アッヴィ、片頭痛の予防治療薬としてatogepantの長期安全性および有効性を裏付ける最新データをAANで発表

アッヴィ

2024年5月9日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、片頭痛の予防治療薬としてatogepantの長期安全性および有効性を裏付ける最新データをAANで発表

 

ー 現在進行中である156週間継続試験の中間解析により、慢性片頭痛および反復性片頭痛を予防するatogepant 60 mgの長期の安全性、忍容性および有効性が裏付けられた

ー 70%の患者さんが、13~16週時に月間片頭痛日数の50%以上の減少を達成。この達成率は48週間の非盲検投与期間中も持続

ー 本研究結果は、米国神経学会(AAN)年次総会のEmerging ScienceプログラムScientific Platform Sessionにおいて口頭発表される予定

イリノイ州ノースシカゴ、2024年4月12日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、慢性片頭痛または反復性片頭痛の患者さんに対する片頭痛の予防治療薬として、atogepant経口投与における長期の安全性および忍容性を評価する進行中の第III相、非盲検、156週間継続試験の中間解析結果を発表しました。全体的な長期安全性評価結果は、慢性片頭痛および反復性片頭痛におけるatogepantのこれまでに認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のシグナルは認められませんでした。また、これらの結果は、他の急性期治療薬の月間使用日数の減少など主要な有効性評価項目の改善も裏付けています。

 

ハーバード大学医学部神経・麻酔科 助教授、ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターにある総合頭痛センター センター長および本研究の筆頭著者であるSait Ashina, MDは、次のように述べています。「片頭痛は、日常生活に多大な影響を及ぼし得る消耗性の神経疾患です。今回の結果は、慢性片頭痛患者さんを対象とした1年間にわたるatogepant投与データに関する初回報告として、反復性片頭痛の対象集団で長期に観察された安全性および有効性のデータに基づいており、atogepant投与によりさまざまな種類の片頭痛における片頭痛日数および急性期治療薬使用の減少へつながる可能性があることを示しています」

 

本継続試験には、ベースラインの月間片頭痛日数が14.5日であった、第III相PROGRESS試験およびELEVATE試験に登録し、両試験を完了した患者さんを含めています。中間解析の主な結果は以下のとおりです。

 

・投与13~16週の月間片頭痛日数は平均8.5日改善し、この改善は48週間にわたり持続。月間頭痛日数および急性期治療薬の月間使用日数でも同様の改善が認められた

・70%の対象患者さんが13~16週時に月間片頭痛日数の50%以上の減少を達成、この達成率は48週間の非盲検投与期間中も持続

・全体的な安全性評価結果は、atogepant 60 mgのこれまでに認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは認められず

・治験薬投与下で発現した報告頻度が特に高かった(5%以上)有害事象は、COVID-19(28.7%)、上咽頭炎(10.9%)および便秘(8.2%)

 

アッヴィのvice president, neuroscience developmentであるDawn Carlsonは、次のように述べています。「私たちは片頭痛が複雑な疾患であることを理解しており、アッヴィは、片頭痛の患者さんが直面している大きな負担を軽減すべく取り組んでいます。患者さんは、片頭痛から解放されるべきであり、今回の中間解析で示された長期の安全性および有効性は、その目標に向けた新たな一歩となります」

 

atogepant[米国ではQULIPTA(R)、欧州連合(EU)ではAQUIPTA(R)としても知られています]は、45か国で承認されています。本剤は、成人の反復性片頭痛および慢性片頭痛の両方を予防することが示された、経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬です。

 

アッヴィは、世界各国での atogepant の承認申請を行っていく予定です。

 

3101-312-002試験について

3101-312-002試験は、慢性片頭痛または反復性片頭痛患者さんを対象に片頭痛予防を目的としたatogepant経口投与の長期の安全性および忍容性を評価する進行中の第III相、多施設共同、非盲検、156週間継続試験です。主要目的は、本継続試験で治験薬の投与を1回以上受けたすべての患者さん(595名)における安全性および忍容性の評価としました。電子日誌(eDiary)を用いて、13~16週、29~32週および45~48週時で有効性を評価しました。 modified ITT (intention-to-treat)集団には、atogepantを1回以上投与され、評価可能なベースライン後4週間のeDiaryデータが1回以上得られた患者さん(524名)が含まれています。

 

最新データに含まれる事前に規定した有効性評価項目は、月間片頭痛日数、月間頭痛日数、急性期治療薬の月間使用日数のベースラインからの変化量および月間片頭痛日数に50%以上の改善が認められた患者さんの割合としました。本中間解析は、すべての対象患者さんが 52週時または早期終了時の有効性データ収集部分を完了した後に実施されました。詳細な情報は、www.clinicaltrials.govNCT04686136)をご覧ください。

 

ELEVATE試験について

ELEVATE試験は、2~4種類の経口予防薬による治療が不成功であった成人患者さんの反復性片頭痛の予防治療に対するatogepant 60 mg 1日1回(QD)投与の安全性、忍容性および有効性をプラセボと比較評価する、国際共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。主要評価項目は、12週間の投与期間における平均月間片頭痛日数(MMDs)のベースラインからの変化量としました。副次評価項目は、12週間の投与期間におけるMMDsの50%を超える減少の達成、平均月間頭痛日数(MHDs)のベースラインからの変化量、および急性期治療薬の使用日数のベースラインからの変化量としました。詳細な情報は、www.clinicaltrials.gov(NCT04740827)をご覧ください。

 

PROGRESS試験について

PROGRESS試験は、慢性片頭痛の予防治療を目的としたatogepantの有効性、安全性および忍容性を評価する国際共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第III相試験です。慢性片頭痛が1年以上続く成人患者さんを、atogepant 30 mgの1日2回経口投与(米国FDAの承認用量ではありません)、atogepant 60 mgの1日1回経口投与またはプラセボ投与を受ける群に無作為に割り付けました(1:1:1)。主要評価項目は、12週間の投与期間における平均月間片頭痛日数(MMDs)のベースラインからの変化量としました。すべての領域に対する主要副次評価項目は、12週間の投与期間におけるMMDsの50%以上の減少が認められた患者さんの割合、12週間の投与期間における平均月間頭痛日数(MHDs)のベースラインからの変化量、および12週間の投与期間における急性期治療薬の平均月間使用日数のベースラインからの変化量としました。詳細な情報は、www.clinicaltrials.govNCT03855137)をご覧ください。

 

atogepantについて

atogepantは、成人の片頭痛の予防治療薬として開発された経口投与のCGRP受容体拮抗薬です。CGRPとその受容体は、片頭痛の病態生理に関与する神経領域に発現します。片頭痛発作時にはCGRP濃度が上昇し、選択的CGRP受容体拮抗薬が片頭痛に臨床効果をもたらすことが研究により明らかになっています。

 

atogepant(欧州連合ではAQUIPTA(R)として知られています)は、月間片頭痛日数(MMDs)が4日以上の成人における反復性片頭痛または慢性片頭痛の予防薬として、2023年8月に欧州委員会により承認されました。

 

片頭痛および慢性片頭痛について

片頭痛は反復性の発作を伴う複雑な神経疾患であり、しばしば日常生活に支障をきたします。重度の拍動性の頭痛に加え、極度の光過敏や音過敏、悪心等の複数の随伴症状を特徴とします1。有病率は高く、米国だけでも4,000万人近く、世界全体で10億人以上が罹患しており、50歳未満における生産性低下の主要原因となっています2-5

 

慢性片頭痛の患者さんは、1か月に15日以上頭痛または片頭痛を発症し、そのうち8日以上は片頭痛に関連するものです6。1か月に0~14日の頭痛を特徴とする反復性片頭痛と比べ7、慢性片頭痛は頭痛および片頭痛の発症日数が高頻度で合併症の有病率も高く、消耗性の高い病態を有することもあるため反復性片頭痛とは区別されています7-9。慢性片頭痛の患者さんは、頻繁に動けなくなるほどの片頭痛発作により日常の活動が妨げられ、生活の質に多大な影響を受けることもあります。そのため、社会にとって、また家族にとっても負担となっています10-14。慢性片頭痛は、重大な直接的・間接的コストの問題も有しており、患者さんや医療システムに経済的負担をもたらします15-17

 

片頭痛領域におけるアッヴィ

アッヴィは、あらゆる種類の片頭痛における患者さんのニーズに応えられるよう3種類の治療薬を開発した唯一の企業であり、この消耗性疾患を抱えている患者さんの支援に取り組んでいます。

 

アッヴィは片頭痛患者さんに寄り添い、支えることに取り組んでいます。医療従事者がさまざまな種類の片頭痛患者さんを治療できるよう、科学の発展に努めています。片頭痛に関する啓発や関係団体との協働を通して、片頭痛患者さんが治療の障壁を乗り越え、適切な治療を受け、片頭痛による日常生活での影響を軽減できるよう支援しています。

 

精神・神経疾患におけるアッヴィ

アッヴィは、世界中の精神・神経障害を抱える患者さんがその人らしく生きられるよう、継続した取組みを行っています。当社は、精神・神経疾患領域における30年を超える経験を活かし、有意義な治療選択肢を提供するとともに、未来に向けて技術革新を押し進めています。当社の精神・神経疾患領域のポートフォリオは、片頭痛、運動障害、精神障害などの精神・神経障害に対する承認された治療法に加え、革新的な治療法の強固なパイプラインで構成されています。当社は研究に対して積極的に投資を行い、精神・神経障害への理解を一層深めるよう努めています。挑戦を重ねるごとに、患者さん、介助者や臨床医の皆さんのためにソリューションを発見し提供していくという固い決意と情熱を抱き前進しています。詳細な情報は www.abbvie.com. をご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。X(旧Twitter)@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 

References:

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3.Steiner, T. J., Stovner, L. J., Vos, T., Jensen, R., & Katsarava, Z. Migraine is first cause of disability in under 50s: Will health politicians now take notice? J Headache Pain. 2018;19:17.

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6.Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS) The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018;38:1-211.

7.Katsarava Z, Buse DC, Manack AN, Lipton RB. Defining the differences between episodic migraine and chronic migraine. Curr Pain Headache Rep. 2012;16:86-92.

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