リサンキズマブ、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する治療薬として日本における適応追加承認を申請

アッヴィ

2023年9月14日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、リサンキズマブ(遺伝子組み換え)について、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、日本における適応追加承認を申請

 

ー 潰瘍性大腸炎は30代以下での発症が多く、患者数が増加傾向にある指定難病1,2

ー 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした、複数の国際共同試験データから得られた結果に基づく申請3,4

ー リサンキズマブはIL-23を選択的に阻害する生物学的製剤であり、これまでに日本において6つの適応症に対する治療薬として承認取得

 

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は、本日、リサンキズマブ(遺伝子組み換え)(以下、「リサンキズマブ」)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした、静脈内(IV)投与による寛解導入療法および皮下投与による維持療法の治療薬として適応追加承認を申請しました。日本においてリサンキズマブは、2019年3月に既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、2022年9月に中等症から重症のクローン病、2023年5月に中等症から重症の掌蹠膿疱症に対する治療薬として製造販売承認を取得しました。

 

潰瘍性大腸炎は、原因不明の炎症により、大腸の粘膜が傷つき、びらん(ただれ)や潰瘍ができる指定難病です。慢性的な下痢・血便、腹痛に加え、発熱や貧血などの症状が現れ、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返します。潰瘍性大腸炎の原因はまだ完全には分かっていませんが、細菌や異物などから身体を守る「免疫」の異常が関係していると言われています。30歳以下の患者さんで多く発症しますが、小児や50歳以上の年齢層にもみられ、日本国内における患者数は約 22 万人と年々増加しています1,2

 

潰瘍性大腸炎の治療では薬物治療による寛解を目指し、できるだけ長く再燃のない状態を維持することが大切です。しかし、重症患者さんの 30%で最終的に結腸全摘除術が必要となる場合もあります5。また、従来の生物学的製剤では有効性の発現が遅い患者さんも一部存在することや、継続投与によって起こり得る効果の減弱、過敏症反応などを引き起こす可能性もあります。そのため、安全で持続性があり、有効な新たな治療選択肢に対するアンメットメディカルニーズが存在します6-11。こうした状況を背景に、アッヴィはリサンキズマブの潰瘍性大腸炎に対する開発に着手し、このたび適応追加承認を申請しました。


今回の申請は、日本人も参加している複数の第IIb/III相国際共同試験のデータから得られた結果に基づいています3,4。0 週、4 週および 8 週時に リサンキズマブ1200 mg のIV投与を行う寛解導入療法試験のINSPIRE試験では12週時において、その後8週間ごとに180mgまたは360mgを皮下投与する維持療法試験のCOMMAND試験では52週時において、対照群と比較してリサンキズマブ群で有意に多くの患者さんが、主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayo スコアに基づき判定)および主な副次評価項目を達成しました3,4。これらの試験におけるリサンキズマブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、安全性に関する新たなリスクは認められませんでした3,4

 

INSPIRE試験、COMMAND試験について3,4

本申請の根拠となった複数の国際共同試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした多施設共同、二重盲検、無作為化比較対照試験です。4週ごとに1200 mgをIV投与する導入療法試験であるINSPIRE試験と、寛解導入後8週ごとに180 mgまたは360 mgを皮下投与する維持療法試験であるCOMMAND試験において、リサンキズマブの有効性および安全性を評価しています。

 

INSPIRE試験は、既存治療や先進治療(生物学的製剤、JAK 阻害薬および/またはS1P受容体モジュレーター)で不耐容または効果不十分であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象としていました3。その後、INSPIRE試験で臨床的改善を達成した患者さんを対象としたCOMMAND試験では、約75%の患者さんがこれまでに潰瘍性大腸炎に対する 1 種類以上の先進治療(生物学的製剤、JAK 阻害薬および/または S1P 受容体 モジュレーター)で不耐容または効果不十分であった患者さんでした4。INSPIRE試験、およびCOMMAND試験で得られた主要な結果は、それぞれ20233および20236に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03398148、NCT03398135)に掲載されています。

 

リサンキズマブについて

リサンキズマブはインターロイキン-23(IL-23)のサブユニットp19に結合し、IL-23 を選択的に阻害するヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤です。日本において、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を有する患者さんの治療薬として、2019年3月に製造販売承認されました。また、2022年9月には中等症から重症のクローン病、2023年5月には中等症から重症の掌蹠膿疱症の成人患者さんの治療薬としても製造販売承認を取得しました。

 

リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイム社とアッヴィとの業務提携の一環で開発され、アッヴィが世界的にリサンキズマブの開発と販売を主導しています。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。

 

日本においては主に、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオで、製品の開発と提供に取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookYouTubeでも情報を公開しています。

 

 

1.難病情報センター 潰瘍性大腸炎(指定難病 97) https://www.nanbyou.or.jp/entry/62 20223年8月11日確認

2.厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 総括研究報告書(平成 28 年度)

3.AbbVie. Data on file: ABVRRTI75696.

4.AbbVie. Data on File: ABVRRTI76012

5.Gajendran M, Loganathan P, Jimenez G, et al. A comprehensive review and update on ulcerative colitis.Dis Mon. 2019 Dec;65(12):100851

6.Rutgeerts P, Sandborn WJ, Feagan BG, et al. Infliximab for induction and maintenance therapy for ulcerative colitis. N Engl J Med. 2005;353(23):2462-76.

7.Sandborn WJ, van Assche G, Reinisch W, et al. Adalimumab induces and maintains clinical remission in patients with moderate-to-severe ulcerative colitis. Gastroenterology. 2012;142(2):257-65.e1-3.

8.Feagan BG, Greenberg GR, Wild G, et al. Treatment of ulcerative colitis with a humanized antibody to the alpha4beta7 integrin. N Engl J Med. 2005;352(24):2499-507.

9.Sandborn WJ, Feagan BG, Marano C, et al. Subcutaneous golimumab induces clinical response and remission in patients with moderate-to-severe ulcerative colitis. Gastroenterology. 2014;146(1):85-95; quiz e14-5.

10.Australian Crohn's and Colitis Association (ACCA). The economic costs of crohn's disease and ulcerative colitis. 2007 Jun.

11.Romano C, Syed S, Valenti S, Kugathasan S. Management of acute severe colitis in children with ulcerative colitis in the biologics era. Pediatrics. 2016 May;137(5):e20151184. doi: 10.1542/peds.2015-1184.

 

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