変化の解読:北京と天津に近い大砂地はどのように緑化されたか

The publicity department of the local government of Xilingol League

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【シリンゴル盟(中国)2020年6月24日新華社=共同通信JBN】内モンゴル自治区の北部には、常にほこりっぽい場所がある。20年前は、ここで生まれた砂嵐が中国北部の北京と天津に何度も大損害を与えた。

 

この場所はフンシャンダク(渾善達克)砂地で、モンゴル語で「黄色い暴れ馬」を意味する。北京からわずか180キロの砂地は、北京と天津から至近の「大砂盆地」と呼ばれる。

 

中国は過去20年、一連の生態学的な大規模保護・建設プロジェクトを実施してきた。地方政府は囲い込み、放牧の禁止、牧草と家畜のバランス、放牧のローテーションと休止など保護政策をとり、この興奮した「暴れ馬」を徐々に“飼いならし”てきた。砂を含む草原の平均植被率は41%で、「砂の中の草を探す」から「砂地の緑化」への大逆転を実現している。中国北部の主要な生態シェルターでもある砂地は、このように安定した。

 

▽放牧制限が自然回復の余地を生む

フンシャンダク砂地は中国5大砂地の1つ。内モンゴルのシリンゴル盟9市県と赤峰市の一部に広がり、総面積は5766万ムー(畝)に及ぶ。

 

砂嵐は2000年春だけで10回以上、北京と天津、その他の場所を襲った。中国は2000年、フンシャンダク砂地で北京・天津砂嵐の発生源管理、放牧地の草地転換、農地の森林・草地回復など、一連の生態学的な大規模保護・建設プロジェクトを開始した。

 

内モンゴルはこれら主要プロジェクトの実施にあたって自然を大切にし、自然法則を順守して生態を保護、回復する科学的手法を採用した。

 

シリンゴル盟のホウ・ジミン副指導者は「われわれは囲い込みと放牧禁止で遊牧民と家畜を移動させ、最終的に生態と自然の回復を実現した」と語った。

 

放牧禁止は草地放牧を1年以上禁止する施策である。放牧を禁止して家畜を締め出す草地は、通常フェンスを必要とする。

 

内モンゴル自治区シリンゴル盟の牧夫、ハスバテルさんは2020年初夏「かつて塀や小屋はほぼ砂に埋もれていた。草地はかなり劣化し、牛や羊には餌をやれなかった。今や草はよく育っている。水たまりが増え、砂嵐は少なくなった」と話した。

 

フンシャンダク砂地の南端にある正藍旗は、囲い込みや放牧禁止など生態管理策を実施してから年々、緑の草が茂って野の花が咲き、流砂が減少している。正藍旗は過去20年にわたり、囲い込み、放牧禁止などほぼ500万ムーの砂地の総合回復策を実施している。それは正藍旗全域の砂を含む草地の約40%に相当する。

 

▽バランスのとれた放牧、放牧の休止・ローテーションに効果

もう1つの生態管理経験は、草と家畜のバランス策を実施して放牧の休止・ローテーション体制を確立する施策の実施である。

 

シリンゴル盟農業・畜産局のリウ・ダバオ副局長は、家畜と牧草のバランスは、牧夫の牧草地域が支えられる家畜の頭数を計算することで、そうすれば、牧草面積に基づく家畜数を決定して合理的に家畜を育て、草地生態の好循環を実現することができる、と語った。

 

チュー・バオジョンさんはシリンホト市の牧夫で、家族が草地2000ムーを保有し、その全てがフンシャンダク砂地にある。これらの草地は2010年、牧草・家畜バランス策の実施区域に含まれた。彼の家族は当時、草地35ムーあたり羊1頭を飼育しており、草地2000ムーには羊57頭を飼える計算だった。政府は牧夫の収入に最大限影響を与えないように、草地1ムーあたり3.45元の助成金を提供した。

 

羊1頭の価格は700元、57頭の総収入は約4万元である。牧草・家畜バランスの助成金は約7000元で、チューさんの年収は約4万7000元になる。「施策に従って羊を育てて助成金を受け取れば、草地を回復して飼料代を削減できる」

 

現在、牧草と家畜のバランスがとれたフンシャンダク砂地の牧草地域は3508万ムーに達する。地方政府はこれを基に、さらに放牧休止・ローテーション体制を確立している。

 

毎年4月から5月までの春期、フンシャンダク砂地の牧草・家畜バランス地域全体は閉鎖される。春期放牧禁止の効果を確実にするため、地方政府は農民と牧夫に放牧禁止の対象地1ムーあたり0.75元の助成金を給付している。

 

▽生活、生産、生態の協調的発展が砂地の管理、貧困撲滅・富裕化をもたらす

モンゴルアカマツ、アンズ、ポプラが深い森を形成し、かつての砂丘はどこにも見られない。これらの大地に生える木々は巨大な「カラーパレット」になり、フンシャンダク砂地南端のドロンノール県全域を飾っている。

 

ドロンノール県の農民、ジア・ジェンフェンさんは2000年、不毛の丘陵5000ムーにモンゴルアカマツ100万本を植林する契約を結んだ。

 

ジアさんは「昔は山で羊を飼っていた。2000年以前の生態はひどく損傷し、毎日砂嵐が吹いていた」と話した。その後、もう金の卵を産むガチョウを殺すべきでないと悟り、羊を売って植林を始めた。彼は現在、森林生態学の専門家になり、苗木販売で年数百万元を稼いでいる。

 

フンシャンダク砂地は11市県に及び、20万人以上が居住する。住民の大半は畜産に従事し、家畜約240万頭を飼育している。この地域は生産、生活、生態の交差点になった。

 

砂地の生態管理プロセスで最大の難関は、生産、生活、生態保護の矛盾をどう解消するかである。地元政府は生態と産業開発を統合し、ウィンウィン状況を達成するため地元産業構成を調整している。

 

20年の管理を経て、フンシャンダク砂地の生態環境は大幅に改善した。森林・牧草産業、肉牛産業、観光が大きな進歩を遂げている。生産と農民、牧夫の生活の質は保証され、生態シェルターの建設は実を結んでいる。

 

最新統計によると、フンシャンダク砂地の森林被覆率は2004年の13.05%から2017年の23.35%に増大した。フンシャンダク砂地の2018年の平均植被率は41%と2001年を8ポイント上回っている。

 

ソース:The publicity department of the local government of Xilingol League

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