早大理工・石渡研、染色体を輸送する分子モーターの運動を紡錘体内で捉えることに成功

早稲田大学

早稲田大学理工学術院の石渡信一教授らは、細胞分裂の際に染色体を輸送する分子モーターXkidの運動を、細胞分裂装置である紡錘体内で直接観察することに成功しました。

2013-10-02

早稲田大学広報室広報課

染色体を輸送する分子モーターの運動を紡錘体内で捉えることに成功

癌などにつながる染色体分配のメカニズムの解明に寄与―理工・石渡研

早稲田大学理工学術院の高木潤助手、板橋岳志講師、石渡信一教授らは、細胞分裂の際に染色体を輸送する分子モーターXkidの運動を、細胞分裂装置である紡錘体内で直接観察することに成功しました。Xkidは紡錘体内の微小管配向に応じた運動をしており、紡錘体内の微小管配向はXkidによる染色体の輸送に最適化されていることが分かりました。本研究の成果は細胞分裂における染色体分配の分子メカニズムの解明に大きく寄与することで、癌や先天的な病気の解明につながることが期待されます。

この研究は、科学研究費補助金の支援を受けて実施されました。この成果は論文「Chromosome position at the spindle equator is regulated by chromokinesin and a bipolar microtubule array(染色体の赤道面での整列は染色体結合キネシンと2極性の微小管配列により制御される)」として、ネイチャーパブリッシンググループのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました(9月30日付:日本時間10月1日)。

■Scientific Reports 掲載論文概要

論文題目:Chromosome position at the spindle equator is regulated by chromokinesin and a bipolar microtubule array

「染色体の赤道面での整列は染色体結合キネシンと2極性の微小管配列により制御される」

■著者:

高木潤 早稲田大学理工学術院助手

板橋岳志 早稲田大学理工学術院講師

鈴木和也 早稲田大学理工学術院博士後期課程3年・日本学術振興会特別研究員(DC1)

石渡信一 早稲田大学理工学術院教授 早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)所長

【リンク】

プレスリリースのページ http://www.waseda.jp/jp/news13/131001_chromosome.html

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プレスリリース添付画像

図1 紡錘体内におけるXkidの運動の軌跡

図2 Xkidの運動の領域依存性

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