生成AIとの対話にストレスがある人は対人でも同じ傾向 —意外な共通点が明らかに
~ストレスの理由は「読み取る力」と「伝える力」の不足~
2025年9月18日
公益財団法人 日本漢字能力検定協会
公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事:山崎信夫/以下、当協会)は、2025年8月、20代から50代の男女1,000名を対象に「デジタル時代のコミュニケーションにおける実態調査」を行いました。
その結果、生成AIを利用するときに、期待した結果が得られないなど、生成AIとの対話に「ストレスを感じることがある」と回答した人の8割以上が、人とのメールやチャット等のデジタルコミュニケーションや相手と直接会話する対面コミュニケーションにおいても、ストレスを感じていることがわかりました。
また、人とのデジタルコミュニケーションや対面コミュニケーションでのストレスは、いずれも「相手の意図や言いたい内容がわかりにくい」「自身の意図が相手に伝わらない」ことが主な理由となっており、コミュニケーションにおいて生じるストレスの背景には、「読み取る力」や書く・話す等の「伝える力」の不足が共通していることが浮き彫りとなりました。
<調査概要>
・調査タイトル:デジタル時代のコミュニケーションにおける調査
・調査期間:2025年8月19日~2025年8月20日
・調査対象者:20代~50代の男女1,000名
・調査方法:インターネット
・エリア:全国
【詳細資料】
調査結果まとめ1.毎日デジタル機器(パソコン・スマートフォン・タブレット・携帯電話)を利用する人は 90%以上、生成AIの利用者は44.7%。生成AI利用の主な目的は、情報収集(51.7%)、文章要約(46.8%)。
2.生成AIの利用時に「ストレスを感じたことがある」人は、「利用したことがある」人のうちの68.0%。 ストレスの理由として最も多かったのは、「期待した回答が得られない」(70.7%)。
3.仕事上のメールやチャットなどのデジタルコミュニケーションにストレスを感じる人は全体の50.7%。 仕事上の対面コミュニケーションにおいてストレスを感じる人は全体の60.0%。 いずれも主な理由は、「相手の意図や言いたい内容がわかりにくい」「自身の意図が相手に伝わらない」。
4.生成AIの利用時にストレスを感じたことがある人は、ストレスを感じたことがない人に比べて、デジタルコミュニケーションや対面コミュニケーションでもよりストレスを感じている。 |
調査結果
1.デジタル機器と生成AIの利用状況
1日にデジタル機器(パソコン、スマートフォン、タブレット、携帯電話)を利用する時間を聞いたところ、毎日利用している人が90.4%いることがわかりました。
また、仕事や日常生活で生成AIを利用したことがある人は44.7%でした。利用したことがある人のうち利用目的で最も多かったのが情報収集(51.7%)、次いで文章要約(46.8%)となりました。
2.生成AI利用時のストレス状況
生成AIの利用にストレスを感じたことがある(よくある・たまにある)と答えた人は、「生成AIを利用したことがある」人のうちの68.0%でした。また、ストレスを感じたことがある人に対して、その理由について複数選択式で尋ねたところ、最も多かったのは、「期待した回答が得られない」(70.7%)でした。
3.仕事上の人とのコミュニケーションにおけるストレス状況
仕事上のメールやチャットなどのデジタルコミュニケーションに「ストレスを感じることがある」(よくある・たまにある)と答えた人は全体の50.7%でした。ストレスの理由として最も多かったのは、「文章が冗長で理解するのに時間を要する」(37.3%)、次いで「自身の意図が相手に伝わらない」(33.3%)でした。
一方、仕事上の対面コミュニケーション(上司や部下、同僚との会話)においてストレスを感じる人は全体の60.0%でした。ストレスの理由について複数選択式で尋ねたところ、最も多かったのは、「相手の話の流れがみえず、意図や結論がわからない」(37.7%)、次いで「自身の意図が相手に伝わらない」(36.8%)でした。
いずれのコミュニケーション方法においても、「自分の意図が伝わらない」「相手の言っていることが理解できない」といったことがストレスの理由となっていることがうかがえ、人とのコミュニケーション全般においても相手に「伝える力」や内容を「読み取る力」に課題があることが浮き彫りとなりました。
4.生成AIに対するストレスの有無と対人コミュニケーションでのストレスの関係
生成AIの利用時にストレスを感じる群とストレスを感じない群に分け、それぞれデジタルコミュニケーションや対面コミュニケーションにおけるストレスの有無に違いがあるかを比較しました。
その結果、AI利用時にストレスを感じる人のうち、デジタルコミュニケーションにおいてもストレスを感じる人は86.2%であるのに対し、AI利用時にストレスを感じていない人のうちデジタルコミュニケーションにおいてストレスを感じている人は40.6%と、45.6ポイントの差が生じていました。
同じく、対面コミュニケーションについても比較したところ、AI利用時にストレスを感じる人のうち、対面コミュニケーションでもストレスを感じている人は84.9%であるのに対し、AI利用時にストレスを感じていない人は61.5%と、こちらも23.4ポイントの差が生じていました。
これにより、AI利用時にストレスを感じたことがある人は、デジタル、対面どちらのコミュニケーションにおいてもストレスをより感じている人が多いことがわかりました。
調査結果に対する当協会からのコメント
電子機器を日常的に利用し、生成AIの利用機会が増えたことで生活が便利になる一方で、コミュニケーションにおいて半数以上の人はストレスを抱えている実態が明らかとなりました。特に、生成AI利用時にストレスを感じている人は、デジタル・アナログ上の対人コミュニケーションにおいてもストレスを抱えやすい傾向が見られました。
この根本には、言葉で「伝える力」、言葉から「読み取る力」というコミュニケーションに不可欠な能力の不足があると推察されます。生成AIから求める回答を得るには、適切なプロンプト(指示文)を作成する必要があり、利用者には適切な言葉で伝える力が求められます。また、生成AIが出した回答を正しく読み取る力もあわせて必要となるでしょう。これらの力は、メールやチャットなどのデジタルコミュニケーションでも対面コミュニケーションにおいても共通して必要な力です。
当協会は、コミュニケーションが多様化する社会での日本語・漢字能力のあり方について、調査・研究を続けていきます。
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このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 公益財団法人日本漢字能力検定協会
- 所在地 京都府
- 業種 教育サービス
- URL https://www.kanken.or.jp/
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