全国の15歳~74歳の男女2686人に聞いた 「たんぱく質」意識調査

代表的な5栄養素の中で「たんぱく質」の摂取意識が1位に!

たんぱく質への印象も「健康維持のために誰もが積極的に摂るべきもの」が伸長

一方、「たんぱく質」の1日あたりの摂取の必要量や推奨量の認知は11.0%に留まる

~たんぱく質が足りないことによる体調の乱れや効率的な摂り方を専門家が解説~

 

 「めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会」では、このほど「たんぱく質」に関する意識調査を実施しました。

 本調査は「たんぱく質」摂取の意識や実態把握に向け、全国の15歳~74歳の男女2686人を対象に行ったものです。

 

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「めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会」は「日本人のたんぱく質摂取量低下」という社会問題に取り組むため、株式会社明治、伊藤ハム米久ホールディングス株式会社、マルハニチロ株式会社の食品メーカー3社が連携、日本の低栄養という社会課題解決に向け「たんぱく質」摂取の啓発を通じて、全ての年代の方が心身ともに健康で安心して暮らせる社会「ウェルネス社会」の実現を目指して2022年6月17日に設立したコンソーシアム(共同事業体)です。

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【調査概要】

・調査対象者:全国在住15-74歳男女 2686名

<年齢>

15-19歳:168名、20-29歳:358名、30-39歳:411名、40-49歳:534名、

50-59歳:487名、60-69歳:458名、70-74歳:270名

・調査方法:インターネット調査

・調査実施機関:株式会社電通マクロミルインサイト

・調査時期:2023年3月3日~2023年3月6日

 

【調査結果】

 

代表的な栄養素の摂取状況・意識の実態

・普段から「たんぱく質」を摂るようにしている人は6割弱の57.2%で代表的な5栄養素の中でトップ。

・「1日あたりの摂取の必要量や「推奨量」がどの程度か知っている栄養素」は、最もスコアが高い「たんぱく質」でも11.0%に留まる。

・「たんぱく質」の摂取タイミングは「夕食時」(68.8%)が最多。

 

 「たんぱく質」「食物繊維」「鉄分」「カルシウム」「ビタミン」の5栄養素を挙げ、その摂取意識を見ると「普段から、積極的に摂るようにしている」+「普段から、なるべく摂るようにしている」の合計では「たんぱく質」が57.2%で最も高く、以下「食物繊維」(56.9%)、「ビタミン※1」(54.1%)、「カルシウム」(50.8%)、「鉄分」(39.6%)の順となりました。

  また、「普段から積極的に摂るようしている」だけでみても「たんぱく質」が5栄養素の中では最も高くなっています。 


※1

ビタミン類の総称の意図で聴取。以降同様。

 

 さらに、5栄養素の中の「摂取意向(摂取をしたいと考える気持ちの変化)の変化」を聞くと、前回調査との比較でみたときにたんぱく質が1年間で4.4ポイント増加しており、5つの栄養素の中で最も高い増加率になりました。

 


 

 では、どうして「たんぱく質」を摂取しようと思っているのでしょうか。「たんぱく質」を「積極的に摂るようにしている」「なるべく摂るようにしている」人にその理由を尋ねると「たんぱく質は身体にとって重要な栄養素だから」(54.1%)が最も多く、以下「筋肉を維持・増やしたいから」(45.4%)、「体力低下を防ぎたいから」(35.6%)、「加齢による身体の衰えが気になるから」(29.3%)、「基礎代謝を高めたいから」(27.1%)、「免疫力・抵抗力を向上したいから」(26.7%)などと続き、上位には「効果への期待・理由」が挙げられています。

 たんぱく質に対して筋肉維持・増強のみならず、『身体にとって重要』『体力の低下を防ぐ』『基礎代謝を高める』など、たんぱく質が健康的な日常生活を送る上で誰しもに欠かせない栄養素であることの理解度が高いことが伺えます。

 


 では逆に「たんぱく質」が「あまり摂れていない」「全く摂れていない」という人はどうして摂れていないのか、その理由を聞きました。

 「毎日意識して摂り続けるのが大変だから」(27.8%)、「どのくらい摂ればいいのか分からないから」(25.4%)、「どんな食品を食べたらいいのか分からないから」(24.3%)の3つの理由がそれぞれ20%を超えて他の理由よりも多くなっており、摂れていない「ハードル」となっているようです。

 


 また、「1日あたりの必要量や「推奨量」がどの程度か知っている栄養素」を聞くと「たんぱく質」がトップになりました。数値的には11.0%という低いレベルながら前回調査よりも2.1ポイント増と他の栄養素に比べて増加していました。「推奨量」の理解は進んでいるようですが、まだ十分な数値とはいえないのが現状です。

 


 「たんぱく質」をどのタイミングで摂取するようにしているのかというと、「夕食時」(68.8%)、「朝食時」(47.6%)、「昼食時」(40.2%)の3つが主要な摂取タイミングとなっており、3食の中でも偏りが見られます。

 


たんぱく質への印象 / 「たんぱく質に関して言われていること」に対する関心度

・前回に比べて「健康維持のために誰もが積極的に摂るべきもの」「『たんぱく質』は意識して摂らないと、不足している人が多い」が大きくポイントアップ

 

 ここでは「たんぱく質」に対する考え方を示して「たんぱく質についてどのような印象を持っているか」を聞いています。

 すると「筋肉をつけたい人が積極的に摂るべきもの」と考えている人が半数強の55.2%となっていますが、この回答は前回よりも0.5ポイント減っています。それに対して「健康維持のために誰もが積極的に摂るべきもの」(45.7%)は前回よりも2.9ポイント、「『たんぱく質』は意識して摂らないと、不足している人が多い」(35.0%)が前回よりも2.7ポイントそれぞれ増えており、筋肉量増強のためだけでなく、健康維持のための「たんぱく質」摂取への理解や関心が高まっていることが伺えました。

 

 

 また、「たんぱく質に関して言われていること」を提示しその関心度を聞くと、関心を持った(「とても関心を持った」+「まあ関心を持った」)人では「摂り入れることで、免疫力を高めることが出来る」(74.5%)、「摂り入れることで、体力の低下を防ぐことが出来る」(73.9%)、「摂り入れることで、基礎代謝の低下を防ぐことが出来る」(73.5%)、「筋肉や臓器をつくる、非常に重要な働きをしている」(72.9%)などが上位に挙げられました。

 これらの結果から、『たんぱく質=筋肉』だけではない、『健康維持』との関連性における関心が高まっていることが、たんぱく質の摂取意識を高めている原因の一つとして考えられます。

 

 

普段の運動状況と運動頻度

半数弱(44.8%)が「運動はしていない」。運動頻度は月平均14.2

 

 普段の運動状況と頻度を聞きました。

 「自分の記録向上・筋力向上を目指して、比較的ハードな運動をしている(筋トレや水泳・マラソンなど)」から「普段の生活行動で意識的に体を動かすようにしている(一駅前から歩く・合間にストレッチをする・なるべく徒歩で移動するようにしている・ダイエットスリッパを履くなど)」など程度の差こそあれ「普段から何らかの運動をしている人」が55.2%いたものの、「運動をした方がよいと思っているが、特になにもしていない」、「特に運動に関心がなく、普段もしていない」など「運動はしていない人」が44.8%見られました。

 


 普段、運動をしている人にその頻度を尋ねると「ほぼ毎日」という人が17.1%いた他、「週5日程度」(16.7%)、「週3日程度」(16.4%)、「週2日程度」(16.0%)、「週1日程度」(13.5%)と続いています。

 前回と比較すると「週2日程度」が3.3ポイント(前回13.3%→今回16.0%)、「週5日程度」が2.0ポイント(前回14.7%→今回16.7%)増えているものの、「ほぼ毎日」が3.0ポイント(前回20.1%→今回17.1%)減っていることが影響しているのでしょうか、月平均回数では前回の14.5回から今回は14.2回と0.3回の微減となっています。

 


 

本調査のダイジェスト版レポートはこちらから

https://tanpakutoroukai.jp/report/16/

 

調査上で「推奨量」の内容を詳しく聞く設問においては、「推奨量」は、『日々の摂取量として「最低限の量」で、「これを下回ると不足のリスクが出てくる量」』として聴取しています。

 

専門家の見解

早稲田大学スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 宮地元彦教授

 

上記の調査結果に対する感想を早稲田大学スポーツ科学学術院の宮地元彦教授にお聞きしました。

 

調査結果について

 今回の調査結果と前回の比較という点では、約1年間の経過期間なので大きな変化は望めないことは前提としてありますが、「たんぱく質」をより多く摂取しようという意欲や態度が高まっている傾向にあることが見て取れます。

 

 「たんぱく質」を摂るタイミングに関しては、朝食時は忙しい人が多く、食事よりも睡眠を優先しがちだと思っていたので、意外にも朝に「たんぱく質」を摂るようにしている人が47.6%という結果は、良い傾向ではないかと感じました。

 ただし、理想的なことをいえば、朝昼晩の食事にはどんなタイミングであれ、100%の人に「たんぱく質」を適切に摂る意識をもってほしいと思います。

 

 調査内で普段の運動状況と頻度を聞くと4割強の人が運動をしておらず、全体では昨年よりも運動頻度が減っていることが分かりました。

 運動不足になることで筋肉量や筋力が減ってしまい、あるいはその他の体力が低下することもあり得ますし、社会に大きな影響を及ぼす可能性が出てくることも意味しています。運動が減るというのは単に肉体的に体力が低下したり筋力が減るということだけではなく、気持ちが落ち込んだりといったメンタルにも悪い影響が出てきます。

 また、運動不足に加えてたんぱく質の摂取量が低下することは、健康状態と要介護状態の中間とされる「フレイル」の原因にもなってしまいます。代謝の機能、生きるための機能などそうしたものを支えている筋肉や臓器を作り出すのが、「たんぱく質」です。

 以上のことから、「たんぱく質」を摂るということは「フレイル」だけでなく、さまざまな生活習慣病や、感染症のリスクを下げますので「たんぱく質」が足りない状況にならないようにしていく必要があります。

 

たんぱく質を効率的に摂るコツ

 たんぱく質を摂る方法としては、プロテイン商品などに頼り過ぎることなく、例えば肉や魚、卵、牛乳、ヨーグルト、大豆製品などの食品から摂ることが大事です。なぜならば、そういった食材はたんぱく質だけではなくて、私たちの体を作るために必要なその他の栄養素や食品成分も含んでいるからです。

 たんぱく質にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴がありますが、中でも、牛乳やヨーグルトやチーズに含まれる乳たんぱくは、必須アミノ酸9種類をバランスよく含み、なかでも筋肉を作るのに欠かせないBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンの3種類)を豊富に含んでいます。また、ヨーグルトや牛乳は手軽で生活に取り入れやすいというメリットもあります。

 ただし、特定の食品に偏らずバランスの良い食事を心がけること、急に変えるのではなく例えばたんぱく質であれば1日5~10g程度増やすことを目標にする、といったように無理せず自分のペースで続けることが大切です。

 

専門家プロフィール

早稲田大学スポーツ科学学術院 スポーツ科学部教授

宮地元彦(みやち・もとひこ)

 

1965年、愛知県生まれ。88年、鹿屋体育大学体育学部スポーツ体育課程卒業。90年、同大学大学院体育学研究科修士課程修了。99年、筑波大学博士(体育科学)。川崎医療福祉大学助教授、米国コロラド大学客員研究員、国立健康・栄養研究所身体活動研究部部長などを経て、2021年から現職。日本学術会議会員。厚生労働省の『健康づくりのための身体活動基準2013』『健康日本21(第2次)』の策定などにも関わる。

 

めざせ180g! たんぱく摂ろう会について

 

・設立

2022年6月17日

・参画会社 

―幹事会社:株式会社 明治・マルハニチロ株式会社・伊藤ハム米久ホールディングス株式会社

―賛助会員:株式会社ゼンショーホールディングス

・活動内容

ウェルネス社会(人生100年時代と言われる中、老若男女、すべての人々が心身ともに健康に暮らせる社会)の実現に向けて、さまざまな地域社会において、たんぱく質摂取の重要性についてメッセージを発信していきます。

・WEBサイト         

https://tanpakutoroukai.jp/

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

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宮地元彦先生

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