論文の引用動向分析による、影響力の高い科学者を発表

クラリベイト

トムソン・ロイターは、論文の引用動向分析による、影響力の高い科学者を発表。インパクトの高い研究者を分野ごとに選出。世界で約3,000名のうち、日本の研究者は約80名。過去11年間の引用データより決定される論文著者、および2015年にもっとも注目を集めた研究者の2つのカテゴリーが設定されている。

2016年1月19日

トムソン・ロイター

トムソン・ロイター 論文の引用動向分析による、影響力の高い科学者を発表

~ インパクトの高い研究者を分野ごとに選出。世界で約3,000名のうち、日本の研究者は約80名。~

世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター(本社米国ニューヨーク、日本オフィス:東京都港区)は、 “高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)”を発表しました。これは科学研究の各分野において高い影響力を持つ科学者を論文の引用動向から分析したもので、今回は全世界で約3,000名の科学者が選出されています。分析はトムソン・ロイターの引用アナリストが、学術文献・引用索引データベースWeb of Science(R) Core Collection、および独自の指標により引用動向分析を可能にする統計データベースInCites(TM) Essential Science Indicators(TM)(以下ESI)を用いて行いました。

本分析には2つのカテゴリーが設定されており、過去11年間の引用データより決定される高被引用論文著者(Highly Cited Researchers)と、2015年にもっとも注目を集めた研究者(Hottest Researchers)をそれぞれ選出しました。

●高被引用論文著者(Highly Cited Researches)

ESIで用いられる21の研究分野において、それぞれ被引用数が上位1%の論文(高被引用論文、Highly Cited Papers)(注1)を発表した研究者を抽出した後、一定数以上の高被引用論文を持つ約3,000名を選出しています(うち、日本の研究機関に所属する研究者は約80名)。

2003年1月から2013年12月の11年間にデータベースに収録された論文を分析対象としています。

詳しい選出基準は、以下のサイトをご参考ください。

http://highlycited.com/faqs#details

●2015年にもっとも注目を集めた研究者(Hottest Researchers)

2012年から2014年にデータべースに収録された論文の引用動向分析により、顕著な被引用数を持つ論文(ホットペーパー)(注2)を発表し、もっとも注目を集めた19名の研究者を選出しました。その結果、研究領域としては癌のゲノム解析と太陽電池に関する研究の2領域が、特に注目されていることが明らかになっています。近年急速に注目を集める研究論文を特定していくことでイノベーションの新たな動向と、それを担う研究者にスポットライトを当てることができます。

詳細は以下からリポートをダウンロードしてご覧ください。

http://app.info.science.thomsonreuters.biz/e/er?s=1556&lid=20832

●本分析に関する考察と注意点

本分析は、ESIの分野別に分析・抽出をしております。そのため著名な研究者でもその研究内容が融合的であり、かつ分野が複数に渡っている場合などは、各分野で設定された閾値に高被引用論文数が達せず、選出から漏れていることがあります。これはあくまで今回の選出基準の定義によるものであり、研究者の評価を損ねるものではありません。引用分析は、研究の一部分を切取るものとお考えください。

●引用分析についての考察

論文の引用には様々な理由や背景がありますが、多くは同業研究者の先行研究に対する敬意の現れです。引用は、自身の研究に重要なつながりを持つ過去の研究について研究者が証明を行う手段であり、引用数が顕著に高い論文は、科学コミュニティが意義深く有益であると判断したひとつの目安となります。そのつながりを分析することで、影響力の強い研究者個人、研究機関、国・地域、ジャーナルなど、切り口を変えて抽出することができます。

注目を集める研究領域の動向や各分野をけん引している世界中の科学者に注目することで、未来を切り拓く科学とイノベーションの姿が見えてきます。

トムソン・ロイターは豊富な情報ソースとその分析における経験と知見をもとに、未来を創造する科学とイノベーションに携わる研究者と研究機関、そして国のイノベーション政策への支援を積極的に行っていきます。

注1)

高被引用論文(Highly Cited Papers)の定義

ESIの22研究分野において被引用数が上位1%の論文を高被引用論文(Highly Cited Papers)と定義しています。引用は分野によって動向が異なること、一般的に論文発表から時間を経るほど多くなることを踏まえ、各年・分野別の高被引用論文を特定し、集計しています。

注2)

ホットペーパーの定義

トムソン・ロイターが選出するホットペーパーは、学術文献・引用索引データベースWeb of Science Core Collectionの収録レコードをベースにしています。該当期間からみた過去2年間に収録された論文が、直近2カ月間にどれだけ多く引用されたかを基準に選考されます。分析は分野ごとに行われ、上位のトップ0.1パーセントにあたる論文がその分野のホットペーパーとして選出されます。

【InCites Essential Science Indicators(ESI)とは】

ESIは、学術論文の引用動向データを提供する統計データベースです。学術文献・引用索引データベース「Web of Science Core Collection」の収録レコードをもとに、論文の被引用数から、世界のトップ1パーセントにランクされる研究者と研究機関の情報をそれぞれ収録して います。収録データは2か月ごとに更新されます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。

Essential Science Indicators 製品概要

【Web of Science Core Collectionとは】

世界中の影響力の高い学術雑誌12,500以上(2015年12月現在)を厳選し、包括的なアクセスを提供するオンライン学術文献データベースです。 引用文献情報も収載しているので、文献の引用回数を調べたり、引用文献をたどって研究の発展や経過を調べたりすることができます。詳しくは下記サイトをご 覧ください。

Web of Science 製品概要

情報出所 : トムソン・ロイター(Thomson Reuters)

2016年1月19日

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