INOVIOのVGX-3100がHPV-16/18に起因する前がん性肛門異形成治療の第2相試験で良好な有効性示す

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

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【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年12月9日PR Newswire=共同通信JBN】

 

*DNA免疫薬候補VGX-3100は、治療後6カ月に治療患者の50%でHPV-16/18関連の前がん性肛門病変の消散を示現

 

*肛門異形成の現在の標準治療では、通常、外科的切除、電気焼灼、またはレーザー治療が必要で、適切な治療をしなければ肛門がんに進行する可能性がある

 

感染症やがん、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患から人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業INOVIO(NASDAQ:INO)は9日、同社の主力免疫療法資産であるDNA医薬品VGX-3100が、治療開始6カ月後の被験者の50%(22人中11人)でHPV-16/18関連前がん性肛門病変(HSIL)の消散を示現したと発表した。VGX-3100は、非盲検の単群試験でも、HPV-16 /18関連の肛門異形成の男女の治療において安全性と忍容性の高さを示した。INOVIOは、HPV-16/18関連の肛門異形成の登録第3相臨床試験の実施と、2021年にこの症状の希少疾患・奇病指定を申請する予定。

 

カナダのケベックシティにあるCentre Medical Sante Femme(女性健康医療センター)の産婦人科医兼肛門鏡検査医で、第2相試験の調整治験責任医師を務めるCeline Bouchard博士は「試験結果は非常に有望で、この消耗性疾患に苦しむ患者に対する安全かつ効果的な新規治療の選択肢となる可能性がある」と語った。

 

VGX-3100肛門異形成第2相試験のハイライト

 

*18歳以上の男女23人を登録。持病のうつ病関連事象が原因で1人の被験者の試験が中止された。

*試験参加者は、参加時に29-76歳の男性と女性で、高悪性度の肛門扁平上皮内病変があることを除けば健康だった。

*ベースライン時の肛門異形成の重症度の相対的な割合は、AIN-3疾患のより重篤な症状に偏っていた(被験者の78%(23人中18人))。被験者の病変の中央値は4だった(範囲は2-7)。

*結果は、肛門生検サンプルに異形成のエビデンスが見られないとの2人の独立した病理学者による評価と、VGX-3100投与6カ月後のPCRベースの検査で病変組織からのHPV-16またはHPV-18の不検出に基づく。

*有効性の評価項目は、治療の6カ月後に評価された。安全性は、最終投与から18カ月間継続して評価される。

*最も多く観察された有害事象は注射部位の痛みで、その大部分は軽度から中等度だった。

*治療に関連する有害事象による中止は発生しなかった。

*治療中に重篤な有害事象の発生は観察されていない。

*本試験では肛門がんの症例は観察されていない。

 

第2相試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov (検索識別子NCT03499795)を参照。

 

INOVIO上級副社長で、HPV治療臨床開発責任者であるPrakash Bhuyan医学博士は「肛門異形成は通常、外科的切除、電気焼灼、またはレーザー治療によって治療される希少疾患で、患者の最大50%が外科的治療から1年以内に再発を経験している。われわれは、第2相試験のこうした良好な結果に意を強くしており、第3相試験で作業を継続し、当社のDNA医薬品プラットフォームを活用したDNAベースの全身免疫療法を開発して現行の標準治療を改善できることを期待している」と語った。

 

INOVIOは現在、AIDS悪性腫瘍コンソーシアム(AMC)ともパートナーシップを結び、HIV陽性の成人男性および女性でVGX-3100の評価を行っている。この進行中の非盲検・多施設・第2相試験は、HPV-16とHPV-18、あるいはそのいずれかに関連する肛門HSILを有するHIV陽性の成人男性と女性を対象に、CELLECTRAR(R)送達システムによる筋内(IM)注射で投与されたVGX-3100の安全性と有効性を評価すべく考案されたものである。AMC提携研究の詳細については、www.clinicaltrials.gov (検索識別子NCT03603808)を参照。

 

▽肛門異形成について

肛門異形成は、免疫正常群、免疫不全群両方の男性、女性が罹患する希少疾患である。HPV-16またはHPV-18に関連する前がん性異形成の5人に1人未満は、1年で自然治癒する。適切な治療をしなければ、肛門異形成は肛門がんに進行する可能性がある。

 

HPV-16/18は、肛門がん全体の90%以上の原因となっており、これは現在、がんの発症と死亡の最も急上昇している原因の1つと考えられている。米国がん協会によると、2020年に肛門がんは米国で1300人以上の命を奪い、8590人(女性5900人、男性2690人)が新たに肛門がんと診断されるだろうという。2019年11月、米国立がん研究所誌(Journal of the National Cancer Institute)に発表された研究によれば、2001年から2015年に肛門がんの全発症率は年間2.7%増加、死亡率は毎年3.1%上昇した。

 

▽VGX-3100について

VGX-3100は、肛門異形成、外陰部異形成、子宮頸部異形成というHPV-16/18関連の3つの病態の治療について臨床試験が行われているDNA医薬品である。子宮頸部異形成プログラムは、後期第3相臨床試験(REVEAL1およびREVEAL2)中である。VGX-3100は、がんのリスク低減を目的として、患者自身の免疫システムを利用して、HPV-16/18関連の高悪性度の前がん病変を除去するよう設計されている。

 

▽INOVIOのHPV関連DNA医薬品臨床プログラムについて

今回の第2相臨床試験は、複数の臨床試験においてINOVIOのHPV関連DNA医薬品が実証した、重要な臨床的有用性が基礎となっている。具体的には、子宮頸部異形成を対象とする第2相概念実証試験で、VGX-3100は高悪性度子宮頸部病変の退縮と根本的なHPV感染の除去において、107人中43人の患者で完全寛解を示現した。さらに、第1相試験でMEDI0457とPD-1チェックポイント阻害剤で治療された転移性HPV関連頭頸部がん患者4人のうち2人は、長期の完全寛解を2年以上にわたって経験した。最後に、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)に対するINOVIOのDNA医薬品、INO-3107のパイロット試験の結果、2人中2人の患者が腫瘍の再発がなく、手術を遅らせることができた。

 

▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには、HPV関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

 

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAデバイスは、短い電気パルスを使い、細胞に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドを注入、その他のDNAや、mRNAなど他の核酸アプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスで投与することで、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の考案と生産の速さ、保管、輸送中に冷凍の必要がない製品の安定性、数々の臨床試験で観察されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。

 

2000人以上の患者が様々な臨床試験において、7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

 

▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DOD)、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Kaneka Eurogentec(カネカユーロジェンテック)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、サーモフィッシャーサイエンティフィック、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

 

▽問い合わせ先

メディア向け

Jeff Richardson

+1 267-440-4211

jrichardson@inovio.com

 

投資家向け

Ben Matone

+1 484-362-0076

ben.matone@inovio.com

 

ソース:INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

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