電通グループ、落合陽一サマースクール2026で、小中学生によるAIとの共創を実現する情報環境を実証

人の創造・思索を支える「自己主権型情報環境」の実現を目指す

電通グループ

電通グループ、落合陽一サマースクール2026で、小中学生による AIアバターエージェントを介した複数AIとの共創を実現する情報環境を実証 人の創造・思索を支える「自己主権型情報環境」の実現を目指す

 

 株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 グローバルCEO:佐野 傑、以下「当社」、また、当社およびグループ会社を総称して「dentsu」)のグループ横断R&D組織「電通イノベーションイニシアティブ※1 」(以下「DII」)は、落合陽一氏とともに、2026年7月24日(金)から26日(日)まで鹿児島県で開催される小中学生向けの教育プログラム「落合陽一サマースクール 2026」を通じて、参加生徒が創造と思索の主体としてAIアバターエージェントを介して複数のAIと共創する「SSIE(自己主権型情報環境)※2 」の開発・実証(以下「本実証」)を行います。

 

左から、AIアバターエージェントログイン画面、生徒が撮影した写真やAIアバターエージェントと会話した内容をもとに生徒を理解し進化するAIエージェントのUIイメージ、生徒の映像・造形作品を地理空間情報と連動させ記録・公開可能とするビューアアプリケーションのUIイメージ、詳細マップ

※画面は開発中のイメージです。実際の仕様とは異なる場合があります。

 

 生成AIの活用が創造活動や学習の効率化に貢献する一方で、自ら問いを立て、考えを深める学習や創造のプロセスをいかに維持・発展させていくかがますます重要となっています。本実証では、参加する小中学生が自身を深く理解する「AIアバターエージェント」を介して、複数のAIと、自ら問いを立て、考え、意味づけるプロセスで共創し、アートワークの制作に取り組みます。そして、これらを実現する新たな情報環境の可能性を検証します。AIによる効率化そのものを目的とするのではなく、人間の創造性や主体的な思索を支える次世代の学習環境の実現を目指します。

 

 DIIは2018年から落合陽一サマースクールを通じて、子どもたちが先進的な情報環境に触れる機会を提供してきました。昨年の「落合陽一サマースクール2025」においては、SSIEの考え方に基づき、参加生徒一人ひとりが個人専用のAIアバターを持ち、自己理解を深めるための実証を実施しました。AIアバターとの継続的な対話や、学びの関係性をNFTとして記録する仕組みを通じて、教育現場におけるWeb3活用の可能性を検証しました※3

 

 本実証ではその発展形として、AIアバターを単なる対話相手から、生徒と複数のAIをつなぐAIアバターエージェントへと進化させます。生徒は複数のAIを直接使い分けるのではなく、自らの関心や悩み、アイデア、まだ言葉にならない感覚などを、自分専用のAIアバターエージェントに相談します。AIアバターエージェントは生徒から受けた相談をもとに、生徒の関心や得意不得意、過去の対話などを踏まえて、適切なAIへ各作業を橋渡しします。この環境では、生徒が創造や思索の主体となり、AI群は情報整理や制作支援などの作業実行を担います。役割を明確に分けることで、生徒はAIツールの操作に振り回されることなく、「自分は何を考えたいのか」「何を表現したいのか」「どのような問いを持ち続けたいのか」といった本質的なテーマに向き合う時間を確保できます。

 

 本実証で目指すのは、AIによって即座に答えを得る環境ではありません。落合陽一氏が提唱する「デジタル発酵※4」の概念のもと、AIとの相互作用のなかで発生する予想外の表現や問いに対して生徒が自ら考え、選び、意味づけていく共創プロセスを検証し、人間が問いを育てながら創造を続ける新たな学習環境のあり方を探ります。

 具体的には、以下の4点を中心に、生徒の創造・思索の現場におけるWeb3活用の新たな可能性を検証します。

 

1. AIアバターエージェントを介した複数AIとの共創(初の実証実験)

 本人を深く理解するAIアバターエージェントが、生徒と複数AIとの間を仲介するインターフェースの検証

2. SSIE(自己主権型情報環境)に基づく本人性とPII分離の両立

 AIアバターエージェントとの深い対話を可能にしながら、外部AI利用時には個人識別情報(PII)を直接開示しない仕組みの検証

3. 学友NFT・卒業証明書NFTによる経験と関係性の記録

 サマースクールで共に学んだ経験や関係性をNFTとして記録し、将来にわたり参照可能な形で保存する仕組みの検証

4. Web3マイページと名刺・ICカードを通じた継続的な接続

 Web3マイページへ接続するQRコード付き名刺や、ソニー株式会社が技術協力するハードウェアウォレットを活用し、サマースクール後も探求や交流を継続できる仕組みの検証

 

 本実証の基盤となるSSIEが担う役割は単純な匿名化ではなく、信頼する相手に対して自分の関心や悩み、まだ言葉にできない感覚までを安心して開示できる情報環境をつくることです。生徒は、信頼するAIアバターエージェントとのあいだでは、プライベートな内容も含めて深く対話することができます。AIアバターエージェントは、その対話を通じて本人の考え方や感覚を理解し、本人性を踏まえた支援を行う一方、外部AIサービス利用時には、生徒の個人識別情報(PII)を直接共有することなく必要な作業のみを依頼します。SSIEは、AI時代において自身のプライバシーを守りながら高度なAI環境にアクセスするための基盤です。

 

 DIIでは、本実証を通じて、AIアバターエージェントが生徒との継続的な対話を通じて一人ひとりをより深く理解し、創造や思索を支援する存在へ発展することを期待しています。また、学友NFTや卒業証明書NFTを活用することで、サマースクールで生まれた経験や関係性を修了後の探究や交流へつなげる情報環境の構築を目指します。生徒同士がデジタル空間上で新たな学びや協働の機会を生み出せる場の実現を視野に入れながら、本人の意思とプライバシーを尊重し、自ら情報の開示範囲を管理できる自己主権型の設計を重視していきます。

 

 本実証は、AIが人間の代わりに考える未来を目指すものではありません。DIIは本実証を通じて、AI時代においても人間一人ひとりが創造や思索の主体であり続けるための自己主権型情報環境のあり方を検証していきます。また、学びや創造のプロセス、そこで生まれる関係性を継続的な価値として社会につないでいくことで、次世代を担う子どもたちの可能性を育むとともに、人とテクノロジーが共に価値を創造する持続可能な社会の実現に貢献していきます。

 

※1: DIIは、dentsu全体のR&Dを推進する当社内組織です。また、株式会社電通、株式会社電通総研、株式会社セプテーニ・インキュベートの3社との共同で、Web3領域における新しいビジネスの研究および実践を行うグループ横断組織「web3 club™(ウェブスリークラブ)」を組成しています。「web3 club™」発足の詳細は以下ニュースリリースをご覧ください。

「電通ジャパンネットワーク、Web3領域のビジネスを推進するグループ横断組織『web3 club™』を発足」(株式会社電通グループニュースリリース、2022年9月8日)

URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000804.html

※2: Self-Sovereign Information Environment(SSIE:自己主権型情報環境)とは、DIIがパナソニック ホールディングス株式会社らと提唱する、個人が自身のデータやデジタル上の身元(アイデンティティ)を自ら管理し、必要な情報だけをコントロールしながら安全に共有できる分散型の仕組みです。詳しくは以下ニュースリリースをご参照ください。

「電通グループ、パナソニックHDと共同で『SSIE(自己主権型情報環境)』に関する研究を国際学会で発表」(株式会社電通グループニュースリリース、2025年12月12日)

URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001580.html

※3: 昨年および過去の取り組み内容については、以下ニュースリリースおよびウェブサイトをご参照ください。

「電通グループ、パナソニックHDらと共同で、『自己主権型情報環境』を開発しAIアバターとして教育現場で活用」(株式会社電通グループニュースリリース、2025年7月30日)

URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001518.html

Table Unstable YouTubeチャンネル

URL:https://www.youtube.com/@TableUnstable

※4: 発酵とは、人間がすべてを制御するのではなく、素材、環境、時間、温度、微生物の働きを見極めながら、一定の見通しのもとで変化を引き出していく営みであり、「デジタル発酵」とは、この考え方を計算機自然へと拡張する、落合陽一氏が提唱する概念です。参加生徒は、人工物と自然物、物質と情報の境界がほどけていく世界の中で、自らの世界観を推論し、受け止めてくれるAIアバターエージェントとともに表現を立ち上げていきます。

 

以上

【本R&D活動に関する問い合わせ先】

株式会社電通グループ 電通イノベーションイニシアティブ 鈴木

URL:https://innovation.dentsu.com/

Email:innovation-initiative@dentsu.co.jp

 

【リリースに関する問い合わせ先】

株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス 小嶋、島津、原田

Email:group-cc@dentsu.com

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