画期的な抗HIV(エイズ)臨床薬として期待される「EFdA」の簡易合成法を開発

横浜薬科大学

2015/2/12 14:00

2015年2月12日

都築学園グループ

学校法人都築第一学園

横浜薬科大学

画期的な抗HIV(エイズ)臨床薬として期待される「EFdA」

横浜薬科大学研究チームが簡易合成法を開発

―― 臨床治療薬としての活用・普及促進へ道筋 ――

 6大学・2短大をはじめ教育事業を全国で展開する都築学園グループに属する学校法人都築第一学園 横浜薬科大学(横浜市戸塚区、学長:江崎玲於奈)の大類洋教授は、東北大学大学院農学研究科の桑原重文教授との共同研究で、新たなヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療薬として期待される修飾ヌクレオシドEFdA(4’-Ethynyl-2-fluoro-2’-deoxy-adenosine)の簡易合成法の開発に成功、その論文が学会誌Organic Lettersに掲載されました。

 HIV感染症(エイズ)治療は、患者が抗HIV薬を用いた治療を長期にわたり受けることで、薬剤耐性を獲得したHIV変異株(耐性HIV)が発現して治療効果が弱まることと、薬の副作用が大きな課題となっています。

 これらの課題を解決するため、耐性HIVを発現させず、また、すでに存在する耐性HIVに対しても高い活性を持ち、さらに、副作用の少ない、新たな修飾ヌクレオシド型抗HIV薬として、大類教授が2004年、初めて分子設計・合成に成功したのがEFdAです。

 しかし、EFdAの合成は容易ではないため、将来、EFdAが臨床薬として世界で広く使用されるためには、より簡易な合成法の開発が必要不可欠だとされていました。

 今回、大類教授が開発した簡易合成法のポイントは、以下の4点です。

①従来の高価なヌクレオシド(DNAの構成成分)などから安価なグルコース(ブドウ糖)に、原料を変更した。

②グルコースを4位に置換基をもつリボフラノースに変換するという新反応を開発したことによって、合成プロセスの簡略化に成功した。

③従来の合成法と比較すると、ワンポット(1個の反応容器)で行える合成回数が増えたため、工程を大幅に簡略できた。

④原料からのEFdAの収率は、従来の3.3%~18%から37%へと、飛躍的に改良された。

 EFdAについては、米国Merck社がヤマサ醤油株式会社(千葉県銚子市、以下:ヤマサ醤油)からライセンスを取得し、臨床試験を行っています。

 今回の簡易合成法の開発について、大類教授は次のように話しています。

 「EFdAは、私が非常にすぐれた抗HIV活性を持つと考えて設計した4‘位置換ヌクレオシド誘導体のひとつです。今回の研究は、安価なグルコースを短工程で4‘位置換ヌクレオシド誘導体に合成できる4位置換リボース誘導体への変換法を開発したことがポイントです。このリボース誘導体を使っていろいろな有用な生物活性を持つヌクレオシド誘導体が合成され、新たな薬の研究開発が促進されるという期待もあります」

 EFdAについては、大類教授がヤマサ醤油、熊本大学大学院血液内科・満屋裕明教授グループとの共同で研究を進めた結果、HIV感染症治療に関し、すでに以下のことが明らかになっています。

(1).耐性HIVを発現させない

(2).臨床薬で最も効果が高い抗HIV薬「アジドチミジン(AZT)」の400倍以上、他の臨床薬の数万倍という高い抗HIV活性を持つ

(3).高度の耐性を獲得したHIV変異株に対しても非常に高い活性を持つ

(4).マウスだけでなくサルに投与しても、副作用なくHIVの増殖を協力に阻止し、CD4陽性T細胞(ヒト免疫系に必要な白血球)を感染から効果的に守る

<参考資料>

■本プレスリリースに関連する論文

●Journal: Organic Letters

●Manuscript ID: DOI:10.1021/o15036535

●Title: "Synthesis of EFdA via a Diastereoselective Aldol Reaction of a Protected 3-Keto Furanose" Author(s): Fukuyama, Kei; Ohrui, Hiroshi; Kuwahara, Shigefumi

■横浜薬科大学・大類洋教授について

●略歴

-1965年:東京大学農学部農芸化学科卒業

-1966年:理研入所

-1971年:農学博士(東京大学)、

-1981年:東北大学農学部助教授

-1997年:東北大学教授

-2006年:横浜薬科大学教授

●受賞

-1974年:日本農芸化学奨励賞

-1991年:井上学術賞

-2004年:日本分析化学会賞、日本農学賞、読売農学賞

-2010年:日本学士院賞

<参考資料>

■横浜薬科大学について

 本学は、新制度学校教育法に基づき、臨床に関わる実践的な能力を培うことを第一の目標として薬剤師を育成することとし、6年一貫の薬学教育を実施する薬科大学として設立しました。

 同時に、これまでの4年制という限られた日本の薬学教育の中でつねに軽視されてきた漢方をはじめとする東洋の経験的医療、チーム医療の連携をはかるためにパラ・メディカルを含めた医療業務全般の理解と把握、さらに健康に影響する”薬”以外の諸因子にも広く目を向け、これらを研究・教授し、本邦以外の医療現場にも臆することなく飛び込んで行くことができるグローバルな21世紀型薬剤師の育成を目指します。

 21世紀の医療は、”薬物治療の患者個別化”や疾病の治療以前にある”予防重視”の方向へとシフトしていくと考えられています。また、医療現場での事故防止への危惧から”医薬品の適正使用”と”医療ミス防止”も重要視されており、その全てに薬剤師が大きな役割を担うこととなるのです。こうした時代の要請に応じることができる薬剤師の育成を、本学の目的としています。

 2002年、薬学教育の6年制を見越しその改善・充実の方策として日本薬学会か提示した「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」。このモデルカリキュラムに加え、「薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」よりの提言を踏まえ、本学では一般教養教育の充実、臨床薬学教育の充実、長期実習などを盛り込んだ6年一貫教育を実践し、さらには「個の医療」「予防医療」へ貢献できる薬剤師の育成を実現することのできるカリキュラムを実践します。

■所在地:横浜市戸塚区俣野町601

■設立:2006年

■学部・学科 

-薬学部

-漢方薬学科・臨床薬学科・健康薬学科・

※薬科学科(2015年4月開設)

■URL:

-  http://www.hamayaku.jp/

■都築学園グループについて

本学園グループは、1956年の創立以来、「個性をのばし、自信をつけさせ、世界に送り出したい。」に示される『個性の伸展』を見学の精神とし、幼稚園から大学院まで特色のある教育を行っています。

<都築学園グループ校>

【大学院】

・日本経済大学 経営学研究科 経営学専攻

【大学】

・第一薬科大学

・日本薬科大学 埼玉キャンパス お茶ノ水キャンパス

・横浜薬科大学

・日本経済大学 福岡キャンパス 東京渋谷キャンパス 神戸三宮キャンパス

・第一工業大学 鹿児島霧島キャンパス 東京上野キャンパス

・神戸医療福祉大学 姫路キャンパス 大阪天王寺キャンパス

【英語イマージョンスクール】

・リンデンホールスクール小学部・リンデンホールスクール中高学部

【短期大学】

・福岡こども短期大学・第一幼児教育短期大学

【専門学校】

・お茶の水はりきゅう専門学校・関東柔道整復専門学校・関東リハビリテーション専門学校・福岡天神医療リハビリ専門学校・札幌医療リハビリ専門学校・名古屋デジタル工科専門学校・名古屋デジタル・アート専門学校・東京マルチメディア専門学校・第一自動車整備専門学校

【海外提携校】

・オックスフォード大学・ケンブリッジ大学

【中高一貫校】

・鹿児島第一中学校・鹿児島第一高等学校

【高等学校】

・福岡第一高等学校・第一薬科大学付属高等学校

【認定こども園】

・だいいちこども園・だいいち幼稚園・だいいち保育園・むろずみこども園・むろずみ幼稚園・むろずみ保育園 

【幼稚園】

・せふり幼稚園・みやこ幼稚園・鹿児島第一幼稚園

【インキュベーション】

・ハッチェリー渋谷

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プレスリリース添付画像

横浜薬科大学・大類洋教授

学長 江崎 玲於奈  ノーベル物理学賞受賞

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