グミの摂取が心理状態の向上と交感神経系活動の持続的亢進を促進することを確認

meiji

2021年12月1日

株式会社 明治

グミの摂取が心理状態の向上と交感神経系活動の持続的亢進を促進することを確認

快適感の向上や活動的な状態の維持に貢献

~一般社団法人日本官能評価学会2021年大会で発表~

 株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、青山学院大学理工学部電気電子工学科の野澤昭雄教授と共同で、咀嚼運動様相(食品摂取時のあごなどの動き)が異なる3種類の食品(グミ、ガム、ラムネ菓子)※1について、摂取前後の生理・心理・行動計測を実施した結果、ガムと比較してグミは、快適感が有意に向上するとともに、交感神経系活動の持続的亢進(活動的な状態)を促すことを確認しましたのでお知らせします。

 なお、この研究成果を2021年11月28日に開催された「一般社団法人日本官能評価学会2021年大会」にて発表しました。

 当社は、今後もグミ特有の食感や風味に関する研究を続け、グミがもつ新しい価値を創造し、お客さまの健康な毎日に貢献してまいります。

【研究概要】

「咀嚼運動の様相が異なる食品」の摂取体験による心身への影響を比較するため、21歳から26歳の健常成人男性30名を対象に生理心理計測実験を実施しました。対象となる食品は、グミ (5粒/5分間)、ガム(1枚/5分間)、ラムネ菓子 (5粒/5分間)として、①喫食中の咀嚼運動の様子を表す咬筋活動量を計測すると共に、②喫食直後に実施した100マス計算課題※2の回答数と正答数に基づいて、喫食が認知パフォーマンスに与える影響を評価しました。また、③喫食および課題遂行に伴う気分や感情の変化をとらえる心理指標として、VAS※3を用いた主観的な感覚量を計測し、これらを合わせて総合的に解析しました。

【結果概要】

試験食品による咀嚼運動様相の違いは課題遂行時の生理心理状態に有意な差異をもたらさず、いずれの試験食品摂取においても課題の成績は同等であり、また、課題遂行中の交感神経系活動を亢進させる効果を確認しました。被験者が意欲的に課題に取り組んだ結果として、摂取した試験食品の種類に関わらず同等の成績を維持したものと考えられます。さらに、運動様相が異なるように咀嚼させた3種類の食品のうち、特にグミはガムと比較して、➀心理状態(快適感)に好影響を与えた、②課題終了後も持続的に交感神経系活動の興奮を促したと考察しています。

【測定時の様子】

<発表内容>

【演題】

 咀嚼運動および食品の風味刺激が人の生理心理状態に及ぼす影響の探索的検討

【概要】

「咀嚼運動の様相が異なる食品」の摂取体験による心身への影響を比較するため、21歳から26歳の健常成人男性30名を対象に生理心理計測実験を実施しました。対象となる食品は、グミ (5粒/5分間)、ガム(1枚/5分間)、ラムネ菓子 (5粒/5分間)として、下記の各指標の計測を実施し解析しました。

【計測内容および結果】

➀咀嚼運動の様子を明らかにするため、咬筋活動量を計測しました。その結果、グミ咀嚼時の咬筋活動量はほぼ一定を保ったこと、ガム咀嚼時は時間経過に伴って咬筋活動量が有意に減少したことを確認しました。また、ラムネ菓子摂取時は咬筋の活動は認められませんでした。

②気分や感情の変化を明らかにするため、心理指標として参加者の主観的な感覚量を、VASを用いて計測しました。試験食品摂取前後の変化量から、グミ摂取時はガム摂取時と比較して「快適感」が有意に向上したことを確認しました(図1)。

図1.心理指標 VASを用いた評価:「快適感」の摂取前後比較

③認知パフォーマンスを評価するため、100マス計算課題の回答数と、正答数を計測しました。

 各試験食品に関して、総回答数と総正答数いずれも有意差は確認されませんでした。

④ストレスに対する生理的な反応を確認するため、自律神経系の指標である血行動態(平均血圧、心拍出量、全末梢血管抵抗)のパターン変化、心拍数、脳波、鼻部表面の温度変化、心拍数のR-R間隔※4の変化に基づいて交感神経系の活動を評価しました。

 いずれの試験食品においても、課題中のR-R間隔が有意に低下しており、交感神経系活動が亢進状態であったと考えられます。また、グミおよびラムネ菓子摂取時は、課題遂行後も交感神経系活動の亢進状態を維持していることを確認しました。

同じく自律神経系指標である鼻部表面の温度変化を計測し、交感神経系の活動を評価しました。交感神経系活動が亢進すると鼻部表面の温度は低下し、交感神経系活動が抑制すると鼻部表面の温度は上昇します。課題終了後に着目すると、グミ摂取時は、鼻部表面温度が変化せず交感神経系活動の状態が維持、ラムネ菓子摂取時は鼻部表面温度が低下しており亢進状態が継続していることを確認しました。一方でガム摂取時は、交感神経系活動が抑制されることを確認しました(図2)。

図2.自律神経系指標の時系列変動 (上:心拍数R-R間隔、下:鼻部表面の温度)

 以上の結果より、試験食品による咀嚼運動様相の違いは課題遂行時の生理心理状態に有意な差異をもたらさず、いずれの試験食品摂取においても課題の成績は同等であり、また、課題遂行中の交感神経系活動を亢進させる効果を確認しました。被験者が意欲的に課題に取り組んだ結果として、摂取した試験食品の種類に関わらず同等の成績を維持したものと考えられます。さらに、運動様相が異なるように咀嚼させた3種類の食品のうち、特にグミはガムと比較して、➀心理状態(快適感)に好影響を与えた、②課題終了後も持続的に交感神経系活動の興奮を促したと考察しています。

※1:各試験日の摂取行為とエネルギーを統一するために、グミを摂取する試験日にはエネルギー調整飲料の代わりに水を摂取させました。グミと同程度の風味のみの刺激で、咀嚼しない場合の影響を評価する目的で、本試験のラムネ菓子は崩壊性の高いものを使用し、舌の上でなめ溶かして摂取させました。なお、図中ではラムネ菓子は「ラムネ」と略記で示しています。

※2:本試験の100マス計算では、縦10×横10のマスの左と上にそれぞれ0から9の数字をランダムに並べた用紙を準備し、評価者に交差するマスに加法の答えを記入させました。

※3:Visual Analog Scale:主観的な感覚量を評価する方法です。

※4:心拍数R-R間隔は、一拍毎の拍動間隔のことで、心拍数R-R 間隔の変化から交感神経系活動と対応する心理的な変化を推定する試みがなされています。

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