白河工場に水素製造装置(やまなしモデルP2Gシステム)導入 24時間稼働で水素製造開始

〜2050年カーボンニュートラル達成に向け、グリーン水素活用でさらなる脱炭素化推進へ〜

住友ゴム工業

発行: 2025年4月15日

 

白河工場に水素製造装置(やまなしモデルP2Gシステム)導入 24時間稼働で水素製造開始 2050年カーボンニュートラル達成に向け、グリーン水素活用でさらなる脱炭素化推進へ〜

 

 住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、タイヤ製造の主要拠点である白河工場で、次世代エネルギーとして期待される水素を製造する「やまなしモデルP2G(ピー・ツー・ジー)システム」を導入し、4月より稼働開始したことをお知らせします。これは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受け同システムの開発を統括してきた山梨県との合意のもと、当社が同システムを導入して活用を進めるものです。白河工場ではP2Gシステムを24時間稼働させることで年間最大約100トンの水素の製造が可能となり、輸送を含むサプライチェーン全体(スコープ1、2、3※1)で年間約1000トンのCO2排出量削減につながる見込みです。 

 

【水素製造装置(やまなしモデルP2Gシステム)】

 

「やまなしモデルP2Gシステム」について

 やまなしモデルP2G(Power to Gas)システムは、山梨県が中心となって開発を進めてきた次世代型のエネルギーシステムです。太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して水を電気分解することで、環境負荷の少ないグリーン水素※2を製造します。P2Gシステムは安定的な水素供給を実現し、今後さまざまな産業分野において脱炭素化を加速させる技術として、国内外で大きな期待が寄せられています。

 

当社における水素活用の経緯と今後の展望

 当社は、2021年にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を策定し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをグループ一丸となって推進しています。7つのマテリアリティ※3のうち「気候変動」では、「CO₂排出量の削減を推進する企業」をありたい姿に掲げ、2050年のカーボンニュートラル達成を目指しています。この目標に向けた取り組みの一環として、次世代エネルギーとされる水素の活用に挑戦することを決定。NEDOおよび福島県から支援を受け、2021年8月から2024年3月にかけて、白河工場において水素を活用したタイヤ製造の実証実験を行いました。

 

 実証実験では、再生可能エネルギー先進県である福島県内の水素製造拠点から供給される水素を使用し、水素ボイラーで発生させた高温・高圧の蒸気を、タイヤ製造の最終段階である加硫(かりゅう)工程で活用。この工程は、加熱と加圧によりゴムに弾性を与え、タイヤとしての形状と性能を完成させる重要なプロセスです。2023年1月には、水素エネルギーと太陽光発電を組み合わせることで、製造時(スコープ1、2)におけるカーボンニュートラル※4を日本で初めて達成した量産タイヤ※5の生産を開始しています。

 

 これらの成果を含む実証結果を踏まえ、2024年5月、山梨県とグリーン水素の活用による脱炭素化に係る基本合意書を締結し、白河工場へのP2Gシステム導入を決定しました。水素を自社工場内でつくることで、輸送(スコープ3)も含むさらなるCO2削減効果を期待しています。

 

 そして2025年4月よりP2Gシステムの稼働を開始。P2Gシステムで製造されたグリーン水素は、従来の配達水素、系統電力、場内太陽光発電、既存燃料とともに白河工場における5つのエネルギー源の一つとして活用されます。複数の電力源の組み合わせを最適化することで安定した操業を維持しながら、さらなる脱炭素化を推進します。

 

 当社は、白河工場を「脱炭素グランドマスター工場」と位置づけています。やまなしモデルP2Gシステムを用いてグリーン水素を活用したタイヤ製造のノウハウを蓄積しながら、将来的には国内外の他工場への展開も視野に入れています。また、2025年3月には中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議と、水素およびアンモニア等のサプライチェーン構築に向けた相互協力に関する基本合意書を締結しました。本合意書のもと、中部圏での水素活用の検討も進めてまいります。

 

 今後も当社は、「はずむ未来チャレンジ2050」のもと、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みをさらに推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

■住友ゴム 白河工場概要 

所 在 地: 福島県白河市

事業内容: 乗用車・トラック・バス用タイヤの製造

生産能力: 10,350トン/月(新ゴム消費量)

(2024年12月末時点)

 

<ご参考:当社過去ニュースリリース>

福島県白河工場で水素活用の実証実験を開始(2021年7月28日):

https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2021/sri/2021_057.html

 

山梨県とグリーン水素による脱炭素化等に係る基本合意書を締結(2024年5月27日):

https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2024/sri/2024_043.html

 

※1:スコープ1(Scope 1):自社が直接排出する温室効果ガス。スコープ2(Scope 2):他社から供給された電気や熱の使用により間接排出する温室効果ガス。

スコープ3(Scope 3):輸送や製品販売後の使用・廃棄時など、自社の活動に関連するが直接管理していない外部が排出する温室効果ガス

※2:グリーン水素:再生可能エネルギー由来の電力を用いてCO2排出ゼロで生成された水素

※3:住友ゴムグループのマテリアリティ(重要課題):https://www.srigroup.co.jp/sustainability/materiality.html

※4:二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること
※5:FALKEN「AZENIS FK520」(FALKEN「AZENIS FK520L」は除く)

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。

プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。

プレスリリース受信に関するご案内

このプレスリリースを配信した企業・団体

  • ※購読している企業の確認や削除はWebプッシュ通知設定画面で行なってください
  • SNSでも最新のプレスリリース情報をいち早く配信中