最新の報告書により、気候変動と闘う上で農業が役立つことが明らかに

トウモロコシと大豆は、栽培によって温室効果ガスの排出を回避または削減できる可能性が最も大きな作物です; 米国内の農業において、2030年までに1億トンの温室効果ガス排出削減が可能に

2016年9月7日

日本モンサント株式会社

モンサント 農業で温室効果ガス(GHG)排出を削減

2016年8月30日 ミズーリ州セントルイス(米国)

最新の科学報告書によると、温室効果ガス(GHG)排出を削減する上で、農業は非常に重要な役割を果たすことができます。モンサント・カンパニーでは、2021年までに自社の事業活動をカーボン・ニュートラル(温室効果ガスを増加させない)にする公約の一環として、第三者専門機関であるICFインターナショナルに委託して、米国内での農業による温室効果ガス排出量の削減の可能性について調査を実施しました。この調査の結果を示す報告書「カーボン・ニュートラルな農業への道筋を示す:作物に着目した温室効果ガス削減戦略の可能性」には、推奨される農業実践を普及させることにより、米国内だけで温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算で1億トン以上削減できることが示されています。これは、25億本以上の苗木が10年間に吸収する炭素量に相当します。

モンサント農業環境戦略担当主任科学者であるマイケル・ロハウス博士は次のように述べています。「この報告書は有望な結果を示しており、農業生産者が同報告書に示された農業実践を採用し継続した場合に達成可能な重要な効果を裏付けています。報告書で述べられたカーボン・スマートな(二酸化炭素に配慮した)農業実践は、バイオテクノロジーや高度な育種などのイノベーションを組み合わせることにより、農業生産者が気候変動に適応し、緩和させる上で役立つ必須のツールです。モンサントでは、二酸化炭素排出削減に役立つ革新的な農業技術と、カーボン・スマートな農業実践の活用の奨励に努めています。」

同報告書は、モンサントが2021年までにカーボン・ニュートラルな作物栽培を実現するという公約をした後に発表されました。モンサントのこの公約には、最善実施例での条件採用の奨励や温室効果ガス排出削減におけるカーボン・ニュートラルな作物栽培が果たせる役割の強化をねらいとして、データおよびモデリング結果を農業関係者や団体と幅広く共有することも含まれています。

同報告書は、以下に挙げる短期的な戦略に重点を置いています:

•被覆作物(カバークロップ) 同報告書によると、農業を通じた温室効果ガス排出削減に短期間で最も有効である可能性が高い方法は、主要な栽培期の合間に生育させる被覆作物の作付けであることが明らかとなっています。被覆作物の栽培は現在、米国の作付面積の約3~5%に過ぎませんが、土壌の流亡を予防し、土壌に炭素を吸収、蓄積させる助けとなります。

•保全耕起 二番目に有効な方法は、雑草防除等のための耕起(土を耕す)の削減または中止です。これにより、農業生産者は耕起に伴う資金や人的リソースを節約しながら、耕すことで土壌から大気へ発生する炭素放出量を抑えることができます。さらに保全耕起は、土壌構造および土壌生物を守り、土壌の健康を改善する上でも役立ちます。

•精密な施肥(施肥養分)管理 精密農法と硝酸化成抑制材が温室効果ガス排出削減に効果がある可能性があります。精密農法は、圃場で使用する肥料と農薬の適切な量、また投入すべき場所を決定するのに役立ちます。肥料や農薬の投入時にGPSによる誘導や可変率技術を利用すれば、農業生産者は施肥と燃料の使用を最適化しつつ、採算性を向上させることができます。硝酸化成抑制材の追加により、農業生産者は収量を減らすことなく、肥料の利用効率を改善し、温室効果ガス排出量を削減できます。  

長期的な戦略も二酸化炭素排出削減に役立ちますが、大規模に実施するにはさらなる調査と時間が必要です。長期的戦略は以下の通りです:

•トウモロコシ・ストーバーによるエタノール生産 トウモロコシ・ストーバー(トウモロコシ収穫後に圃場に残された茎、葉、穂軸)は、エタノール生産を増加させるための再生可能なバイオマス資源の中で相当な量を占めています。トウモロコシ・ストーバーは化石燃料による温室効果ガス排出量を削減し、圃場に残された不要な作物を持続可能な形で管理する助けとなります。

•収穫後の圃場に残された作物の活用 利用可能な余剰トウモロコシ・ストーバーは、石炭火力発電所で石炭と一緒に燃やすことができる可能性もあります。この再生可能エネルギー源を利用することにより、化石燃料の使用量を削減することができます。さらに、利用可能なトウモロコシ・ストーバーを植物由来の炭(バイオ炭)に加工できる可能性もあり、これを土壌に混ぜることにより、土壌の健康を改善し、炭素を大気に放出せずに土壌に蓄積させることができます。

Coalition for Agricultural Greenhouse Gases(農業温室効果ガスに関する連合)エグゼクティブ・ディレクターのデビー・リード氏は次のように述べています。「農業は、気候変動に対処する上で重要な役割を果たす可能性を有しています。この報告書は、私たちの住む地球に短期的にも長期的にも実効性がありかつポジティブな影響を与えるためには、農業関係者や団体がどのようにして実行可能なステップを踏めるかを定量化し、実証する重要な一連のデータを提供してくれます。」

モンサントの気候変動に対する取り組みおよび協力に関する詳細については、モンサントの2015年サステイナビリティ報告書「Growing Better Together」をご参照ください。ICFの報告書は、こちらよりご覧いただけます。

モンサント・カンパニーについて

モンサント・カンパニーは、人口が増え続ける世界の人々に必要な食料を供給するために役立つ広範囲なソリューションを提供することに取り組んでいます。当社は果物や野菜からトウモロコシ、ダイズやワタといった主要穀物まで、農業生産者が十分な量の栄養のある食料を生産するのに役立つ様々な種子を生産しています。当社は農業生産者が天然資源を保全し、農業を改善するためのデータを用い、水や他の重要な資源をより効率的に使用し、そして作物を害虫や病気から守るために役立つ持続可能な農業ソリューションを提供するため尽力しています。プログラムやパートナーシップを通じ、当社は農業生産者、研究者、非営利団体、大学など、世界的な課題に取り組む人々と協力し合っています。モンサント・カンパニーや当社の取り組み、および問題解決のため献身的に取り組んでいる20,000人を超える従業員についての詳細は、discover.monsanto.com および monsanto.comをご覧ください。ツイッターwww.twitter.com/MonsantoCoやブログwww.monsantoblog.comのBeyond the Rows(R)、或いは当社のNews Release RSS Feedを購読されますと、さらに詳細な情報をご覧いただけます。

ICFインターナショナルについて

ICFインターナショナル(NASDAQ:ICFI)は、政府機関や民間企業の顧客に専門的なサービスおよび技術ベースのソリューションを提供する大手企業です。ICFは市場、技術や政策にとらわれず、変化に精通しています。1969年以来、事業に対する情熱と深い業界専門知識を組み合わせ、顧客の最重要課題に取り組んでいます。広告、履行、革新に携わる世界中の顧客に協力し、顧客に成功を明確に示し、そして達成する手助けをしています。世界各地に65カ所を超える事務所を構え、5,000人以上の社員が政府機関や民間企業の顧客にサービスを提供しています。ICFのウェブサイトはwww.icfi.com です。

モンサントは、ICFインターナショナルに一切投資しておりません。

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