「新しいエクササイズガイドラインの方向性」を示唆

2012年5月21日

日本コカ・コーラ株式会社

日本コカ・コーラ株式会社「健康日本21Active Healthy Lifestyleプロジェクト」

「新しいエクササイズガイドラインの方向性」を示唆

日本コカ・コーラ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:ダニエル・H・セイヤー)は、国が掲げる「健康日本21」運動及び「すこやか生活習慣国民運動」を推進する「健康日本21 Active Healthy Lifestyle(以下AHL)プロジェクト」の一環として、公益社団法人「日本栄養・食糧学会」と共催で、5月19日(土)に東北大学で行われた第66回日本栄養・食糧学会にて、セミナーを開催いたしました。

当セミナーでは、「健康日本21AHLプロジェクト」のアドバイザーであり、厚生労働省が定めた健康づくりのための運動基準2006策定の中心メンバーであり改定のための研究を推進する、独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部長、運動ガイドライン研究室長(併任)の宮地元彦先生をお迎えし、

「新しいエクササイズガイドラインの方向性 ~安全で効果的な運動指導と水分補給~」と題して、改定が予定されている健康づくりのための運動基準について意見を述べ、また当日出席した日本栄養・食糧学会員らと積極的な議論交換が行われました。

今年度、厚生労働省により改定予定の、新しい健康づくりのための運動基準の方向性を示した宮地元彦先生の講演概要は次の通りです。

・厚生労働省の健康づくり旋策

健康日本21では、平成12年~22年にわたり第3次国民健康づくり対策を実施してきましたが、新・都道府県健康増進計画や医療費適正化計画のスケジュールを考慮し、期間を2年間延長しています。この2年間で、約10年間行ってきた調査の最終評価をしたのち、平成25年からは第4次国民健康づくり対策をしていく予定です。

・「健康日本21」の身体活動・運動分野における最終評価

厚生労働省は、30分間の余暇に行われる運動を、週に2回以上、それを1年以上継続して行っている人を『運動習慣者』と定義しています。身体活動とは、スポーツはもちろん、通勤などの日常的な運動全てを合わせたものを指しますが、その中で代表的な指標となっているのが歩数です。歩数は全ての世代において、この10年間で1日あたり1000歩減少しています。これをカロリーに直すとおよそ1日あたり30キロカロリーですが、1年間続くと、約1~1.5キロの体重増加に匹敵するため、非常に重要な問題であると捉えています。また、意識的に運動を心がけている人の割合はたしかに増加していますが、習慣的な運動を実践できている人の割合は変わらないことがわかります。特に20代から40代ではその傾向が顕著であり、運動の重要性は理解しているが行動に結びついていないと考えられます。このような評価結果から、新しい「健康日本21(第2次)」では、「若者の運動習慣者の増加」「歩数の1500歩/日の増加」「個人にとどまらず、自治体単位での対策推進」の3つを大きな目標として取り組んでいきます。

・運動基準改定に関する新しい知見

運動基準2006の策定から5年間に200本を超える身体活動疫学研究が論文として発表されました。身体活動が多い人は、単に生活習慣病やガンになりにくいというだけでなく転倒・骨折・認知症の発生・発症率が少ないという結果が複数の論文により得られました。つまり健康日本21(第2次)で目指す社会生活機能の低下の予防に、身体活動・運動習慣が有効であることを示しています。また、65歳以上の高齢者を対象とした研究も増え、高齢者には余暇活動量・運動量に関する基準値の策定が可能と考えられました。これらの知見をもとに、我が国の健康寿命の延伸ならびに健康日本21(第2次)の推進に寄与する運動基準・指針の改定を目指します。

・運動中の水分補給の意義

夏場になるにつれて、誰もが熱中症対策が必要になってきます。高齢者は暑熱に対して脆弱なため、節電などを余儀なくされるこの夏には、熱中症発症が急増することが懸念されます。活動や運動の強度が高まるにつれ、発汗によって失われる水分は多くなります。また、激しい運動でなくとも、歩くなどのちょっとした活動の増加で発汗量も増えることがわかっているため、日常生活活動でも積極的な水分補給を行うなど、十分な注意が必要です。

・熱中症予防のポイント

熱中症予防のポイントとしては、特に「31℃以上は激しい運動を、35℃以上は中強度以上の運動を中止する」ということが重要となります。運動をする際には、強度管理を十分に行い、また、適度な水分補給と休息を心がけることが必要です。

■健康日本21Active Healthy Lifestyleプロジェクト

より多くの方に、アクティブ(活動的)で、ヘルシー(健康的)なライフスタイルを推進することを目的に、  

日本コカ・コーラ株式会社が健康日本21推進フォーラムと連携し、宮地元彦先生に加え、生活習慣病予防を目的とした保健支援プログラムや地域健康づくりシステムの開発の第一人者である早稲田大学スポーツ科学学術院の荒尾孝先生、NHK「おかあさんといっしょ」第10代目体操のお兄さん佐藤弘道氏の3名をアドバイザーとして招聘するとともに、ザ コカ・コーラ カンパニーが世界規模で擁する国際的な有識者や専門家のネットワークも活用することで、産官学が一体となり「Quality of life(生活の質の向上)」の実現に向けさまざまな活動を展開しています。日本コカ・コーラは、本プロジェクトを通じ、多くの人々の健康に対する意識の向上と生活の中に少しでも運動を取り入れる身体活動の啓発を促すために、地域社会とともに、健康な状態で長生きできるよう活動的なライフスタイルの確立を推進してまいります。

■宮地元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部長、運動ガイドライン研究室長)

鹿屋体育大学体育スポーツ課程卒。同大学院修了。1999年体育学博士(筑波大学大学院)、川崎医療福祉大学助教授。2001年米国コロラド大学客員研究員。2003年独立行政法人国立健康・栄養研究所身体活動調査研究室長。2006年同健康増進プログラム運動ガイドラインプロジェクトリーダー。日本体力医学会評議員、日本運動生理学会評議員。健康づくりのための運動所要量WG委員、2011年度からの健康日本21(第2次)策定検討会委員などをつとめている。

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