Appier CEO チハン・ユー、 国際会議「アジア・イノベーション・フォーラム」にてAIの未来について語る

AppierJapan

Appier CEO チハン・ユーが来日、 国際会議「アジア・イノベーション・フォーラム」にてAIの未来について語る

2015年12月3日

Appier, Inc.

Appier CEO チハン・ユーが来日

国際会議「アジア・イノベーション・フォーラム」にてAIの未来について語る

AI(人工知能)テクノロジー企業のAppier(エイピア、以下Appier、本社:台湾)の最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のチハン・ユーは、12月2日(水)に東京・虎ノ門ヒルズで開催された国際会議「アジア・イノベーション・フォーラム」に登壇。アクセンチュア株式会社 加治慶光氏をモデレーターに、元ソニーグループCEO出井伸之氏、同じく人工知能データ分析を活用する株式会社メタップスCEO佐藤航陽氏など日本のAI技術のスペシャリストたちと共に「テクノロジー最新トレンドから見る向こう10年」についてパネルディスカッションを行いました。

AIの先駆者チハン・ユーが語る、AppierのAIビジネスについて

AppierのCEOであり、世界的なAIの科学者として紹介されたチハン・ユーは、Appierの強みはデバイス・コネクティビティであると言います。

「ここ最近、消費者はスマートフォン、タブレット、PC、さらにはスマートウォッチなどさまざまなスクリーンに囲まれて生活しています。通勤時はスマートフォン、オフィスではパソコン、旅先ではタブレットと、シーンによってデバイスを使い分けているのです。クロスデバイスの時代、複雑化するユーザー動向を把握するにはAIがもっとも適していると言えます。AppierのAIは、多様化するデバイスをつなげることで、例えば、通勤時にはファストフードやカフェのディスカウントクーポン、旅行中には旅先で使えるクーポンなど、ユーザーにとってベストなタイミングで、欲しい情報を提供することができるのです」

「ユーザーがどういう人なのかは実際に会うことはできませんが、各デバイスの利用パターンを確認することで、ユーザーの関心事をより明確にすることができます。いつ、どのデバイスで、どのような広告に接し、最終的にはどのような行動を取ったのか。これはクロスデバイス・ジャーニーと言いますが、クロスデバイスのユーザー動向を把握することでビヘイビアを分析できるのです」

Appierはクロスデバイス・ジャーニーをサポートするAIを使ったクロススクリーニング・テクノロジーを独自に開発。この技術がマーケティングの未来を変えると予測します。

「今まではオーディエンスをおおまかに推測していましたが、AIが入ることでオーディエンスを精密に予測することができます。そして予測した結果に対し的確な情報を、さりげなく提供できるのがAppierのAIの特徴です。AIが加わることで、データ抽出などの複雑な作業を単純にしてくれたり、どのデバイスでアプローチすればいいのか導き出してくれたり、意思決定をサポートしてくれたりと、AIは人と機械の新しいインタフェースへと進化するのです」

チハン・ユーが描くAIの未来とは?

今後、ますますの活躍が期待できるAI。チハン・ユーは、AIはより専門性が増してくると言います。

「私が子どもの頃想像していたロボットは、なんでもできるマルチな存在でしたが、今はルンバやドローンなど、ある一つの能力に特化されたロボットが活躍しています。それはAIの世界でも言えることで、例えばビジネスの意思決定の現場など、より専門的な分野に使われていくでしょう。今はAIによる意思決定はごくわずかですが、今後はますますAIが意思決定に大きく関わってくると思います。その分、人はプランニングやクリエイティブなど、AIにはできないハイレベルな次元に注力していくことになると思います」

そして、AIと人間との関係を、このように描きます。

「AIは人を脅かす存在になるという人もいいますが、私はそうは思いません。どちらかというと、楽観視しています。というのもAIが存在することで、会話でパソコンが操作できるなどお年寄りが気軽にテクノロジーと接する機会を増やすからです」

AIは、今抱えている問題を解決するツールになると言うチハン・ユー。これからのAI時代に対して、

「AIは課題を与え、実行するという部分ではその能力を発揮しますが、人間のように自ら行動を起こしたり、感情や想像力などは持っていません。AIは何が達成できて、何ができないのかを把握した上で、AIを活用すべきだと考えます」と語りました。

日本とアジアの関係、そしてAIが世界に与える影響は?

先日、AppierはシリーズBラウンドで2,300万ドル(約27億円)の出資を受けたことについて、今後のビジネス展開を聞かれたチハン・ユーは、「Appierは、元々スタートアップの会社です。マーケティングで注目されてきましたが、核となる強みはやはりデバイス・コネクティビティです。この分野をさらに強化し、プラットフォームとして広げていきたいと考えています。日本ではディストリビューションや流通で展開していきたいと考えていますが、市場についてもっと勉強する必要がありますし、日本をはじめいろんな国の革新的な企業や大学、研究者たちと連携していきたいと思っています」とビジョンを語りました。

また、日本とアジアとの関係、そしてこれからの世界については、「日本はデジタルイノベーションのリーダーで、アジアの(イノベーションの)フロンティアであると思います。アジアは広く、地域によってビヘイビアが異なりますが、日本の企業の多くが、アジアでローカルイノベーションに挑戦しようとしています。この10年、日本のAIの進化は目覚ましいものがありますし、10年後、20年後は今よりもAIが活発に使われるようになるでしょう。日本のAIの躍進のひとつに、ソフトの開発に力を入れたことが挙げられます。多くの国がハードに力を入れていたため、今後のAI分野では、ソフトウェアを作れる優秀な人材のニーズが非常に高まると思っています」と期待を込めて語りました。

Appierの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者 チハン・ユー、プロフィール

Appier創業者でCEOのチハン・ユーは人工知能研究の分野においてハーバード大学とスタンフォード大学の研究室に在籍した経歴を持ち、彼の博士論文は同分野の最優秀論文賞に選ばれました。また、Googleが発表したことでも話題を呼んだロボットカーの基となる自動運転車をスタンフォード大学の研究チームとともに開発しました。Appier創設以前はソーシャルゲーム開発会社を運営していた経験も持っています。

日本における実績について

日本においては、家電メーカー、自動車メーカー、銀行、保険、ゲーム会社など100社以上の企業にAppierのサービスをご利用いただいています。

Appierのサービスに関するお客さまからのお問い合わせ先:

Appier Japan株式会社 [Appier Japan K.K.]

電話: 03-6435-6617

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