電通、国内初の細菌ゲノム構築プロジェクト「BGAP」に参画

第1弾として、大腸菌人工ゲノム構築を起点としたビジネスデザインを促進

電通

2020年8月27日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:五十嵐 博)は、国立大学法人東京工業大学(本部:東京都目黒区、学長:益 一哉、以下「東工大」)生命理工学院の研究グループ、東工大発ベンチャーの株式会社Logomix(本社:東京都港区、CEO:相澤 康則)などと共同で、産業微生物のゲノム構築を推進する国内初※の産学連携プロジェクト「細菌ゲノムアーキテクトプロジェクト(以下、「BGAP」)を開始しました。

 電通は、フューチャートランスレーションパートナーとして、ゲノム構築技術で可能となる未来の社会の姿を可視化し、さまざまな産業セクターにおける有用性を分かりやすく伝えるとともに、ゲノム構築による新たな産業の創出・発展に寄与していきます。

 

【開発背景】

 バイオテクノロジーのもたらす技術革新が、地球規模の諸問題を解決し、持続的な発展を可能にするという概念を「バイオエコノミー」といい、第5次産業革命の原動力とも目されています。バイオエコノミー産業は、2030年までにOECD加盟国の全GDPの2.7%(約180兆円)の巨大市場へ成長が見込まれており、その対象は環境・化学・素材分野から、農業・食品分野、そして健康・医療分野と多様な産業基盤に変化をもたらすことが想定されます。

 そのような中、世界ではバイオエコノミーの中核をなす「ゲノム構築」の試みが次々と進行してきています。ゲノム構築は、これまでの「ゲノム編集」のように遺伝情報の一部を変更するものではなく、ゼロからゲノムを生成する技術で、これによってさまざまな分野でのイノベーションが飛躍的に進行・拡大すると考えられています。

 

【BGAPについて】

 BGAPは世界的には、酵母全ゲノム合成を進めるSc2.0(酵母ゲノム合成コンソーシアム)、ゲノム合成技術の国際協調を進めるGP-write(ゲノムプロジェクト・ライト)、中国で発足したGP-write Chinaなどに続く統合組織ですが、特定の生物種のゲノム構築を目指す国内初の産学連携合成生物学プロジェクトとなります。

 その第1弾として「大腸菌人工ゲノム構築」を推進します。大腸菌は今日、プラスチック、薬、燃料などさまざまな物質生産に用いられている産業微生物の代表種のひとつです(図:大腸菌の環状ゲノムマップ)。この大腸菌の産業有用性をさらに高めるべく、これまでにない新しい設計原理に基づいた大腸菌ゲノムを、東工大すずかけ台キャンパスに今秋に新たに設置される合成生物学ファウンダリーを活用して構築し、この人工ゲノムで生育する人工大腸菌株を 創出します。

 

図:大腸菌の環状ゲノムマップ <G-language Genome Analysis Environment(http://www.g-language.org)による出力>

 

 

 テクニカルアドバイザーとして、ニューヨーク大学遺伝システム研究所のJef Boeke所長(教授)を筆頭に、国内の微生物研究の第一人者の方々にも参画いただきます。また、産業界からは当社の他、以下6社が本プロジェクトに参画し、新事業シーズの探索、バイオ・非バイオの範疇を超えたさまざまな産業セクター間での産学連携ネットワークの構築、新バイオ産業創出に貢献する細胞ゲノム構築技術の成熟化を進めます。

<参画企業>

・ヤマト科学株式会社(本社:東京都中央区)

・長瀬産業株式会社(本社:東京都中央区)

・株式会社みらい創造機構(本社:東京都渋谷区)

・株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区)

・大阪サニタリー株式会社(本社:大阪府摂津市)

・株式会社日立ハイテク(本社:東京都港区)

 

 電通は、創設メンバーとして本プロジェクトに参画し、ゲノム構築技術がもたらす未来のビジョンや可能性、活用例などを描くことで、BGAPの拡大・発展に寄与していきます。加えて、当社が開発した“どのようにゲノム構築技術を各種ビジネスに応用できるか”を診断するメニューツールなどを活用しながら、バイオエコノミー産業が世界をけん引するこれからの時代の、全く新しい事業共創の形態を顧客企業や社会に提示していきます。

 

 

■株式会社Logomix概要

 ゲノム資源をデジタルカタログ化し、独自のデータ駆動型ゲノム構築技術を用いて、設計通りにゲノムを人工合成し、そのゲノムで生育する人工細胞を作ることで、地球環境に優しい、持続可能な・安価な・生産性の高いバイオものづくり産業を構築していきます。

代表者:CEO 相澤 康則

URL:https://www.logomixgenomics.com/

 

 

※ 特定の生物種のゲノム構築に取り組むグループとして国内初。2020年8月26日現在、東工大調べ。

 

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