機械学習で抵抗変化型メモリ(ReRAM)の エラーを予測、メモリの寿命を13倍に向上
2015年5月21日
中央大学
機械学習で抵抗変化型メモリ(ReRAM)の エラーを予測、メモリの寿命を13倍に向上
機械学習を用いて抵抗変化型メモリ(ReRAM)のエラーを予測し、寿命(書き換え可能な回数)を13倍に増加させることに成功しました。携帯電話からデータセンタのストレージ(記憶装置)までフラッシュメモリを記憶媒体とするSSDが幅広く使われています。フラッシュメモリは容量が大きい利点があるものの、書き換えが1ミリ秒(10-3秒)と遅いという問題があります。一方、ReRAMは100ナノ秒(10-9秒)と、フラッシュメモリの1万倍も高速に書き換えが可能という特徴がありますが、多くの書き換えを繰り返すと、データを記憶するメモリセルが不良し、記憶したデータが破壊されるという問題がありました。今回、機械学習のアルゴリズムを用いて、ReRAMのメモリセルの過去の履歴から将来の疲労を予測し、完全に誤動作してしまう不良のメモリセル(ハードエラー)と、誤動作した後に書き換えると正常動作に復帰するメモリセル(ソフトエラー)を判別する方法を開発しました。将来、不良になるメモリセル(ハードエラー)を事前に予測することが可能になりました。そして、実際に不良が起こる前に、不良になるメモリセルを正常なメモリセルに置き換えることで、不良を未然に封じ込めることに成功しました。この技術により、ReRAMの寿命(書き換え可能な回数)を従来の13倍に延ばすことに成功しました。ReRAMを携帯端末や車、データセンタのストレージとして使うことで、高速かつ高信頼にデータを記憶、処理することが可能になり、自動運転、インダストリ4.0などの高速でリアルタイムな応答ができるサービスが実現することが期待されます。
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