トレンド総研:真夏の紫外線の脅威と紫外線対策に関する理解度に関するレポート

トレンド総研

2014/7/30

トレンド総研

梅雨明けで、いよいよ夏本番! 注意すべきは…紫外線!?

UV-A?UV-B? 真夏の脅威・紫外線を徹底解明

分かっているつもりは危険!? 求められる適切な眼の紫外線対策

気象庁は、2014年7月28日(月)に北陸地方と東北地方の梅雨明けを発表しました。これにより、日本全国で梅雨が明け、ついに“夏本番”を迎えます。このタイミングに合わせて、生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研(東京都渋谷区、URL:http://www.trendsoken.com/)は、真夏の紫外線の脅威と、紫外線対策への理解度について調べました。

今回の調査は、当総研が2014年5月15日(木)に発表した「スポーツイヤー・2014年と紫外線対策に関するレポート」(URL:http://www.trendsoken.com/report/health/619/)の結果を受け、紫外線対策の啓蒙のために行なう調査の第2弾です。

前回の調査では、スポーツイヤー・2014年に高まるスポーツ熱の実態とともに、スポーツ時の紫外線対策の重要性が明らかになりました。今回の調査では、夏の強い日差しと紫外線の関係を明らかにしつつ、その対策に対する一般の方の理解度について調べました。その結果、紫外線対策への人々の意識の高さが明らかになるとともに、誤解されがちなものとして浮かび上がったのが、眼の紫外線対策についてでした。

■ レポート内容

1. 7~8月がピーク! UVインデックスに見る、真夏の紫外線の脅威とは!?

2. 国立環境研究所・小野 雅司氏に聞く、紫外線に関する“8つのウソ・ホント”

3. 紫外線対策に関する理解度調査、勘違いが多いのは…「眼の紫外線対策」

■1. 7~8月がピーク! UVインデックスに見る、真夏の紫外線の脅威とは!?

日差しの強い夏。紫外線の影響も強くなることが予想されます。はじめに、夏の紫外線の強さについて調べてみました。

紫外線の強さを示す指標はいくつかありますが、気象庁が紫外線による健康被害への対策を促すために発表しているのが、「UVインデックス」です。その大きさは、紫外線の人体への影響の度合いを示します。

そこで、気象庁が発表しているデータをもとに、那覇、つくば、札幌の3地点について、UVインデックスの大きさを月ごとに比較しました。2005年~2013年における「1日の時間毎の観測の内、最大となるUVインデックスの値」の各月の平均値を比べたところ、3地点ともに、7月~8月にUVインデックスのピークを迎えることが分かりました。最大値は、つくばでは8月、札幌と那覇では7月と、若干の違いはあるものの、真夏の紫外線の脅威が明らかになったと言えるでしょう。

UVインデックスが示すのは、紫外線による人体への影響の大きさです。これから迎える夏には、改めて紫外線対策への意識を高めなければなりません。

※「UVインデックス」とは

近年、紫外線(UV)を浴びすぎると皮膚がんや白内障になりやすいことが明らかになっていること、および、オゾン層破壊により地上に到達する紫外線が増加していることを受けて、世界保健機関(WHO)が紫外線対策の実施に活用することを推奨している紫外線の強さを表す指標。紫外線の人体への影響の度合いを分かりやすく示しているのが、特徴。

こうした背景を受けて、気象庁では、2005年より、日々の紫外線対策を効果的に行なえるように、このUVインデックスを用いた紫外線情報を提供している。(URL:http://www.jma.go.jp/jp/uv/

■2. 国立環境研究所・小野 雅司氏に聞く、紫外線に関する“8つのウソ・ホント”

こうした夏の紫外線の強さについて、今回トレンド総研では、独立行政法人 国立環境研究所の小野 雅司氏に取材を依頼しました。環境が与える人体、健康への影響を専門に研究されている小野氏。環境省が紫外線に関する情報をまとめた「紫外線環境保健マニュアル」では、編集委員会の委員長も務められました。

今回、小野氏には、夏の紫外線が人体へ及ぼす影響の大きさやその対策について聞きました。また、今回の取材に当たり、トレンド総研では、「紫外線対策に関する8つの情報」をピックアップ。これらの情報の正誤について、小野氏に解説いただきました。

◆ 紫外線が人体へもたらす影響は… 夏に最大化するUVインデックスと紫外線対策の重要性

Q. 真夏の紫外線の影響について、お教え下さい。

太陽の紫外線は、波長の長い方から、UV-A(A領域紫外線)、UV-B(B領域紫外線)、UV-C(C領域紫外線)の3つに分類されます。波長が短いほど紫外線の人体への有害度は大きいのですが、最も有害度の大きなUV-Cは、成層圏オゾン層に吸収されるため、地表には到達しません。一般に有害紫外線と呼ばれ、皮膚や眼に非常に有害なのがUV-Bです。一方、波長の長いUV-Aは、UV-Bほど有害ではないものの、UV-Bと比べてエネルギー量が圧倒的に大きいこともあって、長時間浴び続けた際には健康への影響が懸念されます。

実は、太陽から降り注ぐ紫外線の量は、夏至の頃に最大化します。UV-Aについては、この夏至の前後に最も多く地表に降り注ぎます。一方で、紫外線から私たちを守ってくれる成層圏オゾン層の厚さは、一定ではありません。春から初夏にかけて最も厚くなり、より薄くなる夏から秋にかけては、紫外線の吸収量が減ってしまいます。そのため、その多くが成層圏オゾン層に吸収されるUV-Bは夏至を過ぎ、7月~8月に地表に降り注ぐ量が最大化するのです。

紫外線の人体への影響は、これらのUV-AとUV-Bの影響を総合的に評価しなければなりません。その指標となるのが、UVインデックスです。UVインデックスは、波長の長さによる紫外線の人体に与える影響を考慮した上で算出します。地表に届くUV-AとUV-Bに波長ごとの人体への影響により重み付けすることにより、人体への影響を考慮した紫外線の強さを表すのです。

このUVインデックスがピークを迎える夏は、紫外線による人体への影響が大きくなる季節。そのため、紫外線対策が欠かせません。正しい理解のもと、適切な紫外線対策を行なうようにしましょう。

◆ 求められる真夏の紫外線対策、その影響を90%カットするのは…、UVカット機能付きのサングラス

Q. 夏の紫外線対策について、お教え下さい。

紫外線の人体への影響は多岐にわたります。紫外線を浴び過ぎれば、日焼け、しわ、シミなどの原因になるだけではなく、良性・悪性の腫瘍や皮膚ガンのリスクが高まります。また、その影響は、皮膚だけにとどまりません。眼に紫外線を浴び続ければ、白内障や翼状片といった眼の病気のリスクが高まるということもわかっています。こうした幅広い影響を考慮して、適切な紫外線対策を行なわなければなりません。

前述のUVインデックスでは、その値が3.0を超えた際には、紫外線対策を行なうことが推奨されます。UVインデックスが6.0を超えると、「紫外線が強い」ということを意味します。気象庁のデータでは、8月のつくばでは、平均で7.0を超えるような値を示すそうですので、日中に外出する際は、日頃からきちんと紫外線対策を行なう必要があるでしょう。さらに、「紫外線が非常に強い」とされる、UVインデックスが8.0を超えるような日に外出するのであれば、必ず紫外線対策を行なうようにして下さい。

また、夏休みのこの時期にはスポーツをする人も多いかもしれませんが、屋外でのスポーツには注意が必要でしょう。暑い季節なので、長袖のシャツを着るのは難しいかもしれません。そのため、日焼け止めを使うなど、きちんと対策を行なうべきです。また、眼の紫外線対策も忘れてはいけません。帽子を着用するだけでも、眼への紫外線への影響は20%ほどカットすることができます。UVカット機能を備えたサングラスを着用すれば、その影響を90%までもカットすることも可能です。

真夏には、熱中症などの対策とともに、紫外線対策も忘れずに行なうようにしましょう。

◆ 間違った紫外線対策には要注意! 紫外線対策に関する8つの“ウソ・ホント”

Q. 今回、当総研でピックアップした8つの紫外線対策に関する情報について、その正誤をお教え下さい。

(1) 紫外線も身体に悪い影響ばかりではない …【正しいです】

紫外線には、ビタミンDの生成を助ける機能があります。もちろん、紫外線を浴びる量については、悪影響が出ない範囲にしなければなりません。しかし、一定の紫外線を浴びることにより、人体に必要なビタミンDが体内で生成されます。食事によるビタミンD摂取が不足している人で、紫外線をほとんど浴びない人(特に、高緯度地域)では、ビタミンD不足が起きることがあります。日本でも、紫外線(日光)曝露を極端に嫌う妊婦さんや母親でビタミンDが不足し、このような母親の母乳で育てられた小児の骨形成に異常が生じることが指摘されています。

(2) 日焼けは健康的である …【誤りです】

日焼けというのは、皮膚が炎症を起こしていることを指します。確かに、日焼けには紫外線曝露を防ぐ効果もありますが、その効果はわずかで、害の方が大きいと考えられています。少し意味合いは異なりますが、世界保健機関(WHO)では、18歳未満の人が日焼けサロンを利用することを禁止しています。

(3) 海水浴時など、海の中では、水により紫外線の影響を和らげることができる …【誤りです】

一定深度以上であれば紫外線は到達しませんが、通常の海水浴では日常生活以上に紫外線を浴びています。さらに、海水浴では、水着のため普段の服装より肌の露出が圧倒的に多い状態で長時間過ごしますので、より紫外線を浴びやすい状態だと言えるでしょう。

(4) 日本では、6~8月に最も紫外線が強くなる …【正しいです】

UV-Aは夏至前後が最も強くなりますが、UV-B、UVインデックスは7月~8月に最も強くなります。

(5) 日本では、地上で観測される紫外線の量が増加傾向にある …【正しいです】

理由としては、気象条件の変化(晴天日の増加など)などが考えられています。日本ではオゾン全量は回復(増加)しており、オゾン全量が減少しているためではないことには、注意が必要です。

(6) 眼も日焼けすることがある …【正しいです】

強い紫外線を浴びた結果、眼がひどい日焼けをしてしまうと、紫外線角膜炎という症状を起こします。スキーの時など、紫外線の反射が強い雪面で起きる、いわゆる“雪目”がこの症状に当たります。昼間に紫外線に浴びた場合、夜から深夜、あるいは、翌朝にかけて発症し、膜(白目)の充血、異物感、流涙がみられます。ひどくなると強い眼痛を生じることもあります。

(7) UVカットの機能を備えていないサングラスでも、しないよりはした方が良い …【誤りです】

サングラスをかけていると、光を取り入れるために瞳孔が大きく開きます。そのため、サングラスを通過した紫外線の影響は、普段よりも強くなってしまいます。本人は紫外線対策を行なっているつもりが、逆効果にもなりかねません。紫外線対策の際には、UVカットの表示をきちんと確認すべきでしょう。

(8) UVカットのコンタクトレンズで、眼に対する紫外線の影響の大半を予防することができる …【誤りです】

コンタクトレンズでは、白目の部分を守ることができません。眼の紫外線対策を行なう際は、白目を含めた眼全体を紫外線から守ることが必要です。

◆小野 雅司(おの まさじ)プロフィール

-研究者・保健学博士-

独立行政法人 国立環境研究所 環境健康研究センターフェロー。

有害紫外線や熱中症、大気汚染など、環境が人体、健康へ及ぼす影響に関する研究を行なう。

現在は、環境省のプロジェクト「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に従事。

東京大学大学院 医学系研究科保健学専攻 博士課程修了後、

国立公害研究所 環境保健部に所属。

主任研究員を経て、室長を務めた後、2009年に定年退職。2010年より現職。

独立行政法人 国立環境健康研究 HP URL:http://www.nies.go.jp/index.html

■3. 紫外線対策に関する理解度調査、勘違いが多いのは…「眼の紫外線対策」

独立行政法人 国立環境研究所の小野 雅司氏への取材では、真夏の紫外線による影響の大きさやその対策の重要性について明らかになりました。それでは、こうした夏の紫外線対策の重要性について、一般の方はどの程度理解ができているのでしょうか。より紫外線対策が必要な人として、「習慣的にスポーツを行なっている」という500名を対象にアンケート調査を実施、その実態について調べてみました。

[調査概要]

調査名:夏の紫外線への理解と紫外線対策実態に関する調査

調査対象:事前調査で「習慣的にスポーツを行なっている」と答えた20代~40代の男女 500名

(※性別・年代別に均等割り付け)

調査期間:2014年7月10日(木)~2014年7月14日(月)

調査方法:インターネット調査

調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

◆ 理解度のギャップが大きい「眼の紫外線対策」、大切なのは…UVカット機能の付いたサングラス

紫外線対策に関する理解度を探る今回の調査では、はじめに、小野氏に解説いただいた、「紫外線対策に関する8つの“ウソ・ホント”」について、その正誤を二択で答えてもらいました。

[紫外線対策に関する8つの“ウソ・ホント”]

(1) 【正】紫外線も身体に悪い影響ばかりではない

(2) 【誤】日焼けは健康的である

(3) 【誤】海水浴時など、海の中では、水により紫外線の影響を和らげることができる

(4) 【正】日本では、6~8月に最も紫外線が強くなる

(5) 【正】日本では、地上で観測される紫外線の量が増加傾向にある

(6) 【正】眼も日焼けすることがある

(7) 【誤】UVカットの機能を備えていないサングラスでも、しないよりはした方が良い

(8) 【誤】UVカットのコンタクトレンズで、眼に対する紫外線の影響の大半を予防することができる

これら8つの“ウソ・ホント”について、正しく正誤を答えることができた人の割合、正答率を比較してみたところ、半分の4つの項目については、正答率は8割以上。正答率が50%を下回ったものも1項目のみにとどまりました。本調査では、「習慣的にスポーツを行なっている人」と、日頃から紫外線対策に取り組む機会の多い人を調査対象にしたこともあり、紫外線対策への意識の高さを垣間見ることができました。

その一方で特徴的な結果となったのが、眼に関する紫外線対策についてです。今回の調査で最も正答率が高かったのは、94%が正解した「眼も日焼けすることがある」でした。眼にも紫外線対策が必要であることは、広く理解されていると言えるでしょう。しかし、その一方で正答率が低かったのも、眼の紫外線対策に関する2項目という結果になりました。特に、「UVカットの機能を備えていないサングラスでも、しないよりはした方が良い」については、正しく回答できた人は、わずか29%。7割以上の人が、誤った理解をしているのが現状です。

サングラスによる紫外線対策は、UVカットの機能を備えたものを選ばなければ、むしろ逆効果になりかねません。ただ、小野氏も取材の中でおっしゃっていましたが、UVカットのサングラスを選びさえすれば、眼への紫外線の影響は90%までもカットすることが可能です。多くの人が必要性を認識している眼の紫外線対策については、改めて正しい情報を伝える必要性があると言えるでしょう。

◆ スポーツイベントで盛り上がる2014年! 高まるスポーツ熱の実態が明らかに

こうした眼の紫外線対策への理解度の低さを物語っているのが、次の調査結果です。「これまでにスポーツ時に行なったことがある紫外線対策」を複数回答形式で答えてもらったところ、上位3項目は「帽子」(58%)、「スポーツサングラス」(33%)、「ファッションサングラス」(30%)。「スポーツサングラス」がわずかに上回ったものの、僅差で「ファッションサングラス」が続きました。

スポーツ時の紫外線対策にも効果的に設計された「スポーツサングラス」に比べ、「ファッションサングラス」の中には、十分なUVカット効果が備えられていないものもあります。前述の結果と合わせてみると、人々の中に「ファッションサングラスでも、使わないよりはマシ」という意識が少なからずあることは否定できず、今後、改善が期待されるところと言えるでしょう。

ところで、そのスポーツサングラスですが、耐久性や衝撃吸収性、運動時のズレ対策など、スポーツ時に優位な点は非常に多いです。スポーツ時に適切な紫外線対策をしたいのであれば、必要不可欠なアイテムと言えるかもしれません。そして、こうしたスポーツサングラスの優位性については、習慣的にスポーツをされている方であれば、ある程度すでに認識されているところのようです。

実際に、複数回答形式で「スポーツ時に効果的だと思う紫外線対策」をたずねると、「帽子」(52%)、「UVカットのコンタクトレンズ」(36%)、「日傘」(36%)といった回答をおさえて、62%が答えた「スポーツサングラス」が最多の回答となりました。さらに、今回の調査の最後において、眼の紫外線に対するリスクや、誤りがちな紫外線対策について伝えたところ、「正しい眼の紫外線対策を行いたいと思う」と改めて回答した人は89%にのぼります。

紫外線の人体への影響が強まる夏。今夏、スポーツをする予定がある人は、これを機に改めて自身の紫外線対策について振り返ってみてはいかがでしょうか。その上で、スポーツサングラスをはじめとする、適切な紫外線対策に取り組んでもらえればと思います。

トレンド総研(http://www.trendsoken.com/

担当:川浦 真吾

TEL:03-5774-8871

FAX:03-5774-8872

mail:info@trendsoken.com

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