位置情報とセンサー連携による屋内外測位の実証実験を開始

～人・モノの稼働状態の見える化で製造業・運輸業のDXを推進～

2022/2/10 14:30

2022年2月10日

株式会社NTTドコモ

　株式会社NTTドコモ（以下、ドコモ）は、LTEに対応した法人向けクラウド型位置情報プラットフォーム　　サービス「かんたん位置情報サービス」において、センサーと連携させる屋内外測位の実証実験を東日本旅客鉄道株式会社水戸支社（以下、JR東日本水戸支社）、株式会社シーイーシー（以下、シーイーシー）と本日から開始致します。

　「かんたん位置情報サービス」（以下、本サービス）は、サーバーや専用端末、地図データ、ユーザーインターフェースなどをパッケージにしたクラウド型プラットフォームサービスで、位置検索、タイマー通知、エリア通知など位置情報サービスを展開する上で必要な機能をご利用になれます。また、WebAPI連携機能を活用し、お客さま保有のシステムとの連携や用途に合わせたカスタマイズも可能です。認知症患者の徘徊対策、ドライバー不足による車両動態管理の効率化など、社会的課題解決のための　ソリューションとして多くご利用いただいています。

　このたび、GPSを用いた本サービスに、近距離無線技術BLE（Bluetooth Low Energy）搭載のGPS端末（以下、BLEゲートウェイ）と電波を発信するタグやセンサー（以下、BLEタグ・センサー）を連携させることで、屋内位置情報、温度・湿度・二酸化炭素濃度などの環境データやバイタルサインなどを遠隔で確認、可視化できる機能を開発しました。これにより、従来の屋外位置情報に加え、屋内でもBLEタグ・センサーを使用しシームレスに位置を測位することが可能となり、かつ付加価値のある情報を併せて利用することで、さまざまな業種でのサービス展開が可能となります。連携できるセンサーの種類も豊富で、API接続によるお客さま保有のシステムとの連携により、本サービスの仕様にとらわれない柔軟なユーザーインター　　　フェースを作ることもできます。

　2022年度のサービス開始をめざし、さまざまな業種での有用性を確認するため、2022年2月から運輸業でのトレーサビリティ、製造業での車両管理や作業員の稼働管理などの実証実験を行います。

　運輸業でのトレーサビリティでは、生鮮食材の出荷から販売店への到着までの運搬状況と生鮮食材の温度状態を、BLEゲートウェイとBLEタグ・センサーで把握します。物流の一連の流れのトレーサビリティを行い、今まで見えていなかった「生産地から出発する駅まで」、また「到着した駅から販売店まで」の輸送荷物の位置情報と温度状態をデータで取得し、生鮮食材の輸送品質の担保と遠隔での荷物管理の検証を行います。

　製造業での車両管理としては、車両と倉庫内に設置したBLEゲートウェイとBLEタグ・センサーで、車両の位置情報を把握し、待機車両の誘導や車両の運行効率化が図れるかを検証します。

　また稼働管理として、作業員、機器や部屋にBLEタグ・センサーを取り付け、屋内に設置したBLEゲートウェイで検知することで、作業員のバイタルサインや部屋の二酸化炭素濃度などを確認することができ、作業員や機器の稼働状況を見える化できます。これにより作業員の健康状態を把握するとともに、取得したデータをもとに業務効率化を図ることが可能かを検証します。

　ドコモは今後も、本サービスの利便性を高め、さまざまな業種が抱える課題の解決やDX推進に取り組んでまいります。

別紙

実証実験概要

１．本実証実験で利用する機器

２．具体的な実証実験概要

　（１）運輸業でのトレーサビリティ

パートナー

東日本旅客鉄道株式会社水戸支社

実証概要

茨城県、福島県で生鮮食材の出荷から販売店への到着までの運搬状況と温度状態を、BLEゲートウェイとBLEタグ・センサーで把握します。生鮮食材とともにBLEゲートウェイと温度センサーを一緒に輸送することで、生鮮食材の位置情報と温度状態を確認します。

各通過ポイントに設置したBLEタグ・センサーとBLEゲートウェイが近接することで、通過した時刻を記録してメールで通知することができ、輸送状況の把握・管理をします。生鮮食材の輸送における品質の担保と、遠隔での荷物管理に対応できるかを検証します。

実証期間

2022年2月16日(水)　・3月2日(水)　

※日程は変更になる場合があります。

　　　　
＜生鮮食材の輸送時の位置情報と温度を見える化＞

　（２）製造業での車両管理および作業員の稼働・健康状態把握

　　①倉庫敷地内での車両管理

パートナー	株式会社シーイーシー
実証概要	倉庫敷地内に進入した車両（トラック）の管理としてBLEタグ・センサーを利用し、屋内外の位置情報を測位する実証実験を行います。入場受付をしたBLEゲートウェイを搭載したトラックが移動することで、屋外ではGPS、屋内では倉庫敷地内のBLEタグ・センサーを検知して、車両ごとの位置や動態(作業中・待機中など）をWebの管理画面上で確認します。入出荷作業エリアの混雑状況を見える化し、トラックの誘導や稼働分析に活用できるかを検証します。
実証期間	2022年2月14日（月）～2022年3月10日（木）

　　＜トラック待機時間・入出荷作業時間を見える化＞

　　②工場敷地内での車両管理および作業員の稼働・健康状態把握

パートナー	印刷会社G社
実証概要	工場敷地内の車両（フォークリフト）や作業員にBLEタグ・センサーを取り付け、工場内に設置したBLEゲートウェイを通ることで位置情報を把握する実証実験を行います。また、作業員の脈拍や血圧などのバイタルサインや工場内の温湿度、フォークリフトやシャッターの加速度のデータも取得することで、作業員の稼働状況や健康状態、フォークリフトの稼働状況、施設内の環境状況を可視化し、作業員の健康管理や業務効率化が図れるかを検証します。
実証期間	2022年2月10日（木）～2022年3月10日（木）