トレアキシン®の全身性エリテマトーデスに関する慶應義塾大学との共同研究開始のお知らせ

シンバイオ製薬

シンバイオ製薬はトレアキシンの全身性エリテマトーデス(SLE)に対する臨床前試験を実施するため慶應義塾大学(リウマチ・膠原病内科 竹内勤教授)と共同研究契約を締結しました。自己免疫疾患の中でも未充足の医療ニーズが高い全身性エリテマトーデス(SLE)を対象としてトレアキシン経口剤の臨床試験を計画中です。

2018/5/10

シンバイオ製薬株式会社

トレアキシン®の全身性エリテマトーデスに関する慶應義塾大学との共同研究開始のお知らせ

シンバイオ製薬株式会社(本社:東京都、以下「シンバイオ」)は、この度、トレアキシン®の全身性エリテマトーデス(SLE)に対する治療効果を確認することを目的とする臨床前試験を実施するため、学校法人慶應義塾(研究代表者:リウマチ・膠原病内科 竹内勤教授)と共同研究契約を締結したことをお知らせします。

全身性エリテマトーデス(SLE)は日本国内の患者数が6~10万人と推定される自己免疫疾患の一種であり、全身の多くの部位や臓器に障害をもたらすことのある難病の一つです。現在、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療の選択肢は限られており、主にステロイドが使用されていますが、ステロイドによる治療効果が得られない場合は、標準治療として免疫抑制剤であるシクロホスファミドが使用されます。しかし、シクロホスファミドによる治療は脱毛や骨髄抑制等の副作用が伴うため、より副作用が少ない効果的な治療方法の開発が切望されています。

トレアキシン®は悪性リンパ腫の治療において第一選択薬として既に多くの悪性リンパ腫の患者さんの治療に使用され、脱毛等が少ない等の副作用の面でも優れております。また、トレアキシン®については、既にヒト細胞を用いた基礎試験において炎症を抑えるインターロイキン‐10の産生を誘導することによる抗炎症作用が確認されていることから、自己免疫疾患に対する臨床効果が期待されます。当社は自己免疫疾患の中でも未充足の医療ニーズが高い全身性エリテマトーデス(SLE)を対象として、現在トレアキシン®経口剤による臨床試験を計画中であり、そのための臨床前試験を実施いたします。

シンバイオは悪性リンパ腫の適応拡大のみならず自己免疫疾患を対象としてトレアキシン®のプラットフォーム化を推し進めており、この度の慶應義塾大学との共同研究もその事業展開の一環です。これからもトレアキシン®経口剤及び液剤のさらなる可能性を探ることにより積極的に成長戦略を展開し事業価値の最大化を図ってまいります。

以上

【トレアキシン®(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)について】

殺細胞性の抗腫瘍薬であり、1970年代からドイツで使用が開始され、現在50ヵ国以上で低悪性度非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病などを適応として使用されています。

ベンダムスチンは、アルキル化剤(注1)と代謝拮抗剤(注2)の両方の化学構造を併せ持つユニークな化合物であり、その作用機序はこれまで開発された他の抗腫瘍剤とは異なることから、固形がんの抗腫瘍剤耐性がん細胞に対しても有効性が期待されています。こうした可能性を探るため、海外ではこれまで固形がん患者さんを対象としたベンダムスチン注射剤の臨床試験が数多く実施され、乳がん、小細胞肺がん、軟部肉腫等で臨床効果が報告されています。また、多発性骨髄腫、低悪性度非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病を対象としたベンダムスチン経口剤の臨床試験も行われ、経口剤の安全性や忍容性につき良好な結果が得られています。

2010年10月に再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を適応症として製造販売承認を取得した後、2016年8月に慢性リンパ性白血病に対する効能追加の承認、2016年9月に「トレアキシン®点滴静注用25㎎」の国内医薬品製造販売の承認、さらに2016年12月に低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の未治療に対する効能追加の承認を取得しています。

なおトレアキシン®の販売は、2010年12月よりエーザイ株式会社が行っています。

(注1) アルキル化剤:細胞傷害性抗がん剤の一種。DNA塩基と共有結合できるアルキル基部位を複数持ち、2本のDNA鎖を結びつけることによりDNAの複製を妨げる。

(注2) 代謝拮抗剤:細胞傷害性抗がん剤の一種。代謝の過程で生成する代謝物質の利用を阻害する物質で、DNA生産を阻害し腫瘍細胞の成長と分裂を妨げる。

【全身性エリテマトーデス(SLE:Systemic Lupus Erythematosus)について】

DNA-抗DNA抗体などの免疫複合体の組織沈着により起こる全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患です。症状は治療により軽快するものの、寛解と増悪を繰り返して慢性の経過を取ることが多い疾病です。何らかの遺伝的素因を背景として、感染、性ホルモン、紫外線、薬物などの環境因子が加わって発症するものと推測されています。

【当社会社概要】

シンバイオ製薬株式会社は、米国アムジェン社元副社長で、アムジェン株式会社(現在は武田薬品工業株式会社が全事業を譲受)の実質的な創業者である吉田文紀が2005年3月に設立した医薬品企業です。経営理念は「共創・共生」(共に創り、共に生きる)で表され、患者さんを中心として医師、科学者、行政、資本提供者を「共創・共生」の経営理念で結び、満たされない医療ニーズに応えてゆくことにより、社会的責任及び経営責任を果たすことを事業目的としています。なお、2016年5月に米国完全子会社 SymBio Pharma USA, Inc.(本社:米国カリフォルニア州 メンローパーク、社長:吉田文紀)を設立しました。

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