T&E報告書:バイオ燃料、代替する化石燃料よりも多くのCO2を排出
ブリュッセル--(BUSINESS WIRE)-- (ビジネスワイヤ) -- 新たに発表されたT&E(Transport & Environment)委託によるCerulogyの報告書によると、世界のバイオ燃料生産は、代替する化石燃料よりも平均で16%多くのCO₂を排出していることが明らかになりました。2030年までに需要が少なくとも40%増加すると見込まれる中、T&EはCOP30の国際的なリーダーたちに対し、環境に有害な“気候対策”の拡大を制限することを求めています。
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Image: T&E
こうした高い排出量は、主に作物由来バイオ燃料に関連する農業活動や森林伐採の間接的な影響によるものです。2030年までに、バイオ燃料による排出量は代替する化石燃料より7,000万トンのCO₂換算(MtCO₂e)多くなると予測されています。これは約3,000万台のディーゼル車の年間排出量に相当します。
現在、燃料として使用される作物の栽培には3,200万ヘクタール(イタリアとほぼ同じ面積)の土地が使われていますが、これで世界の交通エネルギー需要のわずか4%しか賄えていません。2030年にはこの面積が6割増の5,200万ヘクタール(フランスと同規模)に拡大すると見込まれています。
同じ土地は13億人分の食料を生産することが可能であり、そのわずか3%を太陽光パネルに充てるだけで、同等のエネルギーを生み出せるといいます。電気自動車は化石燃料車に比べてはるかに効率的であるため、その3%分の太陽光エネルギーで世界の自動車保有台数の約3分の1を動かすことができます。
T&Eのバイオ燃料担当キャンペーン担当、キアン・デラニーは次のように述べています。「バイオ燃料は気候対策として極めて不適切であり、土地・食料・多額の補助金を浪費しています。農業と自然の持続可能なバランスを保つことこそが気候危機への鍵です。作物を燃料として燃やす行為は、私たちを間違った方向に押しやってしまいます。各国政府は、作物由来のバイオ燃料ではなく再生可能エネルギーを優先すべきです」
分析によると、世界のバイオ燃料生産の90%はいまだに食料作物に依存しています。2023年には、バイオ燃料産業が1億5,000万トンのトウモロコシと1億2,000万トンのサトウキビおよびテンサイを消費しました。さらに、毎日1億本分の植物油ボトルが自動車で燃やされており、世界の植物油供給の5分の1が食料として使われないまま消費されている計算になります。これらすべての原料に含まれるエネルギーは、最大で13億人分の最低カロリー需要を満たせる量です。
T&Eの分析では、バイオ燃料作物の栽培には多量の淡水が必要であることも示されています。第1世代バイオ燃料で自動車を100キロメートル走行させるには、平均して約3,000リットルの水が必要となるのに対し、太陽光発電による電気自動車ではわずか20リットルで済みます。気候変動によって水資源への圧力が高まる中、T&Eはこの傾向が「災害を招きかねない」と警鐘を鳴らしています。
ブラジルは、世界最大のバイオ燃料生産国である米国に次ぐ急成長国です。同国は最近、アマゾンの森林破壊を抑制してきた「大豆モラトリアム」の停止を決定しました。カナダやインドも生産拡大を進めています。T&Eの分析は、既存の政府政策や戦略に基づいたものですが、海運や航空分野での代替燃料需要が急増すれば、さらに大きな需要拡大が見込まれるとしています。
T&Eのアジア太平洋地域政策・プログラムディレクターであるジュード・リーは次のように述べました。「日本がブラジルの 『バイオ燃料生産を4倍に拡大する』 という提案を支持していることは懸念されます。 パーム油や大豆油といった第1世代燃料を推進すれば、森林破壊と気候への悪影響が深刻化するおそれがあります。日本は、EUの『FuelEU Maritime』のような厳格な認証基準を持つ、廃棄物由来の先進的バイオ燃料に注力すべきです」
T&Eは各国政府に対し、土地開発や森林伐採を助長するバイオ燃料を気候政策から排除するよう求めています。公的資金は、「偽りの解決策」ではなく、賢明な電化・効率化・真に持続可能な代替手段に優先的に投資すべきだと同団体は訴えています。
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