世界一賃料が高いブランド街、ニューヨークが香港を抜くー銀座は7位 リテール不動産年次レポートー
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは本日、フランス・カンヌで開催されているMAPIC(国際リテール不動産見本市)において世界のブランドショップ街の賃料動向に関する年次調査レポートを公表しました。ニューヨーク・五番街中心部の賃料は、坪あたり月額約114万円に達し、世界一となりました。
2014年11月19日
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
世界一賃料が高いブランド街、ニューヨークが香港を抜くー銀座は7位 リテール不動産年次レポートー
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(米国・ニューヨーク 以下「C&W」)は本日、フランス・カンヌで開催されているMAPIC(国際リテール不動産見本市)において世界のブランドショップ街の賃料動向に関する年次調査レポート「Main Streets Across the World 2014-2015」を公表しました。
1988年にはじまったこの調査は、世界65カ国330地点の一等地のブランド街を賃料水準(注)に基づいてランク付けし、世界のリテール不動産市場動向の指標となるものです。本レポートの要約は以下のとおりです。
(注)2014年9月末時点の賃料。以下、文中の%表示は前年同期比の現地通貨ベースの賃料上昇率を意味します。
●ニューヨーク・五番街中心部の賃料は、本調査開始以来世界ではじめて1平方フィートあたり年額3,500米ドル(坪あたり月額約114万円)に達し、世界で最も賃料が高いブランド街となりました。
●香港・コーズウェイベイ(銅鑼湾)は6.8%減少して2位でした。
●東京・銀座は円建てでは6.9%上昇したものの5位から7位に後退しました。
●全世界の一等地のショッピングエリアの賃料は、この1年間で平均2.4%上昇しました。
●地域別では米州地域(南北アメリカ)が昨年と同じ5.8%の上昇率で最も力強い成長を示し、アジア太平洋地域は3.6%、ヨーローパ中東アフリカ地域は1.3%(うちヨーロッパは2.3%)でした。
世界中の一等地の賃料は、持続性はあるものの全体的に回復ペースは遅く、2014年9月までの1年間の平均上昇率は2.4%でした。この低い平均上昇率にもかかわらず、調査対象となった330地点のうち277の地点の賃料が上昇乃至横ばいでした。
C&Wリテール部門のグローバルヘッドであるジョン・ストラチャンは次のように述べています。「ニューヨークは、五番街中心部で歴代最高の賃料を記録して2011年以来再び、世界で最も賃料が高いショッピングエリアに返り咲きました。メジャーブランドが主要都市のプレミア・アドレスを求めて競い合うため、グローバルゲートウェイ市場の賃料は上昇し続けます。」
C&Wリテール部門・アジア太平洋地域ヘッドのジェームズ・ホーキーは次のように述べています。「ニューヨークに首位の座を譲ったものの香港・コーズウェイベイは、依然として世界第2のブランド街です。しかし2014年、リテーラーは売上の減速と中国本土からの来訪者の減少に直面し、香港での拡大には注意深くなりました。高級ブランドは慎重姿勢で、とりわけ時計・宝飾品業者はこのセクターのマイナス成長を見て新規出店を絞りました。主要な地元業者の中には、休日の売上が減ったところもあります。9月下旬からはじまった香港での抗議デモにより主要な中心商業地域-特にコーズウェイベイや今なお学生が主要道路を封鎖しているモンコック(旺角)-においてマインドが一段と弱まりました。」
日本のリテール部門責任者のディレクター・須賀勲は、東京のリテール不動産市場について次のように述べています。「銀座は順位こそ下げたものの賃料は堅調に上昇しています。東京の主要商業地の路面店舗および百貨店などの商業施設では訪日観光客の増加による消費拡大が続いています。この「インバウンド」の取り込みが百貨店やショッピングセンターなどの新たな重点戦略となっており、実際、銀座をはじめ主要商業地で大型免税店を導入する動きが顕著です。リテール物件の売買マーケットにおいても円安基調の中で海外マネーの流入が確認されています。」
最後にC&W・シニア投資アナリストのマーティン・マハムティは次のように述べています。「メジャーブランドがフラッグシップのコンセプトを作り直し、デザイン、レイアウト、コンテンツやサービスを試みるトレンドは、主要なゲートウェイ都市の市場にインパクトを与え続けており、今後とも市場の成長に影響を及ぼす重要な要素です。世界の一部の地域、特にアジア太平洋地域とユーロ圏では依然として経済情勢が不透明ですが、それにもかかわらずリテール市場の活動は今後上向くと予想されます。リテーラーがプレゼンスを確立し、そのブランドの認知度向上に注力するため、高級ショッピングエリアには高い需要がある一方で供給は相変わらずタイトなままであるためです。オンライン・ショッピングの成長は、ビッグブランドに有利になる市場の二極化を支え、ますますリテーラーの拡大戦略を牽引します。それと同時にローカルな市場に構造的な影響を与えます。」
レポート原文および各地域の詳細な情報はこちらをご覧ください。(英文のみ)
http://www.cushmanwakefield.com/en/research-and-insight/2014/main-streets-across-the-world-2014/
以上
■レポートに関するお問合せ先
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社 リテールサービス・チーム
●須賀 勲 Isao.Suga@ap.cushwake.com 03-3596-7033
<プロフィール>ディレクター。当社入社前は三井不動産にて東京ミッドタウンやららぽーとなど商業施設事業拡大に貢献。 現在、ブランドレプレゼンテーション、リーシング分野での拡大およびC&Wグループのグローバル・リテール・ネットワークを活用したわが国リテーラーの海外進出支援を担う。
●工藤 浩樹 Hiroki.Kudo@ap.cushwake.com 03-3596-7074
<プロフィール>アソシエイトディレクター。日本における商業用不動産の専門家として20年を超える経験。リテールサービスにおいては、日本に進出・拡張を計画する外資系リテーラーのインバウンド・ビジネスをサポート。また、日系デベロッパーの海外進出に合わせ、アジア地区へのショッピングモール進出計画に現地法人と連携してサポートした経験を有する。
■クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は1917年ニューヨークで創業した、世界有数の総合不動産サービス会社です。全世界約60カ国におよそ250の拠点、16,000名以上のプロフェッショナルを配置しています。
リテールセクターに関してC&Wがご提供しているサービスはこちらをご覧ください。
http://www.cushmanwakefield.jp/ja-jp/services/global-retail-services/
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 不動産業
- URL https://cushmanwakefield.com
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