バイオ研究拠点を神戸市ポートアイランドに新設

グループの強みを掛け合わせオープンイノベーションを加速　時代が求める新素材の創出で社会課題解決に貢献

2024/1/18 14:42

2024年1月18日

長瀬産業株式会社

バイオ研究拠点を神戸市ポートアイランドに新設　 グループの強みを掛け合わせオープンイノベーションを加速 時代が求める新素材の創出で社会課題解決に貢献

　長瀬産業株式会社（東京都千代田区、代表取締役社長：上島　宏之、以下「長瀬産業」）は、グループのバイオの基盤研究の拠点であるナガセバイオイノベーションセンター（以下NBIC、神戸市西区）（※１）と、長瀬産業の100％子会社でバイオ素材メーカーである林原（本社：岡山市、代表取締役社長：安場直樹、以下「林原」）基盤研究機能を統合し、新たな組織の拠点として新研究所を建設することを決定しました。新研究所は神戸市ポートアイランドの神戸医療産業都市内に建設し、2027年4月以降の開設を予定しています。

統合の目的　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　NAGASEグループでは「ものづくりの課題を素材（マテリアル）で解決する会社」を掲げ、中期経営計画 ACE 2.0の成長戦略の一つとして研究開発機能を活用したバイオ分野での素材開発、新規事業の立ち上げを推進、将来の収益の柱とすることを目指しています。

　NBICと林原の基盤研究機能の統合は、互いの強みを掛け合わせることで新素材を創出する力を最大限に高め、新たな価値を提供していくことを目的としたものです。テーマ探索に始まり、菌株の育種・改良方法等の検討、物性や機能性の初期評価、小規模の生産スケールアップなどに取り組み、世の中のニーズに沿った新素材や新技術の実用化を目指します。グループ内のリソースでは事業化が困難なシーズについては、パートナー企業と積極的に連携することも検討しており、社内外を問わずバイオ技術の研究開発を推進します。

NBICの強み　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　微生物を利用した「バイオものづくり」分野での先端技術と独自の放線菌技術プラットフォームを保有しています。さらに、2020年には、独自のスマートセル（※２）技術を開発し、世界に先駆けてキノコ類に含まれる希少アミノ酸「エルゴチオネイン」の量産化に成功、2024年度の上市を目指します。

林原・基盤研究部の強み　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　微生物・酵素を様々な原料と掛け合わせ、トレハロースなどに代表される多種多様な機能性糖質を開発・量産化する技術を有しています。新規酵素の探索技術およびそれら酵素を用いた酵素反応による物質変換技術を強みとし、自然の力を最大限に利用して機能性糖質の大量生産を可能にするなど、グループのバイオ関連事業の中核としてサステナブルな素材の開発・提供を続けています。

新研究所の建設予定地・神戸医療産業都市について　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　神戸市ポートアイランド内にある神戸医療産業都市は、国内外からアクセスしやすく、製薬企業を始めとする様々なバイオ関連研究機関の集積地となっています。366社の企業・団体が進出（※３）しており、産官学でのオープンイノベーションの加速や優秀な人材の獲得が期待できます。

　ESG投資の拡大やSDGs意識の高まり、消費者トレンド（安全安心・健康志向・ナチュラル志向等）の変化を背景に、各業界において有機合成プロセスからバイオプロセスへの置き換えなどのニーズが高まっています。NAGASEグループは、バイオ領域においても「ものづくりの課題を素材（マテリアル）を通じて解決する」企業として、人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現に貢献してまいります。

※１：NBICは施設の老朽化に伴い、新研究所完成後に閉鎖されます

※２：バイオテクノロジーと情報解析等のデジタル技術により、代謝などの生物機能を適切に制御し最大限に引き出すようデザインされた細胞(微生物)のこと

※３：2023年12月末時点　（https://www.fbri-kobe.org/kbic/about/）

■新研究所の概要　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

2024年1月18日、以下の通り神戸市との土地売買契約を締結いたしました。

・住　所　：兵庫県神戸市中央区港島南町六丁目4番1号

・敷地面積：6,792.43平方メートル

・土地売買金額：1,188,675,000円

■参考　位置図