Pharmingが第64回米国血液学会(ASH)年次総会・展示会でのプレゼンテーションでleniolisibの非盲検・延長試験の良好な中間解析データを発表
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【ライデン(オランダ)2022年12月15日PR Newswire=共同通信JBN】
* V. Koneti Rao医学博士が、希少な原発性免疫不全症APDSの治療薬としてleniolisibを投与された患者の長期的安全性と血液学的反応の新たなエビデンスを紹介
* 中間解析ではleniolisibの忍容性の高さが示され、第2/3相無作為化・比較試験で得られた有効性結果の持続性が示された
Pharming Group N.V.(「Pharming」または「同社」)(EURONEXT Amsterdam: PHARM)(Nasdaq: PHAR)は、希少な原発性免疫不全症、活性化ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ症候群(APDS)の成人、若者患者の治療薬である経口・選択的ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ(PI3K[delta])阻害治験薬leniolisib(レニオリシブ)を評価する非盲検・延長試験の中間解析から得られた、新たなエビデンスを含むデータを発表した。米メリーランド州ベセスダにある国立衛生研究所の原発性免疫不全症クリニック勤務医で治験責任医師のV. Koneti Rao医学博士が、米国血液学会(ASH)の2022年年次総会での口頭発表で、良好な試験結果を紹介した。
オランダのロッテルダムにあるエラスムス大学医療センターの臨床免疫学コンサルタントで治験責任医師のVirgil Dalm博士は、以下のようにコメントした。
「leniolisibがAPDS患者にとって有益な忍容性の高い治験薬であることをさらに裏付けるPharmingの試験結果に興奮している。試験治療期間の中央値が2年強(102週)、5人の被験者が5年以上治療を受けている本試験結果は、leniolisibの長期的な忍容性を実証している。APDS患者は感染症を再発することが多く、こうした負担を軽減するために生涯にわたる免疫グロブリン補充療法(IRT)が必要だ。注目すべきは、leniolisib治療により年換算の感染率が大幅に低下したことで、IRTを受けている試験患者の37%が、IRTの処方を減らすか完全に停止することができた。これは先天性免疫異常の試験としては驚くべき結果で、leniolisibの試験継続を通じて、APDS患者の治療選択肢を向上させる知見に貢献していきたい」
進行中の延長試験には、中間解析のためのデータカットオフ時点で、選択的PI3K[delta]阻害薬leniolisib 70mgを1日2回、最長6年3カ月間投与された12歳以上のAPDS患者37人が含まれており、試験治療期間の中央値は102週間だった。本試験は、過去にleniolisibの第2/3相試験に参加したAPDSの若者および成人患者を対象に、leniolisibの長期投与の安全性と忍容性を評価することを主目的に設計された。本延長試験の副次評価項目は、これらの患者における長期的なleniolisib治療の有効性と薬物動態を評価することである。
中間解析の結果、leniolisibは本試験で現時点まで、忍容性が良好であることが判明した。また、リンパ節サイズの縮小とナイーブB細胞の増加という両主要評価項目において、プラセボに対して有意な改善を示した無作為化・対照試験で見られた有効性結果の持続性も示された。この中間結果は、感染症、リンパ増殖、自己免疫疾患、腸疾患、気管支拡張症、リンパ腫のリスク増加、早期死亡などの臨床症状を伴う、APDS患者にしばしば見られる免疫調節障害や免疫不全に対して、長期的に良好な影響を与えることを示唆している。
中間解析で報告された有害事象(AE)の大半はグレード1および2で、上気道感染、頭痛、発熱などだった。グレード1のAEは最も重篤度が低く、グレード5は最も重篤度が高い。全体として、AEの13.5%は試験薬に関連したもので、5人の患者に体重増加、関節痛、高血糖、好中球数減少といった症状が出た。解析で評価された全AEのうち、16.2%が重篤に分類されたが、いずれも試験治療との関連は確認されなかった。また、試験参加者のうち1人が死亡したが、試験治療との関連はないと確認された。
試験参加者の中には、APDSの疾患マーカーが低下した人もいたが、反応の程度には個人差があった。反応は以下の通り。
*リンパ節腫脹、脾腫の縮小およびIgMレベルの低下
* 貧血、血小板減少症、リンパ球減少症の改善または消散
* 罹患している全患者で好中球減少症が消散
重要なのは、免疫グロブリン補充療法(IRT)を受けていた参加者の37%が、leniolisib服用中にIRTの使用を減らせたということである。6人の患者がIRT非依存となり、そのうち4人はデータカットオフ時点でIRT非依存期間が1-2.5年だった。中間解析のためのデータカットオフ時点で、試験前にリンパ腫の既往があった3人の患者のうち、試験参加中に再発または新たなリンパ腫を発症した患者はいなかった。
Pharming最高医療責任者のAnurag Relan医学博士(公衆衛生学修士)は、以下のようにコメントした。
「Pharmingは、leniolisibの長期的安全性と有効性に関する良好な中間所見を発表できることを喜んでいる。2022年ASH年次総会で発表された結果は、今年初めに発表され、2022年11月にBlood誌(注 1)に掲載された、leniolisibにAPDSの免疫関連症状の発症を抑制する可能性があることを浮き彫りにした第2/3相試験の知見を基礎としている。APDSの原因を標的とする初の承認薬となる可能性のある薬剤を開発することで、満たされていないニーズを満たす役に立てることを誇りに思う」
本中間解析結果は、2022年2月2日に初めて報告された、成人および若者のAPDS患者に対する治療薬としてleniolisibを研究した第2/3相臨床試験のデータと一致している。第2/3相臨床試験の患者は、プラセボと比較して、指標リンパ節サイズの有意な縮小と末梢血中のナイーブB細胞の割合増加を達成した。
米食品医薬品局(FDA)は、第2/3相臨床試験の結果と長期・非盲検・延長データに基づき、APDSの若者および成人患者向け治療薬としてleniolisibの新薬承認申請の優先審査を行っており、処方薬ユーザー・フィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日を2023年3月29日に指定している。さらに、同じ患者層を対象とするleniolisibの販売許可申請は、欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)が認めた迅速審査で評価が行われている。欧州連合(EU)におけるleniolisibの販売承認は、2023年上半期になる予定。
▽活性化ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ症候群(APDS)について
APDSは、100万人に約1-2人が罹患する、希少な原発性免疫不全症である。白血球の成熟を制御する2つの遺伝子PIK3CD、PIK3R1のいずれかの変異によって引き起こされる。これら遺伝子の変異は、PI3K[delta](ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ)経路の過活動につながる(注 2)(注 3)。生理的免疫機能には、PI3K[delta]経路でのバランスの取れたシグナル伝達が不可欠である。この経路が過活動状態になると、免疫細胞が成熟せず、適切に機能しなくなり、免疫不全や調節障害を引き起こす(注 2)(注 4)。APDSは、重篤な反復性副鼻腔・肺感染症、リンパ球増殖、自己免疫疾患、腸疾患などが特徴である(注 5)(注 6)。これらの症状は、他の原発性免疫不全症を含むさまざまな疾患と関連している可能性があるため、APDSの患者は誤診されることが多く、中央値で7年の診断遅れを経験している(注 7)。APDSは進行性疾患のため、こうした遅れは、永久肺障害やリンパ腫など、時間の経過に伴う損傷の蓄積につながりかねない(注 5-8)。この疾患を確定診断する唯一の方法は、遺伝子検査である。
▽leniolisib(レニオリシブ)について
leniolisibは、クラスIA PI3Kの110kDa触媒サブユニットのデルタアイソフォームの低分子阻害剤である。PI3K[delta]は主に造血系細胞に発現、ホスファチジルイノシトール-4-5-三リン酸(PIP2)をホスファチジルイノシトール-3-4-5-三リン酸(PIP3)に変換しており、免疫系の正常な機能に欠かせない。leniolisibは、PIP3の産生を阻害し、PIP3は(PDK1を介して)AKTを活性化し、増殖、分化、サイトカイン産生、細胞生存、血管形成、代謝など多くの細胞機能を制御する、重要な細胞内情報伝達物質として機能する。普遍的に発現するPI3K[Alpha]、PI3K[Beta]と異なり、PI3K[delta]、PI3K[Gamma]は主に造血器系の細胞に発現する。PI3K[delta]は、適応免疫系(B細胞と、程度は低いがT細胞)および自然免疫系(好中球、肥満細胞、マクロファージ)など数多くの細胞機能の調節で中心的役割を果たしており、PI3K[delta]がAPDSなどの免疫疾患に対する有効かつ効果的な治療標的になる可能性を強く示唆している。leniolisibはこれまで、健常な被験者を対象とした第1相ファースト・イン・ヒューマン試験とAPDS患者が対象の第2/3相登録可能試験の両方で忍容性は良好だった。
▽Pharming Group N.V.について
Pharming Group N.V.(EURONEXT Amsterdam: PHARM/Nasdaq: PHAR)は、希少疾患、衰弱性疾患、生命を脅かす疾患にかかった患者の生活を変えることに注力しているグローバルなバイオ医薬品企業である。Pharmingは、開発初期から後期段階にある低分子化合物、バイオ医薬品、遺伝子治療薬などのタンパク質補充療法や精密医療の革新的ポートフォリオを開発、商品化している。Pharmingは、オランダのライデンに本社を置き、世界中に配置した従業員が北米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋の30を超える市場で患者にサービスを提供している。
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内部情報
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参考文献
(注 1)Rao VK, et al. Blood. 2022. https://doi.org/10.1182/blood.2022018546.
(注 2)Lucas CL, et al. Nat Immunol. 2014;15:88-97.
(注 3)Elkaim E, et al. J Allergy Clin Immunol. 2016;138(1):210-218.
(注 4)Nunes-Santos C, Uzel G, Rosenzweig SD. J Allergy Clin Immunol. 2019;143(5):1676-1687.
(注 5)Coulter TI, et al. J Allergy Clin Immunol. 2017;139(2):597-606.
(注 6)Maccari ME, et al. Front Immunol. 2018;9:543.
(注 7)Jamee M, et al. Clin Rev Allergy Immunol. 2019;May 21.
(注 8)Condliffe AM, Chandra A. Front Immunol. 2018;9:338.
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ソース:Pharming Group N.V.
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