと搾られ、コップに注がれる様子はかなり興味深かったです。搾りたてのオレンジジュースは本当においしく、会期中に4、5回飲みました。その後、日本では駅構内やショッピングモールでオレンジの生搾りジュース自動販売機をよく見かけるようになりました。今後は、温州ミカンや伊予柑といった日本の柑橘の生搾りジュース自動販売機が登場することを期待しています。
――万博会場では、どのような視点で食を楽しまれていますか。
万博会場には、さまざまな飲食店を集めた施設のほかに、海外パビリオンにはその国の料理を提供する併設レストランがあります。私は全てのパビリオンを巡ることを目標としているため、会期中は会場に何度も足を運ぶのですが、それでも全飲食店、全メニューを制覇することは難しいですね。
私がパビリオンでも食体験でも、最も期待しているのは「未来感」。私が万博に夢中になっている理由は、未来に普及すると思われる、最先端のモノをイチ早く体験できるからです。そのため、食べ物や飲み物は、見たことがない、食べたことがない珍しいものを優先してチェックしています。2015年のミラノ万博では、カザフスタン館で馬乳を試飲したところ、独特の香りと味に驚きました。2017年、カザフスタンで行われたアスタナ万博を訪れた際は民泊を利用したのですが、そこで馬乳に再会。降水量が少なく、砂漠が多い地域で、水が貴重。作物の栽培も難しいので馬を大切にし、利用しているのだと、食を通してその国の文化を学ぶことができました。
――海外の万博で食べたもので、今後、日本で広まりそうなものはありますか。
2020年のドバイ万博のサウジアラビア館で出合った、デーツ(ナツメヤシ)のおやつです。ドライデーツにクルミ、アーモンドなどのナッツ類が挟まれていました。会場では香辛料入りのコーヒーとともに味わったのですが、程よい甘みのデーツとの相性が最高でした。柔らかなデーツと、カリッとしたナッツ類の、異なる食感を一度に食べられるのも面白かったです。空港ではドライフルーツなども挟んだものもあり、家族にお土産として持ち帰ったところ大好評でした。日本人好みの味ですし、見た目もかわいらしい。日本で広まる可能性があるのではないかと思います。
2015年ミラノ万博での様子
――2025 大阪・関西万博で、特に注目する食を教えてください。
2025年 大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。命に向き合って未来のあるべき姿に向けたさまざまな取り組みにワクワクします。滋養がつく、病気が予防できる食品のほか、医食同源についても取り上げられると思います。タイパビリオンの展示テーマは「免疫力」で、10万種の免疫力を高める食品が紹介されます。サステナビリティを意識した食も紹介されます。サントリーは万博会場において、再生農業原料を使用したビール「水空エール」を発売します。
――今回の万博を機に、広がりそうな食はありますか。
万博愛好家としては、万博で紹介された食が、その開催国で広がっていくかどうかにも関心を持っています。個人的に注目しているのは、「GF RAMEN LAB大阪・関西万博店」の、麺にもスープにも小麦を使わない、グルテンフリーの米粉ラーメン。小麦に含まれるグルテンを気にせずに食べられるラーメンは広く普及する予感がします。「青木松風庵」の精神的・身体的な疲労感を軽減する効果があるまんじゅう「金の月化粧」はお菓子の概念を覆す品として注目したいです。また、くら寿司による、約70の国・地域の代表料理も楽しみにしています。お寿司を食べる感覚でお店で海外の味巡りができるのは素晴らしいです。数カ国の料理を一度に味わって、通い詰めてコンプリートしたくなります。特に気になっているのは中東の料理。まだ日本になじみがないものが多いですが、どれもおいしそうです。フィジー共和国料理の「ココンダ」は魚と野菜料理ですがココナッツソースで魚の癖もなくデザート感覚で食べられるのでオススメです。チリ共和国料理の「エリソス」はウニを使った料理ですがアッサリとした感じで食べられました。今回の万博をきっかけにブームとなり、後に定着する料理が出てくるのではないでしょうか。
藤井秀雄
1958年生まれ。大阪府大阪市出身の“万博マニア”。万博愛好家で構成するEXPOサポーターズに所属。訪問した博覧会数は48種類(うち万博は16種類)。自宅で万博の思い出に浸るため、資料やピンバッジを中心に万博グッズを収集。1.6万点の万博グッズを所有し、各地で展示も行っている。2015年のミラノ万博ではイタリア政府観光局より委託で万博レポーターを務めた。2025 大阪・関西万博では万博に関するイベントにゲスト参加するなど精力的に活動中。
世界各国・地域のシンボリックなメニュー約70種類が登場!くら寿司 商品開発担当者に聞いた「本場らしさとおいしさへのこだわりの裏側秘話」
くら寿司は、大手回転寿司チェーンで唯一、全店で回転ベルトを使用して寿司を提供しています。大阪・関西万博では、「回転ベルトは、世界を一つに。」をコンセプトとした店舗を出店。お寿司をはじめ、2025年 大阪・関西万博に参加する国や地域のシンボリックなメニュー約70種類が登場します。メニュー開発においては、24カ国の駐日大使館など、本場の味を知る皆さまからのご意見やアドバイスをもとに改良。各国・地域の食文化を反映した本格的な味わいを再現しました。また「ハンズ・ハンズPROJECT」の一環として、全国約550のくら寿司店舗では、特別メニューのうち、1店舗につき1商品を提供しています。特別メニューを手掛けるのは、くら寿司商品開発部 中村重男が率いるプロジェクトチームです。
――世界の国・地域の代表的な料理、約70種類を開発された経緯を教えてください。
くら寿司 大阪・関西万博店で、世界の国・地域の味を提供することが決まったのは約1年前の2024年1月です。店舗のコンセプトは「回転ベルトは、世界を一つに。」。日本のお寿司と世界の料理をレーンに流すことで、日本と世界をつなげようという想いでプロジェクトがスタートしました。当初は、各国の料理をシャリに乗せたお寿司を考案。161の国・地域それぞれの料理を3品ずつ、483品を試作しました。しかし、同年夏、社長を含めた試食会で、「シャリとの相性を優先すると、本場らしさが損なわれる。本場の味を提供するなら、インパクトの強さを狙いたい。お寿司ではなくサイドメニューとして開発しよう」と決まりました。
まず取り掛かったのは、各国・地域のメニューの選定です。「地球の歩き方」のグルメ図鑑シリーズを読み込み、料理をピックアップしました。おいしそうなメニューでも、レーンに流すため冷めてもおいしく食べられることが前提となります。また、全国のくら寿司約550店舗でも提供するため、店舗での調理が難しい、オーブンを使う料理や煮込み系の料理は除き、約70種類に絞り込みました。
一番大変だったことはレシピ開発です。約70種類をピックアップしたものの、私自身は見たことも聞いたことも、もちろん食べたこともない料理が約50種類もありました。マニアックな料理が多く、インターネットではレシピをなかなか見つけられません。そこで、各国の郷土料理研究家のレシピ本を参考にして試作したり、現地の料理が食べられるレストランを巡って味を確かめたりし、開発を進めました。
――本場の味を再現するため、各国の大使館を訪問されたとお聞きしました。
本場の味を追求しよう、たくさんのお客さまにおいしいと喜んでいただけるようにしようと思い、大使館をはじめ多くの方々に協力をいただきながらメニュー開発をしてきました。具体的には、24の大使館を訪問し、大使やシェフに試食をお願いしました。おおむね好評をいただき、ボリビア多民族国の料理で、トマトチリソースをかけたスパイシーなチキン「ピカンテデポジョ」は、「故郷を思い出させる味」と、うれしい感想をいただきました。また、じゃがいもを使ったアイルランドの伝統的なパンケーキ「ボクスティ」は、大使を含め、職員の皆さんがおかわりされました。
特に試行錯誤を繰り返したのは、ペルー共和国の新鮮な魚介を使ったマリネ「セビーチェ」。「セビーチェ」は日本のさまざまなレストランでも提供されていますが、多くの場合はオリーブオイルが使われています。ペルーはホワイトアスパラガスの産地として有名なので、ペルー産のホワイトアスパラガスにニンニク、塩、オリーブオイルを合わせてみました。しかし、ペルー大使館にレシピを送ったところ、「ペルーでは、ホワイトアスパラガスもオリーブオイルも使用しない」と指摘を受けました。ペルー大使館のシェフにお聞きしたところ、本場では魚介を唐辛子と酸味をきかせたタレで和え、サツマイモとコーンを添えるそうです。シェフから教えてもらったレシピをもとに何度も試作を重ね、その都度、大使やシェフに試食していただきました。「セビーチェ」は最終的に、大使館の皆さまから「おいしい」とお墨付きをいただいた自信作です。
コロンビア共和国の料理で、トマトのサルサをかけたポテトフライ「パパクリオージャ オガオソース」は、大使館に「メニューを考案したのでレシピをチェックしてください」と打診したところ、大使館から「シェフが教えるので、大使館に来てほしい」と連絡がありました。シェフと一緒にキッチンに立ち、現地のトマトサルサソース「オガオソース」を直伝いただきました。「パパクリオージャ オガオソース」も、本場そのものの味わいの逸品です。
大阪・関西万博の情報を発信するYouTubeチャンネルの撮影では、スロバキア共和国とルーマニア出身の方に試食していただきました。スロバキア共和国の、チーズソースでいただく定番料理「カリフラワーナゲット」は、「お母さんが作るよりもおいしい」と、大絶賛をいただきました。また、サワークリームとジャムを使ったドーナツ「パパナシ」を試食されたルーマニアの方は、「おばあちゃんが作ってくれたパパナシと同じ味」と涙ぐんでいました。本場の方に味を認めていただいたことは私どもにとって自信となりました。
――食材のこだわりを教えてください。
くら寿司は、万博特別メニューを含め、全ての料理において、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を一切使用していません。味付けは塩、砂糖、酢を基本とし、各国・地域で使われる香辛料やハーブで本場らしさを表現しています。アジア料理は唐辛子やスパイス、中南米料理はクミン、ヨーロッパ料理はオレガノなどのハーブをプラスすることで、それぞれの料理の個性を際立たせました。見た目はもちろん、鼻からも、舌でも現地らしい香りを楽しんでいただけます。
――特別メニューは「くら寿司 大阪・関西万博店」だけでなく、全国約550店舗でも提供されます。このビッグ・プロジェクトを社内ではどのように進めてきましたか。
商品開発部は、リーダーの私を含め10人体制。メニューの開発のほか、原価計算、協力会社との連絡などを分担して行いました。多くの方々に、おいしいメニューを楽しく、安心してお召し上がりいただけるよう、広報部、食材を手配する購買部、セントラルキッチンを運営する製造部などとも連携。全社が一丸となり、プロジェクトを進めてきました。
最終的に、特別メニューの内容やレシピが決まったのは今年1月末。プロジェクトの発案から1年、約70種類のメニューをサイドメニューとしてラインアップすることが決定してからはわずか半年でした。社内での連携のスピーディーさを生かし、間に合わせることができました。
― ―パラオ共和国のおしるこ「アホ」は、大阪で親しみを込めて使われる「アホ」と言葉が共通していて、話題になっています。
国名:パラオ共和国 商品名:アホ
「アホ」は、 ネーミングのユニークさも考慮して選んだメニューの一つです。そのほか、パナマ共和国の「エンサラダデフェリア」、 ドミニカ共和国の「ペスカド・コン・ココ」も、つい声に出したくなるような楽しい名前ですよね。お客さまには「これ、何だろう」「珍しい名前の料理を、誰かに教えたい」と興味を持っていただけると思います。
――今回の万博をきっかけに、ブームになりそうなメニューはありますか。
ウルグアイ東方共和国の、クッキーでキャラメルクリームを挟んだお菓子「アルファフォーレス」、アラブ首長国連邦の、メロンパンのような外はカリカリで中はふわふわのパンに特製のコーヒー練乳ソースをかけた「パパロティ」は、味の重なり具合、食感、見た目のかわいらしさも日本人好みですので、話題になる可能性があると思います。流行を先取りしたい方はぜひお召し上がりくださいね。
――最後に、2025大阪・関西万博にお越しになるお客さまと、くら寿司ファンの皆さまへメッセージをお願いします。
「くら寿司 大阪・関西万博店」では、参加する国や地域のシンボリックなメニュー約70種類全てをラインアップ。くら寿司史上最多となる338の座席、および約135mの当社史上最長の回転ベルトを設置しています。当社が開発したさまざまな技術により大幅に進化した“スシテナブル”&最先端テクノロジーが詰まった店舗で、食によるプチ世界旅行をお楽しみいただけます。
また万博をひと足先に楽しんでいただく企画として、2月7日(金)から全国の約550店舗で、大阪・関西万博で提供する約70種類の特別メニューのうち、1店舗につき1メニューを提供しています。お近くの店舗を巡ったり、お目当てのメニューを求めてお出かけしたりと、全国のくら寿司でもプチ世界旅行をお楽しみいただけるとうれしいです。
ⓒExpo 2025
※ 「提供:2025年日本国際博覧会協会」のクレジットがある写真には記載をお願いいたします。提供:2025年日本国際博覧会協会
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 くら寿司株式会社
- 所在地 大阪府
- 業種 小売業
- URL https://www.kurasushi.co.jp/