NFTを活用したコンクリート版の脱炭素経営プラットフォームを開発

福島県浪江町にシステム運用会社設立 炭素削減記録を取引先と共有 スマホアプリも追加開発へ

2023年4月10日

會澤高圧コンクリート株式会社

NFTを活用したコンクリート版の脱炭素経営プラットフォームを開発

福島県浪江町にシステム運用会社設立 會澤高圧コンクリート

炭素削減記録を取引先と共有 スマホアプリも追加開発へ

 

 會澤高圧コンクリート株式会社(本社苫小牧市、代表取締役社長 會澤 祥弘)は、テクノロジーによって脱炭素化を進めた特殊コンクリート製品の製造証明書をNFT(非代替性トークン)の形態で発行し、製品を購入したゼネコンや発注元のデベロッパーなどに譲渡して炭素削減の証跡データを建設関連業界で自律的に管理して行く、コンクリート版の脱炭素経営プラットフォームを開発致しました。

 

 本プラットフォームを運営するための新会社「aNET ZERO 株式会社」(本社福島県浪江町、代表取締役 會澤 祥弘)を、福島県浪江町で建設中の次世代中核施設「福島RDM センター」内に資本金1,000 万円で4月中に設立し、当社が主宰する脱炭素化運動「aNET ZERO イニシアティブ」の協定締結メーカーおよそ100 社、並びにその取引先などを対象に、6 月末から本格運用を開始いたします。

 

aNETZERO脱炭素経営プラットフォーム概念図

 

~デカボバッジを発行・共有~

 当社は、セメント・コンクリート産業の脱炭素化に向けた取り組みを加速するプログラム「aNET ZEROイニシアティブ」を主宰しており、各地域を代表するプレキャストメーカーや生コン工場に対し、脱炭素に貢献する自己治癒コンクリートやカーボン除去の先進技術を供与する一方、新たな脱炭素系技術の共同開発や実装に取り組んでいます。

 

 建設業界が脱炭素を進めるには、自社の直接的なCO2排出だけでなく、仕入れ資材の上流工程などを含む「Scope3」ベースで炭素量を管理する必要があります。建設時にコンクリートを大量に仕入れるゼネコンや発注元であるデベロッパーにとって、主要資材であるコンクリートを可能な限り低炭素型に切り替え、その結果としてセメント・コンクリート由来の炭素が当該建設工事でどれだけ削減されたかを、改ざんや二重計上されない形で記録管理して行くことが極めて重要になると判断しました。

 

サプライチェーン排出量の算定基準

 

~企業間ウォレットでdouble jump.tokyoと提携~

 当社はブロックチェーン技術を活用した炭素削減量の計算根拠となる証跡データをNFTとして発行するシステム「Decarbo-Badge Factory」(デカボバッジ・ファクトリー)を独自に開発するとともに、ウォレットを介してNFTを企業間で安全かつスムーズにやり取りするためWeb3技術に優れたdouble jump.tokyo株式会社(本社東京、代表取締役CEO 上野 広伸)と提携し、6月から協定締結会社とその取引先を対象とする「脱炭素経営プラットフォーム」の運用を開始いたします。実際のシステムの提供や運用サポートは新設するaNET ZERO社が担当します。

 

 具体的には、「aNET ZEROイニシアティブ」に参加したコンクリートメーカーが、脱炭素技術を使用した特殊コンクリート製品をコントラクター(ゼネコン/ハウスメーカー)に納品する際に、自社の基幹システムに記録されている出荷データや製品の原材料・配合マスタを元に製造で発生するCO2排出量(ベースライン)と使用した脱炭素系技術で得られるCO2削減量を、今回新たに開発したWebサービス「Decarbo-Badge Factory」にWebAPIを介して送信することにより、NFTの発行及びその削減量の根拠となる計算内訳データをHTMLページとして自動作成します。発行したNFTは「Decarbo-Badge Factory」のユーザーアカウント専用ページで検索・一覧表示することができます。

 

 aNET ZERO社は協定締結会社向けのWebサービスである「Decarbo-Badge Factory」と各社の基幹システムとのデータ連携を促し、CO2削減技術を使用したコンクリート製品が出荷される度にシステムに登録され、カーボンクレジットの「証明書」としてNFTが発行される脱炭素証明の自律的な組織運営を目指して参ります。

 

 脱炭素の証明書となるNFTについては、製品を購入したゼネコン、最終的には発注元のデベロッパーなどにウォレットを介して移転させ、ブロックチェーンの特性を活かしたScope3ベースの炭素削減量のトレーサビリティ確保・改ざん防止・二重計上防止を実現することが本プラットフォームの目的と位置付けています。

 

 全ての参加者が安心して簡単にシステムを利用できるよう、ウォレットには、double jump.tokyoが提供する企業向けの「N Wallet」を導入します。N Walletは個人が利用するウォレットとは異なるビジネス向けの管理機能を備えており、秘密鍵を直接管理しない、ダブルチェック申請・承認により暗号資産の不正利用や不透明な取引を防止することなどを可能とします。aNET ZERO社は「Decarbo-Badge Factory」と「N Wallet」を連携させたシステムを2023年6月30日にローンチいたします。

 

~行動変容支援アプリも追加開発~

 さらにaNET ZERO社は、社員の通勤時間の炭素量や保有する車両の炭素量を正確に把握して、社員や物流委託先の低炭素化に向けた行動変容を支援するアプリ型の追加機能開発を、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のスタートアップ、TRAM Global社(米デラウェア州、CEO:ラミロ・アルメイダ)と提携して進めることで同社と基本合意しました。

 

 TRAMは、人々に移動行動の変化を促し、炭素排出量のさらなる削減につなげることをミッションにしています。例えば、通勤時に徒歩や自転車などを利用すると移動時間や速度から利用した交通手段が自動推定され、車を利用した場合に比べて減らせた炭素量に応じたトークンを受け取れるなどの仕組みを、AI(人工知能)を活用しながら開発しています。こうしたアプリの開発・導入で、脱炭素経営に広く社員や取引先を巻き込み、現状は「みなし」処理している通勤時の炭素発生量を正確に把握するととともに、ゲーム感覚で行動変容を促すための実証も進めて参ります。

 

~建設業界の新たな『生き方』に~

 当社の會澤祥弘社長は10日、脱炭素経営プラットフォームについて、以下のコメントを発表しました。

 

「当社が2035年までのネットゼロにコミットし、脱炭素第一(Decarbonization First)を経営のモットーとして掲げて以来、社内では脱炭素を『デカボ』と略称してきました。デカボの実践手段は、自己治癒コンクリートによる超高耐久化やカーボン除去など様々であり、施主や元請の考えや現場の状況などを考慮しながら、使用する技術や工場の選定を含めて最適な処方箋を探る実に創造的な仕事となります。

 

 このように現場ごとに唯一無二の製品を出荷する脱炭素の活動記録には、非代替的なデジタルアートの流通などに使われ、改ざんや二重計上を許さず、取引の流れを確実にトレースできるNFTの利用が現状最も適しており、脱炭素関連の非財務データをNFT化したものを「デカボバッジ」と命名し、コンクリート系脱炭素の証明書として広く普及させて行くことを決断した次第です。

 

 6月末にはaNET ZEROの協定締結会社はプレキャスト50社、生コン50プラント程度に拡大する見通しで、脱炭素経営プラットフォームをベースとする私たちの集団的で自律的な動きは建設業界の脱炭素化をさらに前進させることになるでしょう。システムを運用する新会社を、イノベーションをテコにして復興を進める福島県浪江町に新設することで、私たちの活動が福島復興の一助になればとも考えました。

 

福島県浪江町に建設中の福島RDMセンター

 

 NFTを脱炭素証明として利用することはもとより、特定の産業セクターが既存のNFTマーケットプレイスを使わずにNFTの登録・発行・譲渡までを行うプラットフォームを自主運用するのは恐らく例がなく、Web3の先駆的な事例ともなるはずです。期限付きネットゼロにコミットしたわが国の主要なコンクリートメーカーが本プラットフォームを使って集団的な行動をとることにより、コンクリートの調達や管理に係る手法が私たち建設関連業界の『新たな生き方』として普及して行くことを願っています」

 

 

■會澤高圧コンクリートについて

 Innovate・Challenge・Trustの理念のもと、コンクリートマテリアルと先端テクノロジーを掛け算して新たな企業価値の創造に取り組む総合コンクリートメーカー。バクテリアの代謝機能を活⽤してクラック(ひび割れ)を⾃ら修復する⾃⼰治癒コンクリート(Basilisk)や速乾性のセメント系材料を使ったコンクリート3Dプリンターといった新機軸をMITやデルフト⼯科⼤学等との産学協⼒をテコに⽮継ぎ早に打ち出し、伝統的な素材産業からスマートマテリアルを基軸とするイノベーション・マーケティング集団へとDXを仕掛けています。2023年3⽉末の売上⾼209億円。従業員611名。

 

會澤高圧コンクリート株式会社 Webサイト:https://www.aizawa-group.co.jp/

 

aNETZEROイニシアティブ Webサイト: https://www.a-netzero.com/

 

 

(本プレスリリースの問い合わせ先)

■會澤高圧コンクリート株式会社

デジタル経営本部副本部長/aNET ZEROイニシアティブ事務局長

嘉津山 公一(080-2879-8218)

 

■會澤高圧コンクリート株式会社

未来開発本部デジタルマーケティング統括

大橋 未来(080-2740-0971)

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

aNETZERO脱炭素経営プラットフォーム概念図

サプライチェーン排出量の算定基準

福島県浪江町に建設中の福島RDMセンター

會澤高圧コンクリート株式会社 会社情報

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