INOVIOのVGX-3100が、HPV-16/18に起因する前がん性外陰部異形成治療の第2相試験で良好な有効性示す

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

AsiaNet 87482 (0044)

 

 

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2021年1月6日PR Newswire=共同通信JBN】

*DNA免疫治療薬候補VGX-3100は、治療後6カ月の治療参加者の63%でHPV-16/18関連前がん性外陰部異形成の臨床的に有意な縮小を実証した

*第2相試験の結果は、VGX-3100が、外陰部異形成の女性に対する現在の標準治療の、安全かつ忍容性の高い、効果的な補助治療薬となり得ることを示している

*第3相試験は2021年に計画されている

 

感染症やがん、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患から人々を守り、治療するための精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業INOVIO(NASDAQ:INO)は6日、VGX-3100によるHPV-16およびHPV-18関連外陰部異形成治療の非盲検第2相試験で、良好な有効性結果が得られたと発表した。HPV-16/18関連外陰部HSIL(高度扁平上皮内病変)の25%以上の縮小が、治療後6カ月でVGX-3100で治療した試験参加者の63%(19人中12人)で観察された。組織学データのある20人の参加者中3人(15%)は、外陰部HSILが治癒し、治癒領域でHPV-16/18ウイルスは検出されなかった。これと比較して、HPV-16/18に起因する外陰部HSILが自然治癒する確率はわずか2%と推定されている。今回の試験では、VGX-3100が安全で忍容性が高いことも示された。これらの結果に基づき、INOVIOは開発を第3相に進めることを計画している。

 

第2相臨床試験の主任調整治験責任医師を務めた、ピッツバーグ大学産科・婦人科・生殖学部長でミルトン・ローレンス・マッコール教授のRobert Edwards医学博士は「第2相試験の有効性結果は、通常、疾患とリスクの軽減達成のため繰り返し焼灼、切除治療が必要な難治性疾患に対する非常に有望な非外科的進歩であり、患者にとってより安全で忍容性が高く有効な治療選択肢となる可能性がある」と語った。

 

INOVIO上級副社長で、HPV治療臨床開発責任者であるPrakash Bhuyan医学博士は「前がん性疾患の縮小は、この悲惨な疾患の管理に有意義な改善をもたらし、女性のヘルスケア向上に向けた一歩となる」と語った。

 

VGX-3100外陰部異形成第2相試験のハイライト

 

*試験参加者は登録時22歳から70歳までの24人の女性で、HSILのあることを除けば健康だった。

*80%(25人中20人)はVIN3疾患(より重症のVIN)で、88%(25人中22人)は1回以上の再発歴があった。

*有害事象による中止はなかった。5人の参加者が有害事象とは関係のない理由で辞退を選択した。

*19人の参加者はデジタル写真データを持っており、12人(63%)に25%以上の病変領域の縮小で定義される臨床的に有意な病変の縮小が認められた。

*20人の参加者は組織学およびウイルス学データを持っており、3人(15%)は外陰部HSILが治癒し、治癒領域でHPV-16/18ウイルスは検出されなかった。

*組織学データは最大2人の独立した病理学者が評価、VGX-3100の投与後6カ月でPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)ベースの検査を行った病変組織からHPV-16/18は検出されなかった。

*有効性評価項目は、治療6カ月後に評価された。

*安全性は、最後の投与から18カ月間継続して評価される。

*最も多く観察された有害事象は注射部位の痛みで、その大部分は軽度から中等度だった。

*本試験では、外陰がんの症例は観察されていない。

 

第2相臨床試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov (検索識別子NCT03180684)を参照。

 

▽外陰部異形成について

外陰部異形成は、免疫正常および免疫不全群の女性を侵す希少疾患である。HPV-16/ 18関連前がん性外陰部異形成の女性の自然治癒率は2%未満である。HPV-16/18関連前がん性外陰部異形成(外陰部HSIL)は治療が困難であることが知られており、通常、疾患とリスクの軽減達成のため焼灼、切除治療を繰り返す必要がある。適切な治療をしなければ、外陰部HSILは外陰がんに進行する可能性がある。2017年、米国では1354人の女性が外陰がんと診断され、411人が膣がんで死亡した(注1)。

 

▽VGX-3100について

VGX-3100は、肛門異形成、外陰部異形成、子宮頸部異形成というHPV-16/18関連の3つの病態の治療で臨床試験が行われているDNA医薬品である。子宮頸部異形成プログラムは、後期第3相臨床試験(REVEAL1およびREVEAL2)中である。VGX-3100は、がんのリスク低減を目的に、患者自身の免疫システムを利用してHPV-16/18関連の高悪性度の前がん病変を除去するよう設計されている。

 

▽INOVIOのHPV関連DNA医薬品臨床プログラムについて

今回の第2相臨床試験は、複数の臨床試験においてINOVIOのHPV関連DNA医薬品が実証した、重要な臨床的有用性が基礎となっている。具体的には、VGX-3100の子宮頸部異形成を対象とする第2相概念実証試験で、107人中43人の患者に高悪性度子宮頸部病変の退縮と根本的なHPV感染の除去が認められた(注2)。肛門HSIL治療でのVGX-3100第2相試験も実施され、良好な有効性結果が得られた(注3)。さらに、第1相試験でMEDI0457とPD-1チェックポイント阻害剤で治療された転移性HPV関連頭頸部がん患者4人のうち2人は、2年以上の長期にわたる完全寛解を経験している。MEDI0457で治療された22人の頭頸部患者のうち18人は、治療後4年を超えても進行していない。最後に、再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)に対するINOVIOのDNA医薬品、INO-3107のパイロット試験の結果、2人中2人の患者が腫瘍の再発がなく、手術を遅らせることができた。

 

▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには、HPV関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)と米国防総省の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

 

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAデバイスは、短い電気パルスを使い、細胞に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドを注入、その他のDNAや、mRNAなど他の核酸アプローチの大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスで投与することで、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の設計と生産の速さ、保管、輸送中に冷凍の必要がない製品の安定性、臨床試験で観察されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。

 

2000人以上の患者が様々な臨床試験において、7000以上の適用でINOVIOの治験DNA医薬品を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たす可能性を秘めたDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた確かな実績がある。

 

▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人の治療や予防用の精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)/米国防総省(DoD)、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Kaneka Eurogentec(カネカユーロジェンテック)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、サーモフィッシャーサイエンティフィック、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会の20%以上が女性の企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

 

▽問い合わせ先

投資家向け

Ben Matone

484-362-0076

ben.matone@inovio.com

 

メディア向け

Jeff Richardson

267-440-4211

jrichardson@inovio.com

 

(注1)https://www.cdc.gov/cancer/vagvulv/statistics/#Ref2 accessed on 04JAN2021

(注2)Trimble et al., Lancet, 386, 10008, P2078-2088, 2015; https://doi.org/10.1016/S0140-6736(15)00239-1

(注3)Presented at ASCCP 2020 Scientific Meeting

 

ソース:INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

 

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