幻の組台ここにあり!大津市藤三郎紐で江戸時代末から続く伝統の組紐作り体験
滋賀県では、「琵琶湖をはじめとした自然と歩みをそろえ、ゆっくり、ていねいに暮らしてきた、滋賀の時間の流れや暮らしを体感できる、“心のリズムを整える新たなツーリズム”」を「シガリズム」として推進しています。
「シガリズム」の中でも、単に観光地を巡るだけでなく、滋賀の暮らしや営みの中で伝わってきたものを守る地域の方との交流の中でより深く地域の魅力を体験するコンテンツを「シガリズム体験」として創出しており、その中のひとつ、大津市の藤三郎紐をご紹介します。
【幻の組台「内記台(ないきだい)」】
細く繊細な糸を組んで紐に仕上げてゆく、組紐。その工程で用いるのが、組台と呼ばれる器具です。用いる組台によって、帯締めの組み目や柄の有無などの出来上がりが変わるのですが、中でも、この「藤三郎紐」の組紐の歴史を作ってきたのが、内記台(ないきだい)という組台です。
(写真:内記台を使った組紐作り)
内記台は、木製の手動式組台で、江戸時代後期に発明されたと言われています。
からくり人形のように木製の歯車を使い、葉っぱのような形の板を回し、その板に糸を引っ掛けながら巧みに組み上げていく、というもの。一時期は多く使われていましたが、現在ではほとんど見られなくなり、藤三郎紐で使用しているものは、現役で唯一稼働している幻の組台ともいわれています。「藤三郎紐」では今も、この内記台を使って、数多くの作品を作っています。五代目の太田浩一さんは、「かなり珍しい内記台などの組台をぜひ直接見に来てほしい」とお話されていました。
(写真:内記台による組紐の帯締め) (写真:般若心経を組紐で作った作品)
(写真:高台) (写真:高台を使って組紐を作っている様子)
【組紐とは】
組紐とは、糸を組んで作り上げた紐のことで、古くは経典の巻物の紐や僧侶の衣装である袈裟の紐、公家や武士の装束などに使われてきました。特に刀の下げ緒や甲冑、弓具や馬具などの武具に多く用いられてきましたが、明治維新によって武家社会が終わりを迎えると、羽織の紐や女性の和装に欠かせない「帯締め」となり、広く一般の人にも使われるようになりました。
帯締めとは、着物の帯を結んだあと、型が崩れないよう帯の上から最後に結ぶ紐で、着物全体の中心にくるため、全体の雰囲気を引き締め演出する和装小物として愛用されています。
内記台で組まれた帯締めは、適度に伸縮性があり、とても締めやすいという特徴があり、藤三郎紐で組み上げられた組紐は、滋賀県伝統的工芸品に指定されています。
【藤三郎紐について】
「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」
この、百人一首、蝉丸の句で有名な大津市逢坂で、江戸時代末期の慶応三年(1867年)、初代太田藤三郎が米屋を開き、その妻、しもが副職として、東海道を往来する人々に、印籠の紐など組紐の雑貨を置いて商いを始めたのが、そのはじまり。二代目の頃には明治に入り、帯締めや羽織の紐など新たな需要が増えたことから、お店で組紐作りに専念するようになり、以来、伝統的な手法を守りながら、色あざやかで和の装いを引き立てる帯締めをはじめ、草木染めの帯揚げやネクタイ、携帯電話ストラップなどを作っています。組紐を作るには、染色から始まり、糸繰りや糸合わせなどの工程を重ね、組台で紐を組むまでにおよそ1か月かかるといいます。
(左)五代目 太田浩一さん(右)四代目 太田藤三郎さん
<体験概要>
「藤三郎紐」では、組紐と染色の体験、内記台をはじめとする組紐の組台の見学が可能です。
また、角台という代表的な組台を使用した、世界で一つのオリジナルストラップの作成や、ハンカチまたは手ぬぐいを伝統的な近江の草木染めで染色する体験をしていただくこともできます。
※事前予約制(土曜日限定) 材料費込
・組紐体験:ストラップ作り 2,500円(4名様まで)
(角台) (完成品)
・染色体験:ハンカチまたは手ぬぐいの染色体験 2,500円(6名様まで)
●予約方法
下記サイトにてお申し込みください。
シガリズム体験:https://www.biwako-visitors.jp/shigarhythm-activity/
●注意事項
少人数で仕事をしているため、ご希望の日時に添えない場合があります。
●お問い合わせ
・有限会社 藤三郎紐
・〒520-0054 滋賀県大津市逢坂1丁目25-11
・TEL:077-522-4065 / FAX:077-522-4121
・HP:https://tozaburo-himo.com/
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 滋賀県
- 所在地 滋賀県
- 業種 自治体
- URL http://www.pref.shiga.lg.jp/