「大蓮花」と「小蓮花」としても知られる杭州オリンピックスポーツセンタースタジアムと杭州オリンピックスポーツセンター・テニスセンター

AsiaNet 100606（0020）

【杭州（中国）2024年1月2日新華社＝共同通信JBN】「長江下流域の南部（江南）を思い出すとき、その記憶の最も多くは杭州のことです。そして杭州といえば、浜江区が最も印象的です」

第19回アジア競技大会の期間中に、中国東部・浙江省の省都を訪れた多くのスポーツ関係者、アスリート、観客もそう感じたことでしょう。

環境に優しくて知性的かつ質素、そして洗練されたアジア競技大会は、参加者の心に忘れがたい印象を残しました。また、参加者は大会の主会場となった浜江区にも畏敬の念を抱いたかもしれません。同区はこのデジタル時代に東洋のロマンを感じさせ、素晴らしい開会式と閉会式、ハイテクで行き届いたサービスなど、全く新しい江南の都市を垣間見せました。

文字通り川沿いの地区である浜江区は、川の逆流で世界的に有名な銭塘江の近くにあります。アジア競技大会の後、Binjiang and Hangzhou National High-tech Industrial Development Zone（浜江・杭州国家ハイテク産業開発区）の間の統合行政区でもある浜江区は「より速く、より高く、より強く、より団結して」というスポーツ精神で発展し、新時代の江南のユニークな新都市を構築することで本拠地としての地位を固めています。

この新しい江南の都市は、科学技術革新に向けたワールドクラスの環境を誇ります。

アジア競技大会では、円盤投げの円盤を運んで陸上競技場を往復するロボット犬が極めて多くの観客と世界のメディアの注目を集めました。アジア競技大会史上で初めて使用されたこの四足歩行ロボットは、浜江に本社を置くUnitree Roboticsが開発しました。

Information Office of the People's Government of Hangzhou Binjiang District（杭州浜江区人民政府情報室）によると、Unitree Roboticsのようなハイテク企業の多くが浜江区を拠点にしています。30年の歴史を持つこの国家レベルのハイテク区の面積は、杭州の面積の約0.43％を占めるにすぎませんが、杭州のGDPの12％以上を生み出しています。一方、その研究実験開発の資金は現地GDPの約10％という驚くべき比率を占めており、72社の上場企業と2200社を超える国家ハイテク企業の誕生につながっています。

アジア競技大会後まもなく、浜江は新時代を先導することを続け、ハイテク拠点の壮大な青写真を発表しました。それは将来的に、銭塘江の南岸に計画面積37平方キロメートルの新しい科学技術イノベーションセンターである江南科学技術センター（Jiangnan Sci-tech Center）を建設するというものです。

江南科学技術センターには豊かなイノベーション資源があります。極微弱磁場用デバイスの開発に加え、同センターの周囲には、白馬湖実験室（Baima Lake Laboratory）、浙江大学浜江研究所（Binjiang Institute of Zhejiang University）、浙江インテリジェントセンシング技術イノベーションセンター（Zhejiang Intelligent Sensing Technology Innovation Center）、杭州電子科技大学浜江イノベーションセンター（Binjiang Innovation Center of Hangzhou Dianzi University）など、多数の高度な科学研究機関があります。これらの機関は、同区が世界をリードする科学技術パークになるための力を与え、イノベーションエコシステムの強力な担い手として展開するでしょう。

科学技術イノベーションの強力な産業チェーンは、杭州の経済発展における浜江の主導的な役割を強化しています。今年の第1‐3四半期、浜江のGDPは1765億8000万元に達し、前年同期比で7.9％増加しました。指定規模以上の産業付加価値は前年同期比で6.6％増加し、杭州で1位になりました。

この新しい江南の都市は、国際基準に沿った、開かれた投資環境を備えています。

10月下旬、浜江で独自に発展した新エネルギー自動車（NEV）企業であるLeapmotorは、杭州の多国籍グループStellantis（ステランティス）との戦略的協力に合意しました。StellantisはLeapmotorに15億ユーロを投資する予定で、これは中国の新興NEVメーカーへの単独の外国投資としては近年で最大のものです。

Leapmotorは杭州の三大自由貿易区（FTZ）の1つであるZhejiang Pilot Free Trade Zone（浙江自由貿易試験区）の浜江地区にあります。浜江区はFTZの高度な開放の機会を捉え、デジタル貿易の全産業チェーンにわたる制度的な開放に重点を置いています。

過去3年間で、浜江FTZエリアには1万8000社以上の企業が設立されました。実際の外資利用額は30億米ドルを超え、対外貿易は2200億元を超えました。

世界をリードする産業、世界クラスの企業、シリコンバレーに似た起業環境により、浜江は国際都市として高く認知されるまでになりました。

この新しい江南の都市は、質の高い生活環境を備えています。

銭塘江の南岸に位置する杭州オリンピックスポーツセンタースタジアムと杭州オリンピックスポーツセンター・テニスセンターは、それぞれ「大蓮花（Big lotus）」と「小蓮花（Little lotus）」としても知られ、満開の花を咲かせています。これらは「小さな白いボウル（Little White Bowl）」の浜江体育館とともにアジア競技大会後の杭州の新たな都市のランドマークとなり、新鮮な江南スタイルを提示しています。アジア競技大会のこうした会場は、地元の人々が文化やスポーツイベントを楽しむのに便利なレジャースポットになっています。

浜江には他にも余暇を充実させる場所が多数あります。国家文化産業実証区であるBaima Lake Ecological Creative City（白馬湖生態系クリエーティブシティー）では、China Cartoon and Animation Museum（中国漫画・アニメーション博物館）、China Internet Writers Village（中国インターネット作家村）、China International Cartoon & Animation Festival（中国国際漫画・アニメーションフェスティバル）、その他の国家文化イベントなど、文化とテクノロジーの深い融合を楽しむことができます。

浙江省の東部にある、唐王朝の詩歌経路の源流である西興古鎮（Xixing Ancient Town）や、江南の学者の博覧会場として知られる長河古鎮（Changhe Old Street）では、古代の魅力と現代的な雰囲気を併せ持つ、数千年を経た江南文化の旅を体験することができます。

浙江省初の現代的な産業コミュニティーである浜江の星光産業コミュニティー（Xingguang Industrial Community）では、企業と従業員は共用会議室などの公共サービスを利用できるだけでなく、教育、医療、育児に関する支援措置も受けることができます。さらに、フリスビースポーツのようなさまざまな社交ネットワーキング活動にも参加できます。

このコミュニティーは、他地域から来た多くの若者にくつろぎを与えるとともに、コミュニティー統治システムと機能の近代化を促進するための再現・拡張可能な体験を中国の他の都市に提供しています。

風光明媚な場所、投資政策の促進、配慮の行き届いた公共サービスにより、浜江は質の高い発展を促進する杭州の取り組みにおいて主導的な役割を果たすことにより、アジア競技大会の栄光を引き継いでいます。

ソース：The Information Office of the People's Government of Hangzhou Binjiang District

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（画像説明：「大蓮花」と「小蓮花」としても知られる杭州オリンピックスポーツセンタースタジアムと杭州オリンピックスポーツセンター・テニスセンター）

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（画像説明：浙江省自由貿易試験区の杭州地区浜江ブロック）