国有グローバルたばこ企業と政府との利益相反が、たばこ規制の取り組みを阻害

スモークフリー・ワールド財団(Foundation for a Smoke-Free World)

AsiaNet 85645

 

国有グローバルたばこ企業と政府との利益相反が、たばこ規制の取り組みを阻害

 

新研究で、矛盾点、変化をもたらす可能性のある道筋が特定 

 

ニューヨーク、2020918 – 国際ビジネスと企業ガバナンス分野の屈指の研究者、ダニエル・マラン氏が発表した新しい研究により、グローバルでたばこ規制政策の開発を主導している多くの国に固有の利益相反があることが明らかになっている。『矛盾と利益相反』 (https://c212.net/c/link/?t=0&l=ja&o=2920315-1&h=743443834&u=https%3A%2F%2Fwww.smokefreeworld.org%2Fwp-content%2Fuploads%2F2020%2F09%2FContradictions-and-Conflicts.pdf&a=%E7%9F%9B%E7%9B%BE%E3%81%A8%E5%88%A9%E7%9B%8A%E7%9B%B8%E5%8F%8D )と題する報告書では、 国家の独占的な収益を最大化するための政府の受託者責任と、公衆衛生リスクを最小化するための政府の健康責任との間の矛盾が明確に特定されるとともに、潜在的なソリューションも示されている。

 

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最近のデータによると、世界の燃焼式シガレット市場のほぼ50%が、世界保健機関のたばこ規制枠組条約(以下「WHO FCTC」(https://c212.net/c/link/?t=0&l=ja&o=2920315-1&h=4113992359&u=https%3A%2F%2Fwww.who.int%2Ffctc%2Fen%2F&a=WHO+FCTC ))へのコミットメントを主張する政府によってコントロールされている。同条約は、「たばこの消費と暴露に由来する健康、社会、環境、経済の壊滅的な影響から現在と将来の世代を保護する」ことに取り組んでいる。FCTC加盟国の8か国は、1社以上のたばこ企業を完全に所有している。具体的には、中国、イラン、イラク、レバノン、シリア、タイ、チュニジア、ベトナムがこれに該当する。中国国営たばこ企業がグローバルシガレット市場のおよそ44%を支配していることは注目に値する。

 

「私たちの研究により、FCTCへの上記加盟国の利益相反が明らかになった」とダブリン大学トリニティ・カレッジの助教授で、世界経済フォーラムの"透明性と反腐敗行為"に関するグローバル・ヒューチャー・カウンシルのメンバーであり、同報告書の著者である、ダニエル・ミラン氏は語った。「たばこ規制枠組み条約第5条3項では、たばこ産業の商業的および既得権益から、公衆衛生政策を保護することを締約国に要求している。しかし、これは実現不可能である。上記の同じ国々はまた、国有たばこ事業者から収益を確保しようと懸命になっているからである。」

 

万能なソリューションは存在しない
『矛盾と利益相反』の報告書では、 国による独占は多国籍企業の行動指針の対象ではなく、国の政府機関からの圧力は、たばこ産業界内でほとんど無視されていると、指摘する。また、国がたばこ企業に対し重大な所有権を持っていない国と比較した場合、健康政策または疾病データの要旨には明確な違いはない。したがって、世界保健機関が、この利益相反への万能のソリューションを見つけるのは難しいだろう。

 

国有のたばこ権益を持つ政府に対する有望なソリューションは複雑である。報告書では、燃焼式シガレットの生産と販売を、危害を軽減したたばこ製品に時間をかけて移行することにより、国有たばこ企業の直面する利益相反が緩和され、最終的には命が救われることになる可能性があると示唆している。スモークフリー・ワールド財団のような先進的な研究者と組織は、グローバルで活動し、バイオマーカーの発見、マイクロバイオームの中止/切り替えの成果、禁煙治療のための革新的な臨床試験設計など、禁煙と危害軽減の分野での知識を普及させることに寄与するソリューションを生み出すことに取り組んでいる。

 

スモークフリー・ワールド財団のデレック・ヤチ代表は次のように述べている。「これらのデータにより、国有たばこ企業を規制するだけでなく、国有たばこ企業を、危害を軽減した革新的なソリューションを開発・推進するビジネスモデルに進化するよう促すことの必要性と機会が示されている。たばこ関連の疾患により毎年800万人を超える人々の命が失われている。」 政府は、自国内の人々が長期的に健康で幸福に暮らせるように直接取り組む必要がある。

 

今月末、スモークフリー・ワールド財団は「たばこトランスフォーメンション・インデックス」を初めて発表する。これにより、主要なたばこ企業が、危害軽減に向けた投資を通じて、自社製品の危害低減と同時に長期的な収益性に対処することで、限定的ではあるが、場合によっては有意義な進歩を遂げていることが明らかになるだろう。

 

『矛盾と利益相反』からの重要な示唆として、国有たばこ企業が、たばこによる危害軽減を自社の長期的戦略に組み込む努力を加速するとしたら、利益相反に対処できるだけでなく、同時に禁煙に向けたグローバルな進展を加速することにもつながる可能性がある。健康増進のためのこの種の事業再編成の例はすでに存在する。例えば、中国は、国内の自動車製造セクターに、内燃エンジン搭載車両の生産と販売を終了させる取り組みを行い、化石燃料に関して同様の道を歩んでいる。

 

スモークフリー・ワールド財団からの研究奨学金により委託された『矛盾と利益相反』の報告書は、ダニエル・ミラン氏と、ステレンボッシュ大学ビジネススクールの部門招へい研究員、ブレット・ハミルトン氏との共著である。

 

スモークフリー・ワールド財団は独立した組織で、内国歳入法第501(c)(3)条に基づく米国の非営利の民間財団である。現代の世代の喫煙を終了させることで世界の健康を増進することを使命としている。同財団は次の3本の柱に集中して使命を果たすことに懸命に取り組んでいる。健康・化学・テクノロジー; 農業トランスフォーメーション・イニシアチブ; 産業トランスフォーメーション。財団はPMI Global Services Inc. (以下「PMI」)から2018年と2019年にそれぞれ8000万米ドルの慈善助成金を受けている。財団の細則およびPMIとの誓約に基づき、財団は完全な独立を維持するとともに、PMIまたはその他の第三者による支配、暫定的な指示、または影響を受けずに、独自にすべての決定を行う。財団がPMIから慈善助成金を受けていることで、財団がいずれかのPMI製品を推奨することはない。財団の詳細情報は、 www.smokefreeworld.orgを参照のこと。

 

問い合わせ先:
Nicole Bradley
Vice President of Communications
Nicole.Bradley@smokefreeworld.org 



(日本語リリース:クライアント提供)



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