「タービー®皮下注3mg」、「同40mg」 再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を取得

タービー®は、投与前の調製不要なGPRC5DとCD3を標的とする世界で初めて承認された二重特異性抗体

Johnson & Johnson

 

 

 

「タービー®皮下注3mg」、「同40mg 再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を取得

 

タービー®は、投与前の調製不要なGPRC5DとCD3を標的とする世界で初めて承認された二重特異性抗体1
国際共同MonumenTAL-1 第II相試験、日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんにおいて 70%以上の全奏効率と持続的な奏効を示す2
Johnson & Johnsonとして、治療選択肢の限られた再発又は難治性多発性骨髄腫に対する 2つ目の二重特異性抗体

 

Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は24日、Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)及びCD3を標的とする二重特異性抗体「タービー®皮下注3mg」、「同皮下注40mg」[一般名:トアルクエタマブ(遺伝子組換え)、以下「タービー®」]について、「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能又は効果として、製造販売承認を取得しました。

 

タービー®は、T細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫における新規の標的で、多発性骨髄腫細胞表面に高発現するGPRC5Dに結合する二重特異性抗体です1。なおタービー®は、初回の導入期後は、週1回もしくは隔週に1回の皮下投与を行います。

 

今回の承認は、国際共同第I/II相MonumenTAL-1試験3,4及び国内第I相MMY1003試験5の結果に基づくものです。これらの試験においては、再発又は難治性の多発性骨髄腫の成人患者さんを対象に、タービー®の有効性及び安全性を評価しました。試験の結果、タービー®は、T細胞リダイレクト治療薬による治療歴の有無に関わらず、深く持続的な奏効及び良好な安全性プロファイルを示しました。

 

多発性骨髄腫は、依然として治癒困難な血液がんであり、再発を繰り返し、その度に別の治療を行わなければならなくなる患者さんが多くいます6,7。そして、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療が奏効する可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にあります8。

 

岩手医科大学 内科学講座 血液腫瘍内科分野 教授の伊藤薫樹先生は次のように述べています。「臨床試験の結果、T細胞リダイレクト治療薬による治療歴の有無に関わらず、前治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対しタービーで治療を行うことで、臨床的に意義のある有効性及び安全性プロファイルが確認されました。再発又は難治性となった患者さんの予後は不良であり、GPRC5DとCD3を標的とする二重特異性抗体として世界で初めて承認されたタービーが、治癒困難な多発性骨髄腫の患者さんにとって、新たな選択肢となることを大変嬉しく思います」

 

J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長であるクリス・リーガーは、次のように述べています。「この度承認を取得したタービーは、J&Jが多発性骨髄腫の治療薬として提供する2つ目の二重特異性抗体となります。これは、治癒困難な多発性骨髄腫におけるアンメットニーズに対処し、ポートフォリオを拡大するという当社の確固たる姿勢を示すものです。GPRC5Dという新しい抗原の発見を含め、更なる研究開発におけるブレイクスルーを追求し続けるとともに、がんの撲滅という目標に向け、治癒を目指した新しい治療薬の研究開発に引き続き取り組んで参ります」

 

 

MonumenTAL-1 試験について

MonumenTAL-1試験(第I相:NCT03399799 第II相:NCT04634552)は500人以上の多発性骨髄腫の患者さんを対象とする第I/II相、単群、非盲検、多施設共同、マルチコホート、用量漸増試験です3,4。第I相では、既存治療を行ったにも関わらず病勢進行した、又は忍容性のない成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、タービー®の安全性と有効性を評価しました1,3。第II相では、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の治療歴を有する、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、第I相試験で特定された推奨用量におけるタービー®の有効性を、全奏効率(Overall Response Rate:ORR)を主要評価項目として評価しました4。

MonumenTAL-1第II相において、隔週0.8 mg/kg皮下投与した時 (n=109)、追跡期間中央値12.3か月におけるORRは72.5%であり、完全奏効(Complete Response:CR)以上は40.4%でした。また、毎週0.4 mg/kg皮下投与した時 (n=122)、追跡期間中央値10.8か月におけるORRは73.0%、CR以上は27.9%でした。奏効は持続的で、時間の経過とともに深くなり、奏効持続期間(Duration of Response:DOR)は隔週0.8 mg/kg投与で中央値未達、毎週0.4 mg/kg投与で8.3か月でした。

MonumenTAL-1試験の日本人コホートにおいて、36例の日本人患者さんに毎週0.4 mg/kg投与した時 (n=36)、追跡期間中央値9.23か月におけるORRは77.8%、CR以上は47.2%でした。奏効は持続的でありDORは中央値未達でした。9か月時点でのDOR率、無増悪生存期間(Progression Free Survival:PFS)率、全生存期間(Overall Survival:OS)率は、それぞれ88.4%、77.0%、84.1%でした。

さらに、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の治療歴を有し、かつ二重特異性抗体やCAR-T細胞療法の治療歴を有する34例の患者さんにおいて、追跡期間中央値6.97か月におけるORRは64.7%、CR以上は26.5%でした。奏効は持続的でありDOR中央値は未達でした。

認められた主な有害事象は、サイトカイン放出症候群(76.1%)、味覚不全(71.1%)、爪の障害(55.5%)、皮膚障害(41.5%)、発疹(34.6%)、疲労(32.6%)、体重減少(32.6%)等でした。日本人患者さんにおける安全性に関する所見は海外コホートの結果と一貫しており、安全性に関する新たなシグナルは認められませんでした2。

 

MMY1003試験について

MMY1003試験(NCT04773522)は、第I相、単群、非盲検、多施設共同、マルチコホート、用量漸増試験です。本試験では、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む治療歴を有する、日本人成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、MonumenTAL-1試験の第I相で特定されたタービー®の推奨用量における安全性、忍容性及び有効性について評価しました5。

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄内でがん化し、骨髄腫細胞となり異常に増殖することで生じる、治癒困難な血液がんです9,10。日本国内における2020年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,300人11で、2023年の死亡者数は約4,300人11とされています。多発性骨髄腫は初期には無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球数の減少、疲労、カルシウム値の上昇や腎障害などの症状が現れる患者さんもいます12。

 

タービー®について

タービー®は、T細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫における新規の標的で、多発性骨髄腫細胞及び非悪性形質細胞の表面、また皮膚や舌の上皮細胞などの一部の正常組織の表面に高発現するGPRC5Dに結合する二重特異性抗体です。タービー®は、2024年3月、日本国内において希少疾病用医薬品の指定を受けています。また国外では、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象としたファースト・イン・クラスの二重特異性抗体として、2023年8月、米国食品医薬品局から迅速承認を取得し、欧州委員会から条件付き販売承認を取得しています。

 

Johnson & Johnson について 

Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について 

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。Johnson & Johnson Innovative Medicineは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。

 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びタービー®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。

基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。

リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。

これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。

これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。

 

 

1 TALVEY™ U.S. Prescribing Information.

 

2 トアルクエタマブ(遺伝子組換え)申請資料概要 

 

3 ClinicalTrials.gov Identifier NCT03399799. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03399799 Accessed April 2025.

 

4 ClinicalTrials.gov Identifier NCT04634552. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04634552 Accessed April 2025.

5 https://clinicaltrials.gov/study/NCT04773522?term=NCT04773522&rank=1 Accessed April 2025

 

6 Padala SA et al. Epidemiology, Staging, and Management of Multiple Myeloma. Med Sci (Basel). 2021;9(1):3.

 

7 Rajkumar SV, Kumar S. Multiple myeloma current treatment algorithms. Blood Cancer J. 2020;10(9):94.

 

8 Yong K et al. Multiple myeloma: patient outcomes in real-world practice. Br J Haematol. 2016;175(2):252–264.

 

9 Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.

 

10 American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: April 2025.

 

11 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1. Last accessed: April 2025.

 

12 American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: April 2025.

 

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