紙チケットは”体験の証明”? デジタル時代の劇場体験を支える「紙」の価値
―「劇場・コンサートホール公演鑑賞者アンケート」調査結果を発表―
文化施設の運営・コンサルティング業務を展開するサントリーパブリシティサービス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:千大輔、以下 SPS)は、劇場・コンサートホールにおける公演鑑賞者を対象として、定期的にアンケート調査を実施しています。今回は有料公演を鑑賞した1,036名を対象に、観劇に関しての行動や意識の変化を探る市場調査を行いました。今回の調査から、デジタル化が進む現代においても、紙媒体は単なる情報伝達手段にとどまらず、「記憶に残る体験」を形作る要素として価値を生み出し続けていることが明らかになりました。
◆サマリー
①60代以上はメルマガや新聞、若年層はSNSを活用し情報収集。一方、チラシやポスターの活用率に世代差はなく、紙媒体は劇場での共通体験を生み出している。
②20代の60%以上が「紙チケットは記念になる」と回答。紙チケットは「体験の証明」としての役割を持ち、劇場体験の価値を高めている。
1.情報収集の多様化と劇場での共通体験
公演情報の収集方法について尋ねたところ、出演者や主催者の公式HP(36.7%)が最多で、出演者・主催者のSNS(26.5%)、施設HP(25.5%)が続きました。一方、チラシ(25.3%)の活用率も高く、デジタルと紙媒体が共存する状況が浮き彫りになりました。
また、この設問の回答数を世代別に見ると、若年層はSNSを主要な情報源としており、迅速かつ手軽に情報を得る傾向が強いのに対し、60代以上はメルマガや新聞を活用し、信頼性や詳細な情報を求める傾向が顕著でした。このように、年代ごとに情報収集方法に違いがある中、チラシやポスターの活用率には世代間での大きな差は見られませんでした。
特に劇場内では、来場者が共通の紙媒体に触れる機会が多く、事前に得た情報の補完だけでなく、新たな情報を得る手段としても重要な役割を果たしています。また、視覚的なインパクトを通じて、来場者の間で共通の体験を生み出す要素にもなります。デジタルツールは瞬時に広範囲へ情報を届け、最新情報の入手に優れる一方で、紙媒体は劇場ならではの空間体験を支えているのです。それぞれの特性を活かすことで、より豊かな劇場体験を生み出していると言えるでしょう。
2.デジタル化の中で紙チケットが持つ価値
チケット予約方法は、インターネット(89%)が圧倒的多数を占めるものの、特に60代以上においては対面でのニーズが根強く残っていました。発行方法は、コンビニ発券(42.8%)とオンラインチケット(42.6%)がほぼ同程度で、デジタル化が進みつつも紙チケットの需要が依然として高いことが明らかになりました。
中でも「紙チケットの方が記念になる」(42% )との理由で紙チケットを選ぶ人が多く、世代別で見ると 20 代の 60% 以上がこの理由を挙げています。ここで重要なのは、紙チケットが単なる入場券にとどまらず、いわば「体験の証明」としての価値を持っているという点です。例えば、 SNS でシェアされることを通じて、個々の劇場体験が “自分のコンテンツ”として広がり、体験価値が深まります。特にデジタルネイティブ世代である 20 代にとって、紙チケットは従来のデジタル体験とは異なる価値を持つ存在として認識されていることがわかります。このように、デジタルと紙の融合は現代の劇場体験において欠かせない要素となっており、今後も集客や体験価値向上を支える重要な手段としてさらに成長を続けるでしょう。
SPSは、2020年より劇場・コンサートホールに関する定期的なアンケート調査を実施しています。今後も公演鑑賞者からの貴重なフィードバックを収集し、文化施設の運営向上に役立てていきます。
調査結果全文をお知りになりたい方・クロスデータ等の活用方法は、弊社まで問い合わせください。
調査概要
調査目的:オンライン配信、チケット購入方法、公演を選ぶ際の基準や公演鑑賞前後の行動を調査する。
調査方法:2024年に一定回数の鑑賞行動があった層を対象に、オンラインアンケートを実施。
調査対象:全国4万人の中から「2024年にクラシック音楽、舞台芸術の有料公演を鑑賞したことがある」と回答した1,036名。
調査期間:2025年1月17日(金)~1月20日(月)
サントリーパブリシティサービス株式会社について
SPSは、1963年の創業以来、人と企業、人と文化、人と地域をつなぐ接点の場で、独自の価値を創造することに取り組んでまいりました。
ブランド創出やステークホルダーとの関係強化につながる工場見学・企業展示・企業受付・インフォメーション・コールセンターなどの30を数える企業施設の運営。人々の心豊かな生活と、地域の活性化に貢献する音楽ホールや美術館など50箇所の文化施設の運営。また、施設運営で培ったノウハウを元に、組織と人の成長を促す「研修企画・運営」、施設の価値創造・向上につながる「施設運営コンサルティング」業務を展開しています。
会社名 :サントリーパブリシティサービス株式会社
所在地 :東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア16階
代表者 :代表取締役社長 千大輔
URL :https://www.sps.sgn.ne.jp/
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- 名称 サントリーパブリシティサービス株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 企業向けサービス
- URL https://www.sps.sgn.ne.jp/
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