アッヴィ、中等度から重度の活動性関節リウマチ治療薬「ウパダシチニブ」について、欧州委員会の承認を取得
2020年1月9日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、中等度から重度の活動性関節リウマチ治療薬「ウパダシチニブ」について、欧州委員会の承認を取得
●約4,400例の関節リウマチ患者さんを対象としたSELECT第III相プログラムのデータが裏付けとなった承認[1-5]
●5つの第III相試験における中等度から重度の活動性関節リウマチを有する様々な成人患者集団において、ウパダシチニブはすべての主要評価項目および重要な副次評価項目を達成[1-6]
●プラセボ、MTXまたはアダリムマブと比較して、ウパダシチニブの単剤投与またはcsDMARDとの併用投与は、低疾患活動性達成率(DAS28-CRPが3.2以下)および臨床的寛解率(DAS28-CRPが2.6未満)を改善[1-6]
●欧州の関節リウマチ患者数は約300万人で、その多くは寛解に至っていない状況[7,8]
イリノイ州ノースシカゴ、2019年12月18日(米国時間)-グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE: ABBV)は、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)で効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチ治療薬「ウパダシチニブ」について欧州委員会(EC)の承認を取得したことを発表しました6。ウパダシチニブは、1日1回投与の選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、単剤またはメトトレキサート(MTX)との併用で使用することができます。
アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノ医学博士(M.D.)は次のように述べています。「中等度から重度の活動性関節リウマチの患者さんにとって新しい治療選択肢となる、この1日1回投与の錠剤を提供できることを誇らしく思います。リウマチ性疾患の患者さんに対する革新的な治療法の発見と提供に20年近く取り組んでいる企業として、ウパダシチニブはヨーロッパにおいてもこの疾患を患う人々の新たな治療選択肢となり、当社のポートフォリオを拡げるものと考えています」
ECによるウパダシチニブの承認は、関節リウマチ患者さんを対象としたSELECT第III相国際共同プログラムのデータにより裏付けられています。このプログラムでは、5つの試験(SELECT-NEXT試験、SELECT-BEYOND試験、SELECT-MONOTHERAPY試験、SELECT-COMPARE試験およびSELECT-EARLY試験)において、約4,400例の中等度から重度の活動性関節リウマチ患者さんが評価されました1-5。これらの試験では、生物学的DMARDで効果が得られない患者さん、これらの薬剤の使用に耐えられなかった患者さん、MTX投与を受けたことがない患者さん、MTXで効果不十分な患者さんなど、様々な患者さんを対象に有効性、安全性および忍容性を評価しました1-5。
オランダ、アムステルダムのアムステルダムリウマチ・免疫学センター教授のロナルド・ファン・フォレンホーフェン医学博士(M.D. Ph.D.)は、次のように述べています。「欧州には300万人近い関節リウマチ患者さんがおり、その多くが寛解に至っておらず、疼痛、疲労、朝の関節のこわばりおよび再燃に苦しんでいる可能性があります。関節リウマチ患者さんを対象とする大規模な第III相臨床試験プログラムで認められたとおり、ウパダシチニブは関節リウマチの症状および徴候を有意に改善し、より多くの患者さんが寛解または低疾患活動性を達成する上で役立つ可能性があります」
関節リウマチ患者さんを対象としたSELECT第III相プログラムの要点
SELECT第III相試験において、ウパダシチニブはすべての主要評価項目および重要な副次評価項目を達成しました1-6。全体として、低疾患活動性達成率(DAS28-CRPが3.2以下)および臨床的寛解率(DAS28-CRPが2.6未満)は、MTX併用の有無にかかわらず患者集団間で一貫していました1-6。
要点は以下のとおりです。
•SELECT-COMPARE試験では、MTXで効果不十分な患者さんにおいて、ウパダシチニブとMTXの併用投与による寛解率(DAS28-CRPが2.6未満)は、プラセボとMTXの併用投与(12週時点で29%対6%、多重性調整p値≦0.001)およびヒュミラ(R)(アダリムマブ)とMTXの併用投与(12週時点で29%対18%、名目p値≦0.001)と比較して、有意に高いことが示されました4。
•SELECT-MONOTHERAPY試験では、MTXで効果不十分な患者さんおよびSELECT-EARLY試験のMTX投与を受けたことがない患者さんにおいて、ウパダシチニブ単剤投与群ではMTX投与群よりも寛解(DAS28-CRPが2.6未満)を達成した患者さんが多く認められました(SELECT-MONOTHERAPY試験:14週時点で28%対8%、多重性調整p値≦0.0001、SELECT-EARLY試験:24週時点で48%対18%、多重性調整p値≦0.001)3,5。
•また、Modified Total Sharp Scoreのベースラインからの変化量を用いて関節の構造的損傷の進行抑制を評価したところ、MTX投与を受けたことがない患者さんでは、ウパダシチニブ単剤投与をMTXと比較した場合(24週時点で0.1対0.7、多重性調整p値<0.01)、またMTXで効果不十分な患者さんでウパダシチニブとMTXの併用投与をプラセボとMTXの併用投与と比較した場合に(26週時点で0.2対0.9、多重性調整p値≦0.001)、ウパダシチニブは構造的損傷の進行を有意に抑制することが示されました4,5。
•主な副作用は上気道感染(13.5%)、悪心(3.5%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加(2.5%)および咳嗽(2.2%)でした6。主な重篤な副作用は、重篤な感染症でした1-6。
これらの試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT02706847、NCT03086343、NCT02629159、NCT02706873、NCT02706951)で閲覧可能です。
本年ウパダシチニブは、中等度から重度の活動性関節リウマチを有し、MTXにより効果不十分または不耐容であった成人患者さんに対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けています9。
欧州連合(EU)におけるウパダシチニブについて6
ウパダシチニブは、中等度から重度の活動性関節リウマチを有し、1種類以上のDMARDにより効果不十分または不耐容であった成人患者さんを対象とする治療薬です。ウパダシチニブは単剤投与またはMTXとの併用投与で使用可能です。
EUにおける重要な安全性情報6
ウパダシチニブは、本剤の有効成分またはいずれかの添加物に対して過敏症のある患者さん、活動性結核(TB)または重篤な活動性感染症を有する患者さん、重度の肝機能障害患者さんおよび妊娠中の患者さんには禁忌です。
MTX以外の強力な免疫抑制剤との併用投与は推奨されません。
ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、感染症による死亡例も報告されています。主な重篤である感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎も報告されています。日和見感染である結核、多発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症がウパダシチニブを投与された患者さんで認められています。慢性もしくは再発性感染症患者さん、重篤な感染症もしくは日和見感染の既往歴を有する患者さん、結核菌に曝露した経験がある患者さん、結核もしくは真菌症の流行地域に居住もしくは旅行した経験がある患者さん、または感染症を誘発する可能性がある基礎疾患を有する患者さんについては、ウパダシチニブの投与を開始する前に、ウパダシチニブを投与するリスクおよびベネフィットを検討してください。患者さんに重篤な感染症または日和見感染が発生した場合、ウパダシチニブの投与を中断してください。75歳以上の患者さんでは感染症の発現率が高いことから、こうした患者さんへの投与を行う際には注意する必要があります。
ウパダシチニブ投与を開始する前に、患者さんに対して結核のスクリーニング検査を実施してください。患者さんが潜在性結核を有し、治療を受けていない場合または患者さんが結核感染症のリスク因子を有する場合、ウパダシチニブの投与を開始する前に抗結核療法の実施を検討してください。
臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルス再活性化が報告されています。患者さんが帯状疱疹を発現した場合、症状が回復するまで投与中断を検討してください。ウパダシチニブの投与開始前および投与中には、ウイルス性肝炎のスクリーニングおよび再活性化のモニタリングを実施してください。
投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されません。ウパダシチニブの投与を開始に先立ち、患者さんが帯状疱疹ワクチンを含め、予防接種に関する現行のガイドラインに従って、所定の予防接種をすべて受けるよう指導することが推奨されます。
関節リウマチ(RA)患者さんにおいては、リンパ腫およびその他の悪性腫瘍のリスクが高くなっています。免疫調節性医薬品は、リンパ腫およびその他の悪性腫瘍のリスクを増大させる可能性があります。現時点での臨床データは限られており、長期試験が進行中です。ウパダシチニブの投与を受けた患者さんで、非黒色腫皮膚がん(NSMC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療に成功したNSMC以外で既知の悪性腫瘍を有する患者さんへのウパダシチニブ投与を開始する前、また悪性腫瘍を新たに発現した患者さんにウパダシチニブ投与の継続を検討する際には、ウパダシチニブを投与するリスクおよびベネフィットを検討する必要があります。皮膚がんのリスクが高い患者さんでは、定期的に皮膚の検査を行うことが推奨されます。
臨床試験において、1%以下の患者さんにおいて好中球絶対数1000 cells/mm3未満、リンパ球絶対数500 cells/mm3未満またはヘモグロビン値8 g/dL未満が認められました。臨床現場での診療でこのような血液学的異常が認められた場合、投与を開始してはならず、すでに開始している場合は一時的に投与を中断してください。
関節リウマチ患者さんは、心血管障害のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんは、日常的な標準治療の一環として管理されているリスク因子(例:高血圧、高脂血症)があるはずです。
ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの上昇が認められています。これらの脂質パラメータの上昇が心血管系疾患の合併および心血管系の原因による死亡に与える影響は、明らかになっていません。
プラセボ投与群と比較して、ウパダシチニブの投与を受けた患者さんにおいて肝酵素上昇の発現率の高さが認められています。臨床現場の診療でALT増加またはAST増加が認められ、薬物性肝障害が疑われる場合は、薬物性肝障害の診断が除外されるまでウパダシチニブ投与を中断してください。
ウパダシチニブおよびその他のJAK阻害薬の投与を受けた患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PEのリスクが高い患者さんにウパダシチニブを使用する際は、注意する必要があります。DVT/PEに対する患者さんのリスクを判断する上で考慮すべきリスク因子として、高齢、肥満、DVT/PEの病歴、大手術の予定および長期不動状態が挙げられます。DVT/PEの臨床的特徴が認められた場合、ウパダシチニブ投与を中止し、速やかに患者さんの評価を行った上で、適切な治療を実施する必要があります。
主な副作用は上気道感染(13.5%)、悪心(3.5%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加(2.5%)および咳嗽(2.2%)です。主な重篤な副作用は、重篤な感染症でした。
添付文書の全文については、www.EMA.europa.euで製品情報概要(SmPC)の全文をご参照ください。添付文書の内容は、地域によって異なります。詳細な情報は、各国の添付文書をご参照ください。
EUにおけるヒュミラ(R)について10
ヒュミラ(MTXとの併用投与)は、中等度から重度の活動性関節リウマチを有し、MTXを含むDMARDで効果不十分であった成人患者さんを対象とする治療薬です。
EUにおける重要な安全性情報10
ヒュミラは、活動性結核または敗血症などその他の重度の感染症および日和見感染を有する患者さん、ならびに中等度から重度の心不全(NYHAクラスIII/IV)を有する患者さんには禁忌です。また、本剤の有効成分またはいずれかの添加物に対して過敏症のある患者さんへの投与も禁忌です。アナフィラキシーおよびその他の重篤なアレルギー反応が報告されています。ヒュミラの使用は重篤な感染症の発現リスクを増大させ、まれに生命を脅かすこともあります。ヒュミラを投与された患者さんにおいて、リンパ腫および白血病がまれに報告されています。また、肝脾T細胞リンパ腫と呼ばれる重症型のがんがまれに認められることがあり、その多くが死亡に至ります。TNF拮抗薬が投与された患者さんでは、悪性腫瘍発症のリスクを否定できません。さらに、ヒュミラを投与された患者さんにおいて汎血球減少症、再生不良性貧血、脱髄疾患、ループス、ループス関連疾患およびスティーヴンス・ジョンソン症候群の症例がまれに報告されています。すべての適応症を合わせた主な有害事象は、呼吸器感染、注射部位反応、頭痛および筋骨格痛でした。
添付文書の全文については、www.EMA.europa.euでSmPCの全文をご参照ください。添付文書の内容は、国ごとに異なります。詳細な情報は各国の添付文書をご参照ください。
アッヴィについて
アッヴィは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する、革新的な先進治療薬の開発を行っています。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、免疫疾患、がん、ウイルスおよび神経疾患の4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
アッヴィ 今後の見通しに関する記述
本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する記述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する記述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する記述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。
アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2018年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。
1. Burmester GR, et al. Safety and efficacy of upadacitinib in patients with rheumatoid arthritis and inadequate response to conventional synthetic disease-modifying anti-rheumatic drugs (SELECT-NEXT): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. 2018 Jun 23;391(10139):2503-2512. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31115-2. Epub 2018 Jun 13.
2. Genovese MC, et al. Safety and efficacy of upadacitinib in patients with active rheumatoid arthritis refractory to biologic disease-modifying anti-rheumatic drugs (SELECT-BEYOND): a double-blind, randomised controlled phase 3 trial. Lancet. 2018 Jun 23;391(10139):2513-2524. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31116-4. Epub 2018 Jun 13.
3. Smolen JS, et al. Upadacitinib as monotherapy in patients with active rheumatoid arthritis and inadequate response to methotrexate (SELECT-MONOTHERAPY): a randomised, placebo-controlled, double-blind phase 3 study. Lancet. 2019. May 23. doi: 10.1016/S0140-6736(19)30419-2. Epub 2019 May 23.
4. Fleischmann R, et al. Upadacitinib versus placebo or adalimumab in rheumatoid arthritis and an inadequate response to methotrexate: Results of a Phase 3, Double-Blind, Randomized Controlled Trial. Arthritis and Rheumatology. 2019. Jul 9. doi: 10.1002/art.41032.
5. van Vollenhoven R, et al. A Phase 3, Randomized, Controlled Trial Comparing Upadacitinib Monotherapy to MTX Monotherapy in MTX-Naïve Patients with Active Rheumatoid Arthritis. 2018 ACR/ARHP Annual Meeting; 891.
6. RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co KG. Available at: www.ema.europa.eu
7. Bevan S, et al. Fit For Work? Musculoskeletal Disorders in the European Workforce. 2009. The Work Foundation.
8. Ajeganova S. and Huizinga T. Sustained remission in rheumatoid arthritis: latest evidence and clinical considerations. Ther Adv Musculoskelet Dis. 2017 Oct;9(10):249-262. doi: 10.1177/1759720X17720366.
9. RINVOQ™ (upadacitinib) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.
10. HUMIRA [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH & Co KG. Available at: http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/000481/WC500050870.pdf. Accessed November 12, 2019.
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 アッヴィ合同会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL http://www.abbvie.co.jp/
過去に配信したプレスリリース
アッヴィ、国内においてスキリージ(R)の新規剤形となる皮下注180mgオートドーザーを発売
11/22 10:00
「ヴィアレブ™」について、米国FDAより進行期パーキンソン病成人患者さんの治療薬として承認を取得
11/14 11:00