ギリアド、2023年第2四半期業績を発表
ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比11%増の63億ドル
2023年8月24日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアド、2023年第2四半期業績を発表
-ベクルリーを除く製品売上高は、前年同期比11%増の63億ドル- -ビクタルビの売上高は、前年同期比17%増の30億ドル- -オンコロジー領域の売上高は、前年同期比38%増の7億2800万ドル- -純利益に訴訟和解金5億2500万ドルを反映(1株当たり0.32ドル)-
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下ギリアド)は8月3日、2023年第2四半期の業績を発表しました。
ギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)ダニエル・オデイ(Daniel O’day)は「今期もギリアドは、収益面および臨床面において、引き続き好調な実績を維持しました。ベースビジネス全体で売上高が前年同期比11%増という結果は、HIV、オンコロジー、および肝臓疾患領域におけるギリアドの多様なポートフォリオによるものです。ギリアドは、6つの治療薬について規制当局から新たに肯定的な見解を得るとともに、当社のパイプラインに関する多くのデータを発表しました。これにより、当社が世界中のより多くの患者さんやコミュニティの一助となる可能性が高まりました」と述べています。
2023年第2四半期の業績
• 2023年第2四半期の収益は、2022年同期比5%増の66億ドルで、これは主に、HIVおよびオンコロジー領域の売上増によるもので、ベクルリー(R)(レムデシビル)の売上減により一部相殺されました。
• 希薄化後1株当たり利益(EPS)は、2022年同期の0.91ドルに対し、2023年第2四半期は0.83ドルに減少しました。これは主に、HIV反トラスト訴訟における一部の原告に対する5億2500万ドルの訴訟和解金(希薄化後EPSに対し0.32ドルのマイナスの影響)、その他の営業費用増および税費用によるものですが、製品売上増、および株式投資について、2022年度では含み損であったのに対し、含み益となったことにより一部相殺されました。
• 非GAAPベースの希薄化後EPSは、2022年同期の1.58ドルに対し、2023年第2四半期は1.34ドルに減少しました。これは主に、前述の訴訟和解金(非GAAPベースの希薄化後EPSに対し0.32ドルのマイナスの影響)やその他の営業費用増によるものですが、製品売上増により一部相殺されました。
• 2023年6月30日現在、ギリアドの現金、現金同等物および有価証券は80億ドルで、2022年12月31日現在の76億ドルから増加しています。
• 2023年第2四半期の営業キャッシュフローは23億ドルでした。
• 2023年第2四半期中、ギリアドは9億4400万ドルの現金配当を支払い、1億5000万ドルの普通株式を買い戻しました。
製品売上
2023年第2四半期の製品総売上高は、2022年同期比7%増の66億ドルでした。2023年第2四半期のベクルリーを除く製品売上高は、2022年同期比11%増の63億ドルとなりました。これは主に、HIVや細胞治療薬、Trodelvy(R)(sacituzumab govitecan-hziy)の売上増によるものです。
2023年第2四半期のHIV製品の売上高は、2022年同期比9%増の46億ドルとなりました。これは主に、有利な価格設定の動きおよび需要増によるものですが、チャネル在庫の減少により一部相殺されました。
• ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg(FTC)/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(TAF))の2023年第2四半期の売上高は、2022年同期比17%増でした。これは主に、需要増および有利な価格設定の動きによるものですが、チャネル在庫の減少により一部相殺されました。
• デシコビ(R)(FTC 200 mg/TAF 25 mg)の2023年第2四半期の売上高は、2022年同期比12%増でした。これは主に有利な価格設定の動きと需要増によるものですが、チャネル在庫の減少により一部相殺されました。
C型慢性肝炎ウイルス(HCV)、B型慢性肝炎ウイルス(HBV)およびD型慢性肝炎ウイルス(HDV)を含む、2023年第2四半期の肝臓疾患領域の売上高は、2022年同期比4%増の7億1100万ドルとなりました。これは主に、需要増によるものですが、不利な価格設定の動きにより一部相殺されました。
細胞治療薬の2023年第2四半期の売上高は、2022年同期比27%増の4億6900万ドルとなりました。
• イエスカルタ(R)(axicabtagene ciloleucel)の2023年第2四半期の売上高は、前年同期比29%増の3億8000万ドルとなりました。これは主に、再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の二次および三次治療に対する根強い需要によるものです。
• Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)の2023年第2四半期の売上高は、前年同期比21%増の8800万ドルとなりました。これは主に、R/R成人急性リンパ性白血病(ALL)およびR/Rマントル細胞リンパ腫(MCL)に対する需要増によるものです。
Trodelvyの2023年第2四半期の売上高は、2022年同期比63%増の2億6000万ドルでした。これは主に、米国における治療歴のあるHR+/HER2-転移性乳がん(mBC)に対する採用増によるものです。
ベクルリーの2023年第2四半期の売上高は、2022年同期比43%減の2億5600万ドルとなりました。これは主に、全地域におけるCOVID-19関連入院率低下によるものです。ベクル
リーの売上は、一般的に新型コロナウイルス関連の数値、感染の重症度と入院率、ワクチンと代替薬利用の可能性、採用、および有効性に影響を受けます。
2023年第2四半期の製品売上総利益率、営業費用、および実効税率
• 2023年第2四半期の製品売上総利益率は2022年同期の76.5%に対し、78.0%でした。2023年第2四半期の非GAAPベースの製品売上総利益率は、2022年同期の85.6%に対し、86.9%でした。
• 2023年第2四半期の研究開発(R&D)費および非GAAPベースのR&D費は、2022年同期の11億ドルに対し、14億ドルでした。この増加は主に、臨床活動の増加によるものです。
• 2023年第2四半期の買収によるR&D (IPR&D)費は、2億3600万ドルでした。これは主に、XinThera, Inc.(XinThera)買収、およびArcus Biosciences, Inc.(Arcus)との共同事業拡大によるものです。
• 2023年第2四半期の販売費および一般管理費(SG&A)は、2022年同期の14億ドルに対し、18億ドルでした。2023年第2四半期の非GAAPベースのSG&A費は、2022年同期の13億ドルに対し、18億ドルでした。この増加は主に、前述の訴訟和解金、およびオンコロジーおよびHIV領域における営業活動増によるもので、全社費用減により一部相殺されました。
• 2023年第2四半期の実効税率(ETR)は、2022年同期の24.5%に対し、34.6%でした。これは主に、繰延税金負債の再測定によるものです。また、2023年第2四半期の非GAAPベースのETRは、2022年同期の19.3%に対し、21.0%でした。
ガイダンス、および今後の見通し
ギリアドの2023年通期業績見通しは以下の通りです。
• 製品総売上高は263億ドル~267億ドル(前回のガイダンスでは260億ドル~265億ドル)。
• ベクルリーを除く製品総売上高は246億ドル~250億ドル(前回のガイダンスでは240億ドル~245億ドル)。
• ベクルリーの総売上高は約17億ドル(前回のガイダンスでは20億ドル)。
• 希薄化後1株当たり利益は、4.50ドル~4.85ドル(前回のガイダンスでは4.75ドル~5.15ドル)。
• 非GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は6.45ドル~6.80ドル(前回のガイダンスでは6.60ドル~7.00ドル)。
2023年のガイダンスに関するGAAPベースおよび非GAAPベースの財務情報の追加情報と調整は、添付の表に記載されています。また、後述の「将来予測に関する記述」もご参照ください。財務ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症パンデミックの期間や規模に関する不確実性など、多くのリスクや不確実性を伴います。
前回の四半期報告書以降の主な更新情報
ウイルス性疾患
• ベクルリーが、透析実施例を含む重度の腎機能障害を有するCOVID-19患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)および欧州委員会(EC)より適応拡大承認を取得しました。
• ビクタルビについて、ウイルス学的に抑制された妊婦などHIV陽性者のさまざまな集団において、安全性および有効性プロファイルをさらに示すデータを、国際エイズ学会(IAS)で発表しました。また、複数の治療歴のあるHIV陽性者を対象としたレナカパビルに関する第II/III相CAPELLA試験の患者報告アウトカムや、レナカパビルの経口剤をブリッジングレジメンとして使用した場合のデータについても発表しました。ただし、経口剤ブリッジングでのレナカパビルの使用はいかなる規制当局にも承認されていません。
• HDVに対するbulevirtideを評価する第III相MYR301試験の新たな長期データを、欧州肝臓学会(EASL Congress 2023)で発表しました。そのデータから、48週目と比較して、96週目に奏効率の改善が認められました。さらに、ウイルス性肝炎および肝線維症を中心に抄録の発表も行いました。
• Hepcludex(R)(bulevirtide)が、 慢性HDVおよび代償性肝疾患を有する成人患者さんの治療薬として、ECより製造販売承認を取得しました。同剤は当初、2020年7月に条件付き製造販売承認を取得していました。bulevirtidは依然として、欧州において唯一承認されているHDV治療薬ですが、米国では承認されていません。
• 低中所得国における小児HIV陽性者の治療率およびアドヒアランス率向上を目的とした、Clinton Health Access InitiativeおよびPentaとのパートナーシップを発表しました。
オンコロジー
• Trodelvyが、内分泌療法をベースとする治療およびその後に、少なくとも2つ以上の全身療法を受けた、切除不能または転移性のHR+/HER2- mBCの成人患者さんに対する単剤療法として、ECより承認を取得しました。
• 治療歴のあるHR+/HER2- mBCに対するTrodelvyを評価する第III相TROPiCS-02試験から得られた全生存期間(OS)の長期データを、2023年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表しました。そのデータから、対照薬となる化学療法と比較して、Trodelvyの継続的かつ臨床的意義のあるOS中央値の改善が認められました。また、Trodelvyの進行子宮内膜がんに対する治療薬としての可能性を評価する第II相試験のデータも発表しました。
• R/R LBCLの二次治療におけるイエスカルタについて、第III相ZUMA-7試験から得られたOSデータをASCOで発表しました。そのデータから、標準治療と比較して、OSの有意な延長が認められました。さらに、MCLにおけるTecartusのリアルワールドエビデンスデータを発表し、以前受けた治療の種類に関わらず、一貫して高い完全奏効率(CRR)および全奏効率(ORR)を示したことを報告しました。
• 欧州血液学会(EHA)年次総会で、多くの血液悪性腫瘍に対するイエスカルタ、Tecartusおよびmagrolimabを評価するデータを発表しました。
• 英国国立医療技術評価機構(NICE)からびまん性LBCLおよび高悪性度B細胞リンパ腫の二次治療におけるイエスカルタの使用について、英国国民保健サービス(NHS)からR/R 前駆B細胞 ALLに対するTecartusの使用について、推奨を受けました。
• KiteとShanghai Fosun Pharmaceutical (Group) Co., Ltd.のジョイントベンチャーであるFosun Kite Biotechnology Co., Ltd.を通じ、一次治療の免疫化学療法が上手くいかなかった、あるいは一次治療の免疫化学療法後12カ月以内に再発したR/R LBCL成人患者さんの治療薬として、axicabtagene ciloleucel(製品名:Yikaida(R))が、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の承認を取得したことを発表しました。
• 日本におけるイエスカルタの製造販売承認について、第一三共株式会社(第一三共)からギリアド・サイエンシズ株式会社への承継が完了しました。
• PD-L1高発現の転移性非小細胞肺がんの一次治療におけるdomvanalimab, zimberelimabおよびetrumadenantに関する第II相ARC-7試験の中間解析データをASCOで発表しました。そのデータから、domvanalimab併用群において、zimberelimab単剤療法群と比較して、無増悪生存期間(PFS)の一貫した改善、ならびに進行および死亡リスクの臨床的意義のある低下が認められました。
• 高リスク骨髄異形成症候群に対して、magrolimabをアザシチジンと併用する第III相ENHANCE試験が、計画された解析に基づく無益性により、中止となったことを発表しました。本試験のデータは、今後の医学学会で発表される予定です。
• XinTheraの買収を発表しました。これにより、オンコロジー領域ではPARP1を、炎症領域ではMK2を標的とする小分子阻害剤のポートフォリオに対する権利を含む、パイプライン資産が追加されました。
炎症領域
• 炎症性疾患における研究プログラム追加を目的とした、Arcusとの共同事業拡大を発表しました。
企業展開
• シンディ・ペレッティ(Cindy Perettie)をKiteの副社長(EVP)に任命しました。同氏は、グローバルバイオ医薬品企業の科学部門および商業部門において、20年以上にわたるリーダーシップ経験を積んできました。当社取締役会は、2023年第3四半期の普通株1株当たりの四半期配当は0.75ドルとしたことを発表しました。配当金は、2023年9月15日の営業終了時に登録されている株主に対して、2023年9月28日に支払われます。将来の配当は取締役会の承認を得るものとします。
本プレスリリースでは、一部の金額および割合が四捨五入されているため、係数の総和が一致していない、再計算で数字が合わない場合があります。
電話会議
ギリアドは、太平洋時間8月3日午後2:00に業績説明のための電話会議を開催します。
ウェブでの生配信はhttp://investors.gilead.comでご覧いただけます。また、アーカイブはwww.gilead.comで1年間ご覧いただけます。
非GAAPベースの財務情報
本資料に記載されている情報は、非GAAPと明記されていない限り、米国では一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づいて作成されています。経営陣は、非GAAP情報をギリアドのGAAP財務情報と併せて検討することにより、投資家に有益な情報を提供できると考えています。これは、経営陣がこのような情報を経営、予算管理、および財務計画を目的として社内で使用しているためです。非GAAP情報は、包括的な会計規則に基づいて作成されたものではなく、GAAPに基づいて報告されたギリアドの業績の理解を補完するためにのみ使用されるべきものです。一般的に、非GAAP財務情報には、買収無形資産償却費、棚卸資産のステップアップ費用、その他通常では想定できない項目やギリアドの事業の基本的な事業状況を反映していない項目を含む取得関連費用、保有株式等の公正価値評価、税法やガイドラインの変更に伴う個別の税金費用や便益などは含まれていません。ギリアドは非GAAP財務情報から買収した無形資産の償却費を一貫して除外していますが、経営陣は、このような無形資産が買収の一部として計上され、継続的な収益創出に貢献していることを投資家に理解してもらうことが重要であると考えています。非GAAP評価指標は、同業他社では異なる定義や計算方法を採用している場合があります。非 GAAP ベースの財務指標と最も直接的に比較できるGAAP基準の財務指標との比較表は、下記の表をご参照ください。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとってのより健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界 35 カ国以上で事業を行っています。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 ギリアド・サイエンシズ株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL https://www.gilead.co.jp/
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