日本で開発中のC型肝炎治療について、代償性肝硬変を含むC型慢性肝炎患者さんを対象とした新規データを発表

アッヴィ

2015年5月27日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、日本で開発中のC型肝炎治療について、代償性肝硬変を含むC型慢性肝炎患者さんを対象とした新規データを発表

● 日本肝臓学会総会においてGIFT-I試験の新規データを発表

● 日本人ジェノタイプ1b型C型慢性肝炎患者さんにおけるSVR12率は95%(主要評価項目)、代償性肝硬変患者さんにおけるSVR12率は91%(副次的評価項目)

● 二重盲検下で12週間プラセボ投与した後、アッヴィが開発中のC型肝炎治療を非盲検下で実施した結果、C型慢性肝炎患者さんの98%でSVR12を達成1

● 日本人ジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者さんを対象としたアッヴィのリバビリンを使用しない治療法は、2種の直接作用型抗ウイルス剤オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの固定用量を1日1回12週間併用投与

イリノイ州ノースシカゴ、2015年5月26日 - アッヴィ(NYSE:ABBV)は、熊本県で開催された日本肝臓学会総会において、開発中の経口薬のみによるインターフェロン(IFN)およびリバビリン(RBV)非併用での2種の直接作用型抗ウイルス剤であるオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルに関する第III相GIFT-I試験で新たに得られた結果を公表しました(1)。GIFT-I試験には、ジェノタイプ1b(GT1b)型C型慢性肝炎患者さんで、未治療、または過去にRBV併用もしくは非併用下でIFN治療を受けた非肝硬変群および代償性肝硬変群が含まれます1。サブグループの一つ、すなわち未治療のIFN治療に適格で高ウイルス量のGT1b型C型慢性肝炎成人患者さんにおける投与12週後のウイルス学的著効率(SVR12)は95%(n=106/112)であり、GIFT-I試験の主要評価は達成されました(1)。また、副次的評価結果として、GT1b型C型代償性肝硬変患者さんのSVR12は91%(n=38/42)でした。

Intent-to-treat(ITT)集団での解析においては、GT1b型C型慢性肝炎患者さんで、最初の12週間は二重盲検下でプラセボに無作為割付けし、その後は非盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルを投与した患者群(B群)のSVR12は98%(n=104/106)でした(1)。ITT集団には、プラセボに無作為割付けし、非盲検下で実薬(オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル)を少なくとも1回投与したすべての患者さんが含まれました。

広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 消化器・代謝内科学 教授 茶山 一彰先生は次のように述べています。「日本におけるC型慢性肝炎、なかでも国内で最も多い同疾患のサブタイプであるGT1b型の治療ニーズに応えることは重要です。GIFT-I試験の結果は、本治療により代償性肝硬変患者さんを含む、日本人GT1b型C型慢性肝炎患者さんが高いSVR12率を達成する可能性を示すものです」

全治療群のうち、有害事象により治療を中止したのは3例(n=3/363)でした(1)。また、最も多く認められた有害事象(いずれかの群で5%超)は、鼻咽頭炎、頭痛、末梢性浮腫、悪心、発熱、および血小板数減少でした(1)。

当社医薬品開発部門担当バイスプレジデントのスコット・ブルン(M.D.)は、次のように述べています。「GIFT-I試験の全結果の公表により、日本当局による優先審査中の当社のC型肝炎治療に関する見識がさらに深まることを喜ばしく思います。医師の皆さんは、C型肝炎の新たな治療方法を探し求める一方、患者さんにとってのリスクとベネフィットを比較検討されていることと思います。今回のデータは、医師の皆さんのご判断の一助となり、日本人GT1b型C型慢性肝炎患者さんに、IFNおよびRBVを併用しない治療をお届けするという当社の目標の支えとなるものです」

日本では、C型慢性肝炎の患者数は約150~200万人に上るとみられています(2) 。GT1型は日本で最も多いサブタイプであり、患者さんの60%~70%を占め、その約95%がGT1b型です(3) 。アッヴィでは、GT1b型の高感染率をはじめとする日本特有の患者特性とウイルス特性を考慮し、2種の直接作用型抗ウイルス剤によるRBV非併用の治療方法を開発しています。

アッヴィは、2種の直接作用型抗ウイルス剤オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル の開発を行っており、現在、日本の厚生労働省で優先審査中です。

GIFT-I試験について

GIFT-I試験の対象は、2つのサブ試験に参加した363名の患者さんです。サブ試験1では、GT1b型の非肝硬変患者さんで、未治療、または過去にRBV併用もしくは非併用下でIFN治療を受けたことのある321名を対象とし、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル群(A群)またはプラセボ群(B群)に2:1の割合で無作為割り付けしました(治療歴、過去の治療への反応、ウイルス量およびIFN治療の適格の有無で層別化)。当初、プラセボに割付けられた患者さん(B群)は、その後の12週間、非盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの併用療法を受けました。有効性の主要評価項目は、サブグループの一つ、未治療のIFN治療に適格で高ウイルス量(HCV RNA量が100,000 IU/mL以上)を示すGT1b型C型慢性肝炎例において、二重盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルが少なくとも1回投与された患者群でのSVR12率でした(1)。

サブ試験2では、GT1b型C型代償性肝硬変の患者さんで、未治療または過去にRBV併用もしくは非併用下でIFN治療歴を有する42名を対象とし、オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルによる非盲検下での治療を12週間実施しました(C群)。副次的評価項目として、このC群でのSVR12率が評価されました(1)。

投与中のウイルス学的治療不成功は、A群0.5%(n=1/215)、B群0.9%(n=1/106)、C群2.4%(n=1/42)であり、各群1例(n=3/363)に認められました(1)。投与終了後の再燃は全3群中8例(n=8/354)に認められ、A群2.4%(n=5/209)、B群1.0%(n=1/105)、C群5.0%(n=2/40)でした(1)。

アッヴィにより開発中の2種の直接作用型抗ウイルス剤について

日本におけるGT1b型C型慢性肝炎の治療では、アッヴィが開発している2種の直接作用型抗ウイルス剤オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(25/150/100 mg)を固定用量で1日1回併用投与します。

アッヴィのC型慢性肝炎治療は2種の直接作用型抗ウイルス剤を併用するものであり、ウイルスの複製過程においてそれぞれ異なる作用機序で特異的HCVタンパク質を阻害します。

日本におけるアッヴィのC型肝炎臨床開発プログラムについて

日本におけるアッヴィのC型肝炎臨床開発プログラムは、開発中の2種の直接作用型抗ウイルス剤に重点を置き、1b型以外のジェノタイプを有する患者さん、および代償性肝硬変患者さんを含むC型慢性肝炎患者さんにおいて高いSVR率を達成することを目標としています。

パリタプレビルは、アッヴィとEnanta Pharmaceuticals社(NASDAQ:ENTA)との提携のもと、現在も進行中のHCVプロテアーゼ阻害剤、およびプロテアーゼ阻害剤を含むレジメンの共同研究において発見されました。パリタプレビルは、アッヴィで開発中のその他のC型肝炎治療薬との併用を目的として開発が進められてきました。

オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルは開発段階の薬剤であり、日本での安全性および有効性は確立されていません。

アッヴィの日本でのC型肝炎臨床開発プログラムに関する追加情報は、http://www.clinicaltrials.govで入手できます。

アッヴィについて

アッヴィは、アボットラボラトリーズからの分社を経て2013年に設立された研究開発型のグローバルなバイオ医薬品企業です。弊社のミッションは、専門知識、献身的な社員、独自の革新的アプローチを通じて、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する先進的な治療薬を開発し、提供することです。アッヴィは、世界で約26,000人以上を雇用し、170カ国以上で医薬品を販売しています。当社の概要、ならびに当社の人材、ポートフォリオ、コミットメントの詳細については、http://www.abbvie.comをご覧ください。またTwitterにて@abbvieをフォローし、FacebookページまたはLinkedInのキャリアページをご参照ください。

アッヴィ合同会社について

アッヴィ合同会社は、日本において約800人の社員が、医療用医薬品の研究・開発や販売に従事しています。自己免疫疾患・感染症・肝疾患・ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、http://www.abbvie.co.jpをご覧ください。

今後の見通しに関する記述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。今後の見通しに関する記述は、通常、「見込み」、「期待」、「予想」、「予測」、および同様の表現によって識別されます。これらの今後の見通しに関する記述は、予測内容と大いに異なる結果が生じる可能性があるリスクや不確実性の影響を受けます。そのようなリスクと不確実性には、知的財産の問題、他の製品との競合、研究開発プロセスに必然的に伴う困難、不利な訴訟または政府措置、医薬品業界に適用される法律および規制の変更が含まれます。

アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府や科学技術その他の要因は、10-K書式によって米国証券取引委員会に提出済みのアッヴィの2014年度アニュアルレポートの1A項「リスク要因」の項目に記載しています。

アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に出来事や変化が生じた場合も今後の見通しに関する記述を更新する義務を負いません。

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(1)茶山一彰ら、OMBITASVIR/PARITAPREVIR/RITONAVIR FOR TREATMENT OF HCV GENOTYPE 1B IN JAPANESE PATIENTS WITH OR WITHOUT CIRRHOSIS:RESULTS FROM GIFT-I(ジェノタイプ1b型HCVに感染した日本人患者でのombitasvir/paritaprevir/ritonavir併用療法:肝硬変発症の有無別のGIFT-I試験結果)、第51回日本肝臓学会総会で発表、5月21~23日;熊本県

(2) 国立国際医療研究センター国府台病院[引用2013年2月20日]、データはhttp://www.ncgm.go.jp/center/forpatient_hcv.htmlから入手可

(3)  Hajarizadeh B et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2013; 10: 553-562. http://www.nature.com/nrgastro/journal/v10/n9/fig_tab/nrgastro.2013.107_F1.html アクセス日2014年12月

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