ウパダシチニブ、活動性乾癬性関節炎と強直性脊椎炎の成人患者の治療薬として欧州医薬品委員会が承認推奨

アッヴィ

2021年1月25日

アッヴィ合同会社

ウパダシチニブについて、活動性乾癬性関節炎と強直性脊椎炎の成人患者さんの治療薬として欧州医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨

●乾癬性関節炎(関節症性乾癬)と強直性脊椎炎を対象としたピボタル臨床試験プログラムで、ウパダシチニブ(15 mg11回)が複数の疾患活動性指標で有効性が認められ、安全性プロファイルは関節リウマチとの一貫性を示す1-4

●承認された場合、欧州連合において、ウパダシチニブは関節リウマチ、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および強直性脊椎炎の3つのリウマチ性疾患に対して承認を得る最初の選択的かつ可逆的な経口JAK阻害薬となる

●2021年初めに両方の適応症に対する欧州委員会の決定がされる見込み

 

イリノイ州ノースシカゴ、2020年12月11日(米国時間)—­グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、1日1回経口投与の選択的かつ可逆的なJAK阻害薬ウパダシチニブ(15 mg)について、活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および活動性強直性脊椎炎のリウマチ性疾患を有する成人患者さんの治療薬として承認を推奨したと発表しました5。CHMPの肯定的な見解は、ウパダシチニブが複数の疾患活動性指標で有効性を示した3件のピボタル臨床試験の結果に基づいています1-3

 

アッヴィのR&Dシニア・バイスプレジデントのトーマス・ハドソンは次のように述べています。「CHMPが乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および強直性脊椎炎の両方に対してウパダシチニブの承認を推奨したことは重要な出来事です。アッヴィは、これらの疾患とともに生きる人々の標準治療を向上させるための研究に取り組んでいます。承認された場合、ウパダシチニブは欧州連合における3つのリウマチ性の適応症に対する1日1回経口投与の治療選択肢となります。これらの推奨は、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および強直性脊椎炎とともに生きるより多くの人々のさまざまな症状を緩和できるようにするための道を開くものです」

 

第III相SELECT-PsA 1、SELECT-PsA 2のいずれの試験においても、ウパダシチニブはそれぞれ非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)または生物学的DMARDで効果不十分であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)を有する成人患者さんにおいて、プラセボとの比較で、主要評価項目である12週時のACR20改善を達成しました1,2

 

ウパダシチニブは、生物学的DMARDの使用経験がなく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象とした第II/III相SELECT-AXIS 1試験で、プラセボとの比較で、主要評価項目である14週時のASAS40(国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)基準)を達成しました3

 

SELECT-PsA 1、SELECT-PsA 2およびSELECT-AXIS 1試験の安全性に関する結果は、過去に報告されており、関節リウマチで認められたものと一貫性を示しており、新たな重大な安全性のリスクは認められませんでした1-4

 

CHMPの肯定的な見解は、欧州連合での製造販売を承認する欧州委員会に向けた製造販売承認に関する科学的推奨となるものです。この製造販売承認は、欧州連合の全加盟国、ならびにアイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーで有効となる見込みです。

 

乾癬性関節炎(関節症性乾癬)について

乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は、多様な病態をもつ全身性炎症性疾患で、関節や皮膚などの複数の領域に特徴的な症状が現れます6,7。乾癬性関節炎(関節症性乾癬)では、免疫系によって炎症が生じ、乾癬に関連する皮膚病変、関節の疼痛、疲労およびこわばりに至ることがあります6,7

 

強直性脊椎炎について

強直性脊椎炎は、主に脊椎に影響を及ぼす慢性かつ炎症性の筋骨格系疾患で、疼痛、可動性の制限、構造的損傷および脊椎骨折の症状を特徴とします8,9

 

SELECT-PsA 1試験について1,10

SELECT-PsA 1試験は、1種類以上の非生物学的DMARDで効果不十分であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の成人患者さんを対象に、プラセボおよびアダリムマブと比較し、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群比較、実薬・プラセボ対照試験です。患者さんは、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群、アダリムマブ40 mg群(隔週)またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、プラセボ群は、24週時にウパダシチニブ15 mgまたはウパダシチニブ30 mgに切り替えられました。

 

主要評価項目は、投与12週時にACR20を達成したウパダシチニブ15 mgまたは30 mg投与患者さんの割合とし、プラセボ投与患者さんと比較しました。主な副次評価項目は、投与12週時までのHAQ-DIベースラインからの変化量、12週時にACR50およびACR70を達成した患者さんの割合、16週時にPASI 75を達成した患者さんの割合、24週時に最小疾患活動性(MDA)を達成した患者さんの割合などとしました。これらは、すべての副次評価項目ではありません。本試験は進行中で、長期継続投与期間から、プラセボ対照期間を完了した患者さんにおけるウパダシチニブの長期間の安全性、忍容性および有効性に関するデータが得られる予定です。

 

SELECT-PsA 1試験のトップライン結果は2020年2月に発表されています。本試験の詳細な情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT03104400)で閲覧可能です。

 

SELECT-PsA 2試験について2,11

SELECT-PsA 2試験は、1種類以上の生物学的DMARD(bDMARD)で効果不十分であった活動性乾癬性関節炎の成人患者さんを対象にウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群比較、プラセボ対照試験です。患者さんは、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、プラセボ群の患者さんは、24週時にウパダシチニブ15 mgまたは30 mgのいずれかを投与されました。

 

主要評価項目は、投与12週間後にACR20を達成した患者さんの割合としました。主な副次評価項目は、HAQ-DIベースラインからの変化量、12週時にACR50およびACR70を達成した患者さんの割合、16週時にPASI 75を達成した患者さんの割合、24週時にMDAを達成した患者さんの割合などとしました。これらは、すべての副次評価項目ではありません。本試験は進行中で、長期継続投与試験では、プラセボ対照期間を完了した患者さんにおけるウパダシチニブの長期間の安全性、忍容性および有効性に関するデータが得られる予定です。

 

SELECT-PsA 2試験のトップライン結果は2019年10月に発表されました。本試験の詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03104374)で閲覧可能です。

 

SELECT-AXIS 1試験3,12

SELECT-AXIS 1試験は、bDMARDによる治療歴がなく、2種類以上のNSAIDで効果不十分またはNSAIDに不耐容/禁忌であった活動性強直性脊椎炎の成人患者さんを対象に、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた、第II/III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照試験です。

 

順位付けされた主な副次評価項目は、投与14週時に強直性脊椎炎の活動性指数(BASDAI)50およびASASの部分寛解(PR)を達成した患者さんの割合、ならびに投与14週時の強直性脊椎炎疾患活動性スコア(ASDAS)、カナダ脊椎関節炎研究コンソーシアム(SPARCC)のMRIスコア(脊椎)および身体機能障害の指標(BASFI)のベースラインからの変化量などとしました14。Period 2は、非盲検継続投与期で、Period 1を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブの長期的な安全性、忍容性および有効性を評価します。

 

SELECT-AXIS 1試験の結果は2019年11月に発表されました。本試験の詳細は、www.clinicaltrials.gov(NCT03178487)で閲覧可能です。

 

ウパダシチニブについて

アッヴィの科学者が発見し開発したJAK阻害薬ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています10-20。2019年8月に、ウパダシチニブは、メトトレキサートで効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国FDAの承認を得ました。2019年12月には、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として欧州委員会の承認を得ました。関節リウマチに対して承認されているウパダシチニブの用量は15 mgです。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です10-12,14-20

 

ウパダシチニブに関する重要な安全性情報5

本剤の有効成分または添加物に対して過敏症のある患者さん、活動性結核(TB)または重篤な活動性感染症の患者さん、重症の肝機能障害を有する患者さんおよび妊娠中の患者さんには禁忌です。

 

他の効能のある免疫抑制剤との併用は推奨されていません。

 

ウパダシチニブを服用している患者さんで重篤な感染症が発生しており、これらの感染症による死亡例もあります。主な重篤な感染症は、肺炎および蜂巣炎です。細菌性髄膜炎も報告されています。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、日和見感染症のうち、結核、多発性帯状疱疹、口腔/食道カンジダ症およびクリプトコッカス症が報告されています。ウパダシチニブの投与を開始する前に、慢性もしくは再発性の感染症患者さん、重篤な感染症もしくは日和見感染の既往歴を有する患者さん、結核菌に曝露した経験がある患者さん、結核もしくは真菌症の流行地域に居住もしくは渡航した経験のある患者さん、感染症を誘発する可能性がある基礎疾患を有する患者さんに対するリスクとベネフィットを検討してください。患者さんに重篤な感染症または日和見感染が発言した場合、ウパダシチニブの投与を中断してください。75歳以上の患者さんでは感染症の発現率が高いため、こうした患者さんへの投与を行う際は注意する必要があります。

 

ウパダシチニブ投与開始前に、患者さんに対して結核のスクリーニング検査を実施してください。患者さんが未治療の潜在性結核または結核感染症のリスク因子を有する場合、抗結核療法の実施を検討してください。

 

臨床試験において、帯状疱疹を含むウイルス再活性化が報告されています。患者さんが帯状疱疹を発症した場合、症状が回復するまで投与中断を検討してください。ウパダシチニブの投与開始前および投与中は、ウイルス性肝炎のスクリーニングおよび再活性化のモニタリングを実施してください。

 

ウパダシチニブの投与期間中または投与開始直前に生ワクチンを接種することは推奨されていません。患者さんは、最新の予防接種ガイドラインに従い、ウパダシチニブの投与開始前に、帯状疱疹ワクチンを含むすべての予防接種を受けるよう指導することが推奨されています。

 

関節リウマチ(RA)患者さんにおいて、リンパ腫などの悪性腫瘍のリスクが増加します。免疫調節薬は、リンパ腫などの悪性腫瘍のリスクを増大させる可能性があります。現時点での臨床データは限られており、長期試験が進行中です。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含む悪性腫瘍が報告されています。治療が奏効したNMSC以外の悪性腫瘍を有する患者さんにウパダシチニブ投与する前、また悪性腫瘍が新たに発現した患者さんにウパダシチニブ継続投与を検討する際は、ウパダシチニブを投与するリスクとベネフィットを検討する必要があります。皮膚がんのリスクが高い患者さんには、定期的な皮膚の検査が推奨されています。

 

臨床試験において、1%未満の患者さんで好中球絶対数1000 cells/mm3未満、リンパ球絶対数500 cells/mm3未満またはヘモグロビン値8 g/dL未満が認められました。通常の患者管理において、これらの血液学的異常が認められた場合は、投与を開始しないか、一時的に投与を中断してください。

 

RA患者さんでは、心血管疾患のリスクが高くなっています。ウパダシチニブの投与を受ける患者さんでは、通常の標準治療の一環としてリスク因子(例:高血圧、高脂血症)を管理することがあります。

 

ウパダシチニブの投与に伴い、総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロールおよび高比重リポ蛋白コレステロールなどの脂質パラメータの上昇が認められています。これらの脂質パラメータの上昇が心血管疾患の罹患率および死亡率に及ぼす影響は明らかになっていません。

 

プラセボを投与された患者さんと比較して、ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、肝酵素上昇の発現率が高かったことが認められています。通常の患者管理でALTまたはASTの増加が認められ、薬物性肝障害が疑われる場合は、これらの診断が除外されるまでウパダシチニブの投与を中断してください。

 

ウパダシチニブを含むJAK阻害剤を投与された患者さんにおいて、深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)が報告されています。DVT/PEのリスクが高い患者さんには、ウパダシチニブを慎重に投与する必要があります。DVT/PEに対する患者さんのリスクを判断する上で考慮すべきリスク因子として、高齢、肥満、DVT/PEの病歴、大手術の予定および長期不動状態が挙げられます。DVT/PEの臨床的特徴が認められた場合、ウパダシチニブの投与を中止し、速やかに患者さんの評価を行った上で、適切な治療を実施する必要があります。

 

主な副作用は上気道感染(13.5%)、悪心(3.5%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加(2.5%)および咳嗽(2.2%)です。主な重篤な副作用は、重篤な感染症でした。

 

添付文書の全文については、www.EMA.europa.euで製品情報概要(SmPC)の全文をご参照ください。

 

添付文書の内容は地域によって異なります。詳細な情報については、各国の添付文書をご参照ください。

 

リウマチ領域におけるアッヴィについて

アッヴィは20年以上にわたり、リウマチ性疾患とともに生きる患者さんの治療の向上に取り組んできました。革新的な治療を発見し、提供するという当社の長年のコミットメントは、より多くのリウマチ性疾患の患者さんを治療目標達成に導く、有望な新たな経路や標的への理解を深める最先端科学の追求により裏付けられています。リウマチ学領域におけるアッヴィの詳細については、

https://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-fous-areas/rheumatology.htmlをご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 

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Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words "believe," "expect," "anticipate," "project" and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie's acquisition of Allergan plc ("Allergan"), failure to promptly and effectively integrate Allergan's businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics, such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie's operations is set forth in Item 1A, "Risk Factors," of AbbVie's 2019 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.

 

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